【7月21日】日経平均は2,091円高と急反発!キオクシアが17%高でプライム上昇率1位

2026年7月21日(火) 東京市場クローズ
日経平均 66,232.19円 +2,091.07円 (+3.26%)

3連休明けの東京市場は急落の反動で買い戻しが優勢となり、大幅に3日ぶり反発。終値がそのまま当日高値となる「高値引け」で、前週末の下げ幅2,694円の約8割を1日で取り戻しました。ストップ安だったキオクシアHDは一転17%高でプライム上昇率1位に躍り出ています。

本日の相場概況

7月21日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反発し、前営業日比2,091円07銭(3.26%)高の6万6,232円19銭で取引を終えました。上昇は3営業日ぶりです。前週末17日の2,694円安(下げ幅は歴代5位)からの自律反発で、下げ幅の約78%を1日で取り戻した計算になります。

特筆すべきは終値が当日の高値6万6,232円19銭とぴたり一致する「高値引け」となったことです。始値6万4,544円05銭に対し、安値は寄り付き直後の6万4,203円47銭。序盤にわずかに押した後は一貫して水準を切り上げ、引けにかけて最も強い値動きとなりました。買い戻しが場中に息切れせず、大引けまで続いたことを示す形状です。

反発の直接のきっかけは、20日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が0.60%上昇と反発したことです。前週にAI・半導体株が総崩れとなった流れがひとまず止まり、同日の韓国KOSPIが3%超上昇したことも、半導体比率の高いアジア市場全体のセンチメント改善につながりました。日本は20日が「海の日」で休場だったため、この2営業日分の落ち着きをまとめて織り込む形になっています。

もっとも米国市場は全面高だったわけではありません。NYダウは307ドル安、S&P500とナスダック総合も小幅安とまちまちの内容でした。それでも東京市場が3%超の上昇となったのは、前週の下げが需給要因で行き過ぎていた反動という性格が強いことを裏づけています。

東証プライムの売買代金は9兆9,675億円(出来高23億2,198万株)。前週末の10兆9,219億円からはやや減ったものの、依然として活発な商いです。値上がり銘柄は全体の79.0%に達し、値下がりは18.8%にとどまりました。33業種中31業種が上昇し、下落はその他製品と水産・農林業のわずか2業種のみ。前週末の全面安から一転、極めて広範囲に買いが入った一日です。

主要マーケット指標

指標 数値 前日比
日経平均株価 66,232.19円 +2,091.07円 (+3.26%)
TOPIX 4,014.95 +95.74 (+2.44%)
SOX指数 (7/20終値) 11,743.85 +69.96 (+0.60%)
ナスダック総合 (7/20終値) 25,508.07 -12.17 (-0.05%)
S&P 500 (7/20終値) 7,443.28 -14.41 (-0.19%)
NYダウ (7/20終値) 51,839.26 -307.16 (-0.59%)
米ドル/円 162円台 円安水準を維持
東証プライム売買代金 9兆9,675億円 出来高 23.2億株
注記: 米国指数は日本時間21日時点で最新となる7月20日の終値です。日本市場は20日が「海の日」で休場だったため、日経平均・TOPIXの前日比はいずれも7月17日終値との比較です。テーブルの色は日本式表記(上昇=赤/下落=緑)に従っています。

マクロ・地政学の視点

今回の反発を評価するうえで重要なのは、前週の急落が業績要因ではなかったという点です。7月17日の下落は、TSMCの決算内容そのものは好調だったにもかかわらず設備投資負担が嫌気されたこと、キオクシアHDの訴訟評決という個別材料、そして韓国のレバレッジETF規制強化という需給材料が重なったものでした。AI実需の崩れを示すデータが出たわけではありません。本日の広範な買い戻しは、市場がこの点を再確認した結果と整理できます。

一方で、楽観に傾ききれない材料も残っています。中東・イラン情勢の緊張は継続しており、原油価格の高止まりを通じてインフレ・金利面から株式の重石となり得ます。本日の業種別上昇率で鉱業・石油石炭製品が上位に並んだのは、まさにこの原油高を反映した動きです。地政学リスクが「一部セクターの買い材料」と「市場全体の重石」という二面性を持っている点は意識しておくべきでしょう。

為替は1ドル=162円台の円安水準を維持しています。前週の株安局面でも円高がほとんど進まなかったことは既に触れたとおりですが、株式が反発した本日もこの水準が保たれており、輸出企業の採算面では引き続き追い風です。株高・円安・原油高という組み合わせのうち、日本株にとって逆風なのは原油高のみ、という構図が当面続きそうです。

セクター・個別銘柄の動き

買われたセクター・銘柄

前週売られたAI・半導体関連が、そのまま反発の主役となりました。指数寄与度で圧倒的だったのがアドバンテストで、株価2万9,630円(+2,125円)と急伸し、1銘柄で日経平均を約512円押し上げています。2位のソフトバンクグループ(5,751円、+327円)の約263円分と合わせ、この2銘柄だけで約775円分、本日の上げ幅2,091円の実に37%を稼いだ計算です。

圧巻だったのはキオクシアホールディングスです。前週末にストップ安まで売られた同社株は一転して8,950円高(+17.18%)の6万1,060円まで買われ、東証プライムの上昇率1位となりました。指数寄与度でも約210円分と3位に食い込んでいます。売られ過ぎた銘柄ほど戻りが大きいという、典型的な自律反発の構図です。

このほかファーストリテイリング(8万840円、+2,000円)が約161円分、東京エレクトロン(6万6,570円、+1,470円)が約148円分の押し上げ。イビデンやTDKも上位に並び、半導体製造装置・電子部品セクターが総じて買い戻されました。年初来高値を更新した銘柄は58に上っています。

売られたセクター・銘柄

下落したのはその他製品と水産・農林業の2業種のみでした。個別ではサイゼリヤ(-320円)や任天堂(-301円)が売られています。前週の急落局面ではサイゼリヤなど内需・ディフェンシブ銘柄が逆行高となっていましたが、本日はその資金がリスク資産へ戻る過程で利益確定に押された格好です。前週のセクターローテーションが、わずか1営業日で巻き戻されたことになります。

日経平均採用225銘柄の内訳は値上がり187・値下がり37・変わらず1。年初来安値をつけた銘柄は1にとどまりました。

テクニカル分析

トレンド

本日のローソク足は、始値6万4,544円・安値6万4,203円・高値および終値6万6,232円という上ヒゲのない大陽線です。前週末17日が長い下ヒゲを伴う大陰線だったことと合わせると、17日安値6万2,704円が当面の底として意識されやすい形状になりました。前週末の記事で触れた「セリング・クライマックスの可能性」は、本日の値動きで一応の裏づけを得たと言えます。

ただし、7月15日の6万8,751円という直近高値まではまだ2,500円超の距離があります。現在の水準は、急落前の株価帯を回復しきってはいません。1日で3%超戻したこと自体が値動きの荒さの表れでもあり、トレンドが上昇基調に復帰したと判断するには、この水準を数日維持できるかの確認が必要です。

サポートとレジスタンス

  • 第1サポート: 6万5,000円 — 前週末に割り込み、本日回復した心理的大台。ここを維持できるかが最初の関門です。
  • 第2サポート: 6万4,203円 — 本日の安値。割り込むと本日の陽線が否定され、上昇の勢いに疑問符が付きます。
  • 第3サポート: 6万2,704円 — 7月17日の安値。二番底の分水嶺です。
  • 第1レジスタンス: 6万6,835円 — 7月16日終値。ここを回復すれば17日の急落は完全に打ち消されます。
  • 第2レジスタンス: 6万8,751円 — 7月15日の直近高値。

オシレーターと出来高

前週末の急落で売られ過ぎ圏(30%前後)に接近していたとみられるRSI(相対力指数)は、本日の3%超の反発で中立圏の50前後まで急回復した公算が大きいと考えられます。MACDは前週に成立したデッドクロス自体は解消していないものの、ヒストグラムのマイナス幅が縮小に転じたとみられ、下降モメンタムは明確に弱まったと推定されます。ただし、これらのオシレーター値はいずれも値動きからの推定であり、確定値ではありません。売買判断にあたっては必ずご自身のチャートツールで実数値をご確認ください。

出来高面では、売買代金9兆9,675億円と10兆円に迫る水準を維持しました。反発局面でも商いが細らなかったことは、戻り売りをこなしながら買いが入ったことを意味し、単なる薄商いの空戻りではない点を評価できます。

市場心理

本日の市場心理は「売られ過ぎの確認と、恐る恐るの買い戻し」と表現できます。前週末に総悲観に近いところまで振れた投資家心理が、米SOX指数の反発と韓国市場の落ち着きという外部シグナルを得て、一気に巻き戻された一日でした。値上がり79%・上昇31業種という広がりは、特定テーマではなく市場全体のリスク許容度が回復したことを示しています。

ただし、これが「調整終了」を意味するかは別問題です。1営業日で2,000円超動く相場は、上下どちらにも動きやすい相場でもあります。前週の下げがわずか5銘柄で下落幅の6割を説明できたように、本日の上げも上位2銘柄で37%を占めており、値がさ半導体株への依存度の高さという構造は何ら変わっていません。日経平均の3.26%高に対しTOPIXが2.44%高にとどまった点も、この偏りを裏づけています。指数の振れ幅が大きい局面が続くという前提は維持すべきでしょう。

明日の注目ポイント

カレンダー: 翌営業日は7月22日(水)で、休場や連休の予定はありません。20日の海の日を挟んだ変則日程はこれで解消し、通常の日程に戻ります。
  • 今夜の米国市場とSOX指数 — 本日の反発は米半導体株の落ち着きが前提です。今夜のSOX指数が続伸できるか、それとも20日の上昇が一時的だったかが、明日の東京市場の方向を左右します。
  • 6万5,000円の維持 — 本日回復した心理的大台を終値で守れるか。維持できれば二番底確認からの戻り歩調が有力になります。
  • キオクシアHDの需給 — ストップ安から17%高へ急反転した銘柄だけに、値動きは荒くなりがちです。訴訟関連の続報にも引き続き注意が必要です。
  • アドバンテスト・ソフトバンクGの動向 — この2銘柄で本日の上げ幅の37%を稼いだ以上、明日も指数の方向はこの2銘柄に大きく左右されます。
  • 中東情勢と原油価格 — 原油高が続けば鉱業・石油関連には追い風ですが、市場全体にはインフレ面の重石です。ドル円162円台の維持と合わせて確認しましょう。

戦略展望

前週末に「慌てて投げない、慌てて拾わない」と書きましたが、本日の急反発はまさにその原則の有効性を示す展開となりました。パニック的な急落の翌営業日に、下げ幅の8割を取り戻す動きが起きる——これが投げ売りの代償です。同時に、本日高値圏で慌てて追いかけることにも同じリスクがあることを忘れてはいけません。

短期的には、本日の高値引けという強い形状は素直に評価しつつも、6万5,000円を維持できるかの確認を優先したいところです。1日で3%超動く相場は方向感の定まらない相場でもあり、押し目を待つ余裕を持ちたい局面です。仮にエントリーするなら、前週同様に時間と価格を分散させる原則は変わりません。

中期的には、今回の一連の値動きが「AI相場の終わり」ではなく「需給主導の急速な調整とその修復」であった可能性が高まりました。TSMC決算が示したAI実需の強さという土台が崩れていない以上、半導体株が主導権を保つ展開は引き続き有力です。ただし、上位数銘柄への依存度が高い相場構造は、上げにも下げにも振れ幅を大きくします。指数の値動きの派手さに心理を揺さぶられないよう、ご自身の投資期間とリスク許容度に立ち返って臨みましょう。

チャート

日経225 (INDEX:NKY)

米ドル/円 (FX:USDJPY)

S&P 500 (FOREXCOM:SPXUSD)

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免責事項: 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資勧誘を目的としたものではありません。記載された数値は執筆時点で公表されている情報に基づいていますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。テクニカル指標に関する記述の一部は値動きからの推定を含みます。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。本記事の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、筆者および当サイトは一切の責任を負いません。

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