【6月12日】日経平均は1,802円上昇!米イラン戦闘終結期待で6万6000円台回復

2026年6月12日(金) 大引けレポート
日経平均 66,020.04円 +1,802.77円 (+2.81%)

米国とイランの戦闘終結期待を背景にリスクオンが急加速。値がさ半導体株が主導し、日経平均は1週間ぶりに6万6000円台を回復しました。上げ幅は一時2,800円を超え、6万7000円台に乗せる場面もありました。

本日の相場概況

6月12日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続伸し、前日比1,802円77銭高の66,020円04銭で取引を終えました。前日にトランプ米大統領がイランへの攻撃中止を表明し、週末にも戦闘終結に向けた合意が署名される可能性があると伝わったことで、地政学リスクの後退を好感した買いが市場全体に広がりました。イラン側も合意承認の公算と報じられ、ホルムズ海峡の再開を含む包括的な枠組みへの期待が一気に高まった格好です。

朝方から買い優勢で始まり、前場には上げ幅が2,225円(+3.47%)に達して66,442円まで上昇。一時は2,800円超高の6万7000円台を付ける場面もありました。後場はやや上げ幅を縮めたものの、引けまで高値圏を維持しました。TOPIXも3日ぶりに反発し、51.61ポイント高の3,881.96(+1.35%)で終了。プライム市場の値上がり銘柄数は964、値下がりは555と、買いの裾野の広さが確認できる一日でした。日経平均の上昇率がTOPIXを大きく上回っており、値がさのAI・半導体関連に資金が集中したことが鮮明です。

主要マーケット指標

指標 終値・水準 前日比
日経平均株価 66,020.04円 +1,802.77円 (+2.81%)
TOPIX 3,881.96 +51.61pt (+1.35%)
ドル円 (USD/JPY) 159円台後半 円高方向 (有事のドル買い一服)
S&P 500 (11日) 7,394.30 +1.75% (約2カ月ぶり大幅高)
WTI原油先物 (11日) 85.94ドル/バレル -4%超 (4月以来の安値)

マクロ・地政学:米イラン「戦闘終結」へ大きく前進

本日の世界的なリスクオンの起点は、トランプ米大統領が11日に予定していたイランへの攻撃を中止すると発表したことです。大統領は「ホルムズ海峡の再開を含む合意に早ければ今週末にも署名できる」と述べ、イランの国営系メディアもテヘラン側が合意を承認する公算が大きいと報道。数週間にわたり市場の重荷となってきた中東リスクが、一気に出口へ向かい始めました。

この報を受けてWTI原油先物は4%超急落し、1バレル=85.94ドルと4月以来の安値圏まで下落。直近4週間の下落率は15%を超えています。原油高によるインフレ再燃懸念が後退したことで米長期金利は低下し、11日の米国株はS&P500が+1.75%と約2カ月ぶりの大幅高となりました。為替市場では「有事のドル買い」が巻き戻され、ドル円は159円台後半へと円高方向に振れましたが、本日の東京市場では円高のマイナス影響よりもリスクオンのプラス効果が圧倒しました。アジア市場でもハイテク比率の高い韓国KOSPIが大幅高となるなど、地域全体で株高が連鎖しています。

セクター・個別銘柄:半導体4銘柄で約1,200円の押し上げ

本日の主役は文句なしにAI・半導体関連でした。東京エレクトロン、アドバンテスト、キオクシアホールディングス、ソフトバンクグループの4銘柄だけで日経平均を1,200円近く押し上げ、上昇分の3分の2を担いました。地政学リスクの後退で投資家のリスク許容度が回復し、直近の調整で売り込まれていた値がさグロース株に資金が一斉に戻った形です。

特に注目を集めたのが半導体メモリー大手のキオクシアHDです。前場には前日比8%超高の81,630円まで買われ、時価総額が一時トヨタ自動車を抜いて国内トップに浮上。AI向けメモリー需要の拡大期待を背景にした同社の存在感は、もはや日本株市場の構造変化を象徴する出来事と言えます。また、米国時間12日に予定されるスペースXの大型IPOに備えた機関投資家の換金売りが一巡したとの観測も、需給面の安心材料となりました。

テクニカル分析

トレンド・チャート形状

日経平均は6月上旬の急落で一時6万2000円台まで調整しましたが、今週は下値を切り上げる展開が続き、本日の大陽線で調整局面からの脱出が鮮明になりました。下落幅の半値戻しを達成したうえで66,000円台を回復しており、チャート形状は「V字反発」の様相です。心理的節目の66,000円を終値で上回ったことで、5月末に付けた高値圏への戻りを試す素地が整いつつあります。

モメンタム指標(RSI・MACD)

RSIは先週の急落時に売られすぎ圏まで低下した後、急速に中立圏へ回復しており、モメンタムの好転を示唆しています。MACDも本日の大幅高でシグナルラインを上抜ける買い転換の形が見えてきました。ただし、わずか数日で2,000円規模の戻りを演じた直後だけに、短期的には過熱感も意識される水準です。週明けに陰線で始まった場合の戻り売り圧力には注意が必要でしょう。

出来高・需給

本日は値がさ半導体株への資金集中が顕著で、売買は引き続き高水準。値上がり964銘柄に対し値下がり555銘柄と、指数の上昇率ほどには全面高ではなかった点は留意が必要です。指数寄与度上位への一極集中はスピード違反的な指数の振れを生みやすく、明日以降は物色の広がり(TOPIX型への資金循環)が持続性のカギを握ります。

サポート・レジスタンス

上値の目先のレジスタンスは本日の高値である67,000円近辺、その上は5月末から6月初旬に付けた68,000円台の高値ゾーンです。下値のサポートはまず本日窓を開けて上昇した65,000円前後、次いで前日終値の64,200円近辺。この帯を維持できる限り、押し目買い有利の地合いが続くと考えられます。

市場心理

投資家心理は「恐怖」から「楽観」へ急旋回しました。先週まで市場を覆っていた中東情勢のテールリスクが急速に縮小し、原油安・金利低下・株高というリスクオンの王道パターンが復活。一方で、合意はまだ「署名前」であり、報道ベースの期待が先行している点は冷静に見る必要があります。過去にも合意期待が土壇場で崩れた局面はあり、週末のヘッドラインリスクを意識してポジションを軽くする向きと、乗り遅れまいと買い急ぐ向きが交錯したのが本日の後場の値動きでした。

来週(週明け)の注目ポイント

  • 米イラン合意の署名:週末にも欧州で署名と報じられる戦闘終結合意が実現するか。破談なら急反落リスク。
  • スペースXの大型IPO:米東部時間12日実施。初値形成と需給インパクト、ハイテク株への資金フローに注目。
  • 原油価格の動向:ホルムズ海峡再開期待でWTIは85ドル台へ急落。続落ならインフレ懸念後退で株式に追い風。
  • 為替の円高進行度合い:有事のドル買い巻き戻しが159円台からさらに進むか。輸出株の重荷になる可能性。
  • 半導体株の持続力:キオクシア・東エレク・アドテストの騰勢が続くか、利益確定売りに押されるか。
  • 物色の広がり:指数寄与度上位への一極集中からTOPIX型・内需株への資金循環が起きるかどうか。

戦略アウトルック

基本シナリオは「地政学リスク後退を背景とした戻り相場の継続」です。ただし本日の上昇はイベント期待を織り込む側面が強く、週末の署名が確認されるまではポジションの傾け過ぎは禁物です。押し目買いの目安は65,000円前後のサポート帯。半導体一極集中の反動に備え、原油安メリットの空運・電力・化学や、出遅れ感のある内需株への分散も一考に値します。仮に合意が破談となった場合は64,000円割れまでの急反落も想定し、損切りラインをあらかじめ決めておくことが重要です。

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