前日の「日経平均だけ上がって、多くの銘柄は下がる」形から一転、本日は相場全体がそろって上がる1日になりました。日経平均は850円21銭高の6万6,364円20銭と5日続伸し、TOPIXも53.29ポイント(1.31%)高の4,128.59と3日ぶりに反発。東証33業種は31業種が上昇し、東証プライムの値上がりは1,118銘柄と値下がり382銘柄の約3倍でした。業種別の上昇率トップは銀行業の+4.08%で、日米の金利上昇による利ざや改善の期待と、9月28日(月)の権利付き最終日を前にした中間配当の権利取りの買いが重なりました(日本経済新聞)。日経平均は終値で一目均衡表の雲の中に入り、TOPIXも25日線を11営業日ぶりに回復。一方でソフトバンクGは3.18%安と1銘柄で日経平均を162円押し下げ、売買代金は7兆8,008億円と前日から15.2%減りました。
まず前夜の米国市場を確認します。24日のNYダウは161.61ドル(0.31%)安の51,349.98ドル、S&P500は1.90ポイント(0.02%)安の7,704.13、ナスダック総合は3.34ポイント(0.01%)高の26,939.37と、主要3指数はほぼ横ばいでした。半導体株指数SOXも41.74ポイント(0.33%)安の12,492.54と小幅安です(いずれも株探・米国株)。米国から強い追い風が吹いたわけではなく、本日の上昇は東京市場の中の要因、つまり国内半導体株への買い直し・金融株への買い・配当の権利取りの3つが重なった結果と整理できます。
日経平均は前営業日終値より125円63銭高い6万5,639円62銭で寄り付き、この始値が1日の安値になりました。その後は東京エレクトロンやアドバンテストへの買いで上げ幅を広げ、高値は896円28銭高の6万6,410円27銭。終値は高値からわずか46円07銭下で、1日を通じて売りに押し戻される場面がほとんどない値動きでした。ローソク足は実体724円58銭の大きな陽線で、下ヒゲはゼロ、上ヒゲは46円07銭。前日の「高値から735円押し戻された長い上ヒゲ」とは対照的に、寄り付きから大引けまで買いが続いた形です。日中値幅は770円65銭で、前日の841円74銭から8.4%縮小しました。
主要マーケット指標
| 指標 | 数値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 66,364.20円 | +850.21円 (+1.30%) 5日続伸 |
| 日経平均 始値 / 高値 / 安値 | 65,639.62 / 66,410.27 / 65,639.62 | 始値=安値。高値は前営業日比+896.28円 |
| 寄り付きのギャップ | +125.63円 (+0.19%) | 前営業日終値65,513.99円から上放れて始まった |
| ローソク足の形 | 実体724.58円の大陽線 | 上ヒゲ46.07円 / 下ヒゲ0円。終値は高値の46円下 |
| 日中値幅 | 770.65円 | 前営業日の841.74円から8.4%縮小 |
| TOPIX | 4,128.59 | +53.29 (+1.31%) 3日ぶり反発 |
| TOPIX 始値 / 高値 / 安値 | 4,092.19 / 4,132.11 / 4,089.19 | 安値も前営業日終値を13.89上回り、1日を通じてプラス圏 |
| TOPIXと日経平均の騰落率差 | 0.01ポイント | 日経平均+1.30%、TOPIX+1.31%でほぼ同じ上昇率。3営業日ぶりにTOPIXが上回った |
| NT倍率 | 16.074倍 | 前営業日16.076倍からほぼ横ばい(-0.002) |
| 東証プライム 売買代金 | 約7兆8,008億円 | 前営業日の約9兆2,038億円から15.2%減 |
| 東証プライム 売買高 | 約21億4,920万株 | 前営業日の約24億9,306万株から13.8%減 |
| 1株あたり平均約定単価 | 約3,630円 | 前営業日の約3,692円から1.7%低下 |
| 東証プライム 値上がり/値下がり | 1,118銘柄 / 382銘柄 | 変わらず54銘柄。値上がりは全体の約72%。前日は674/838 |
| 日経平均225銘柄 値上がり/値下がり | 171銘柄 / 51銘柄 | 変わらず3銘柄。前日の96/129から逆転 |
| 東証33業種 上昇/下落 | 31業種 / 2業種 | 前営業日の12/21から上昇業種が19増えた |
| 業種別 上昇率1〜6位 | 銀行業 +4.08% | 以下 証券・商品+2.08%、その他金融業+1.85%、電気機器+1.80%、精密機器+1.45%、サービス業+1.45% |
| 下落した2業種 | 情報・通信業 -0.88% | ほかに建設業-0.52% |
| 最大のプラス寄与 | 東京エレクトロン +261円47銭 | 4.82%高の5万6,520円 |
| プラス寄与 2〜5位 | アドバンテスト +226円88銭 | 以下 イビデン+63円02銭、ファーストリテイリング+56円32銭、リクルートHD+33円69銭 |
| プラス寄与 上位5銘柄合計 | +641円38銭 | 上げ幅850.21円の75.4% |
| プラス寄与 6〜10位 | 京セラ +30円57銭 | 以下 キオクシアHD+28円16銭、村田製作所+16円01銭、レーザーテック+15円15銭、フジクラ+15円08銭 |
| 最大のマイナス寄与 | ソフトバンクG -162円51銭 | 3.18%安の6,150円。1銘柄でマイナス寄与合計の78% |
| マイナス寄与 2〜5位 | ファナック -6円03銭 | 以下 清水建設-4円71銭、コナミG-4円02銭、中外製薬-3円42銭 |
| 東京エレクトロン+アドバンテスト+イビデン | +551円37銭 | 3銘柄で上げ幅の64.9%。前日の104.3%から低下し、上昇の偏りが薄れた |
| 寄与度の合計 | +1,059円44銭 / -209円19銭 | 値上がり171銘柄と値下がり51銘柄の合計(株探)。差し引き+850円25銭で上げ幅と一致(差4銭は端数処理) |
| 売買代金トップ | キオクシアHD 約1兆2,108億円 | 2.20%高の5万5,780円。2位ソフトバンクG約3,833億円、3位イビデン約2,673億円、4位アドバンテスト約2,663億円 |
| 東証プライム 値上がり率1位 | 小林製薬 +16.99% | ストップ高。2位トーメンデバイス+9.39%、3位フルヤ金属+9.35% |
| 東証プライム 値下がり率1位 | 生化学工業 -8.92% | 2位インソース-7.02%、3位日本ケミコン-6.98%、4位清水建設-5.98% |
| ストップ高 / ストップ安 | 7銘柄 / 0銘柄 | 全市場・引け時点(株探のランキング) |
| 米ドル/円 | 158円13銭 | 16時36分時点(Yahoo!ファイナンス)。前日の同時刻帯(株探158円42銭)からは29銭の円高 |
| 米10年債利回り (9/24) | 5.162% | 前日5.114%から0.048ポイント上昇(Yahoo!ファイナンス) |
| NYダウ (9/24終値) | 51,349.98 | -161.61 (-0.31%) |
| S&P 500 (9/24終値) | 7,704.13 | -1.90 (-0.02%) |
| ナスダック総合 (9/24終値) | 26,939.37 | +3.34 (+0.01%) |
| SOX指数 (9/24終値) | 12,492.54 | -41.74 (-0.33%)。2日続落 |
| 日経平均 5日線との位置 | +2.11% | 5日線 64,991.28。1,372円92銭上 |
| 日経平均 25日線からの乖離 | +1.67% | 25日線 65,274.39。1,089円81銭上。2営業日連続で上回った |
| 日経平均 75日線との差 | -247.05円 (-0.37%) | 75日線 66,611.25。8月21日から23営業日連続で下回るが、差は前日の1,100円から247円に縮小 |
| 日経平均 200日線からの乖離 | +10.83% | 200日線 59,881.38。6,482円82銭上 |
| 日経平均 一目均衡表の雲 | 65,632.45 〜 66,640.32 | 終値は雲の下端を731円75銭上回り、8営業日ぶりに雲の中へ。上端までは276円12銭 |
| 日経平均 転換線 / 基準線 | 64,568.23 / 65,909.69 | 転換線は1,795円97銭上。基準線も454円51銭上回り回復 |
| 日経平均 ボリンジャーバンド | +1σ 66,224.65 / +2σ 67,174.90 | 終値は+1σを139円55銭上回り、+1σと+2σの間に入った |
| 日経平均 RSI (14日) | 56.2 | 前営業日の51.8から4.4ポイント上昇 |
| 日経平均 MACD / シグナル | -258.1 / -412.9 | ヒストグラムは+154.8。前日のゴールデンクロス後、プラス幅が拡大 |
| 日経平均 52週高値からの距離 | -6,467.53円 (-8.88%) | 52週高値 72,831.73 (6/22)。前営業日の-10.05%から縮小 |
| 7月29日安値からの戻り | +5,915.30円 (+9.79%) | 直近安値 60,448.90 (7/29)。前営業日の+8.38%から拡大 |
| TOPIX 25日線 | 4,086.33 | 終値は42.26上(+1.03%)。11営業日ぶりに回復 |
| TOPIX 5日線 / 75日線 | 4,090.19 / 4,041.32 | 5日線を38.40、75日線を87.27上回った |
| TOPIX 転換線 / 基準線 | 4,049.64 / 4,082.02 | 基準線を46.57上回り、3営業日ぶりに回復 |
| TOPIX 一目均衡表の雲 | 3,993.16 〜 4,056.52 | 終値は雲の上端を72.07上回り、雲の上を維持 |
| TOPIX RSI (14日) / MACD | 56.4 / 2.6 (シグナル1.2) | ヒストグラムは+1.4とプラスに転じ、MACDがシグナルを上抜け(ゴールデンクロス) |
| TOPIX 52週高値からの距離 | -91.72 (-2.17%) | 52週高値 4,220.31 (8/14)。前営業日の-3.44%から縮小 |
マクロ・地政学の視点
本日も「金利」が最大のテーマでしたが、株価への効き方は前日と逆になりました。米10年債利回りは24日に5.162%と、前日の5.114%からさらに上昇しています(Yahoo!ファイナンス)。前日の東京市場では、日米の長期金利上昇が株式の上値を抑え、「金利上昇で利ざやが広がる」とされる銀行業まで-1.66%と売られました。ところが本日は、日本経済新聞によれば日米の金利上昇で利ざや改善を期待した買いが金融株に入り、銀行業は+4.08%と33業種の上昇率トップ。証券・商品+2.08%、その他金融業+1.85%、保険業+1.37%と、金融関連の4業種がそろって上位に並びました。三菱UFJ FGは3.95%高、東証プライムの値上がり率上位には三十三FG(+8.80%)・筑波銀行(+8.54%)・東邦銀行(+8.51%)・あいちFG(+8.45%)・山形銀行(+8.40%)・北日本銀行(+8.11%)と地方銀行が6行並んでいます(株探)。
もう1つの追い風は、中間配当の権利取りです。3月期決算企業の中間配当・株主優待の権利を得るための最終売買日(権利付き最終日)は9月28日(月)で、日本経済新聞はこの権利取りの買いが幅広い銘柄に入ったと伝えています。33業種中31業種が上昇し、東証プライムの約72%の銘柄が値上がりした「全面高」に近い形になったのは、この買いが業種を選ばずに入ったためと考えられます。
為替は小幅な円高でした。ドル円は16時36分時点で158円13銭(Yahoo!ファイナンス)と、前日の同時刻帯(158円42銭、株探)から29銭の円高です。ただし158円台の円安水準は維持しており、輸送用機器も+0.46%と小幅に上昇しました。
下押し材料になったのは、米国のAIデータセンター計画です。日本経済新聞によれば、米オラクルが米ニューメキシコ州で計画する大型AIデータセンターについて、2028年の稼働予定が遅れる可能性に備えた対応を取ったと伝わり、オラクル・オープンAIと共同でAIインフラ投資「スターゲート」を進めるソフトバンクGに売りが出ました。
セクター・個別銘柄の動き
東証33業種のうち上昇は31業種、下落は2業種でした。上昇率の上位は銀行業+4.08%、証券・商品+2.08%、その他金融業+1.85%、電気機器+1.80%、精密機器+1.45%、サービス業+1.45%。前日にリクルートHDの7.78%安で-4.61%と下落率トップだったサービス業は、本日はリクルートHDが2.09%高と反発して上位に戻りました。下落は情報・通信業-0.88%と建設業-0.52%の2業種だけで、情報・通信業はソフトバンクGの下落、建設業は清水建設(-5.98%)の下落が響いたとみられます。日本経済新聞は、大成建設も下落したと伝えています。
日経平均を押し上げたのは、今日も半導体株です。プラス寄与トップは東京エレクトロンで、4.82%高の5万6,520円、寄与度+261円47銭。2位はアドバンテストで2.84%高の3万4,000円、寄与度+226円88銭。3位はイビデン(4.20%高、+63円02銭)で、この3銘柄で+551円37銭と上げ幅の64.9%を占めます。前日は同じ3銘柄の寄与が上げ幅の104.3%と「3銘柄だけの上昇」だったのに対し、本日は3分の2に下がり、残りの約3分の1を他の銘柄が稼いだことになります。以下ファーストリテイリング(1.03%高、+56円32銭)、リクルートHD(2.09%高、+33円69銭)、京セラ(3.12%高、+30円57銭)、キオクシアHD(2.20%高、+28円16銭)と続きました。ファーストリテイリング・リクルートHD・京セラの上昇は日本経済新聞も伝えています。
値上がり率では、小林製薬が1,000円(16.99%)高の6,885円とストップ高で東証プライムの1位。株式の非公開化を検討していると伝わり、朝からストップ高の買い気配が続きました(日本経済新聞)。売買代金は前日に続きキオクシアHDが約1兆2,108億円でトップですが、前日の約1兆5,477億円からは2割以上減りました。2位はソフトバンクG(約3,833億円)、3位イビデン(約2,673億円)、4位アドバンテスト(約2,663億円)、5位太陽誘電(約2,494億円、2.52%高)です。前日に目標株価の引き下げで4.69%安だった太陽誘電は、本日は反発しました。
半面、指数を最も押し下げたのはソフトバンクGです。3.18%安の6,150円で、寄与度は-162円51銭。マイナス寄与の2位(ファナック、-6円03銭)の27倍で、1銘柄でマイナス寄与合計-209円19銭の78%を占めました。ソフトバンクGを除けば、日経平均のマイナス寄与はほとんどなかったことになります。東証プライムの値下がり率上位は生化学工業(-8.92%)、インソース(-7.02%)、日本ケミコン(-6.98%)、清水建設(-5.98%)でした。中外製薬(-0.51%)、任天堂(-1.17%)、荏原製作所(-1.55%)、ソシオネクスト(-2.43%)も下落し、前日に15.00%高と値上がり率1位だったソシオネクストは反落しています。ストップ高は全市場で7銘柄、ストップ安は0銘柄でした(株探)。
テクニカル分析
トレンドの位置
日経平均の終値6万6,364円20銭は、25日線を2営業日連続で上回りました。25日線は6万5,274円39銭で、終値はその1,089円81銭上(+1.67%)です。移動平均線とは過去一定期間の終値の平均で、5日線は直近1週間、25日線は約1か月、75日線は約3か月半、200日線は約10か月の平均コストを表します。5日線6万4,991円28銭は1,372円92銭下(+2.11%)。75日線は6万6,611円25銭で、終値では247円05銭下(-0.37%)と8月21日から23営業日連続で下回っていますが、差は前日の1,100円25銭から大きく縮まりました。本日の高値6万6,410円27銭でも75日線には201円届いていません。200日線は5万9,881円38銭で終値の6,482円82銭下(+10.83%)と、長期の上昇基調は保っています。
一目均衡表では、8営業日ぶりに「雲」の中に入りました。一目均衡表の「雲」とは、過去の値動きから算出した2本の線に挟まれた帯で、株価がその中にあると方向感に乏しい、上にあれば強い、下にあれば弱いと読むのが一般的です。本日の雲は6万5,632円45銭〜6万6,640円32銭で、終値は下端を731円75銭上回り、上端までは276円12銭。「弱い位置」から「方向感を探る位置」に1段上がった形です。基準線6万5,909円69銭も454円51銭上回って回復し、転換線6万4,568円23銭とは1,795円97銭の差があります。
TOPIXも位置を大きく改善しました。終値4,128.59は25日線4,086.33を42.26上回り、11営業日ぶりに25日線を回復。基準線4,082.02も3営業日ぶりに上回りました。5日線4,090.19・75日線4,041.32・雲の上端4,056.52もすべて下にあり、主要な線をすべて上回る位置に戻っています。NT倍率は16.074倍と前営業日の16.076倍からほぼ横ばいでした。NT倍率とは日経平均をTOPIXで割った値で、横ばいは日経平均とTOPIXが同じ勢いで上がった、つまり一部の値がさ株だけでなく相場全体が上がったことを示します。
サポートとレジスタンス
日経平均の上値の関門は、まず本日の高値6万6,410円27銭です。その上に75日線6万6,611円25銭と雲の上端6万6,640円32銭が並び、6万6,400円〜6万6,650円の約250円に節目が集まっています。終値で雲の上端を上抜ければ、75日線も同時に回復する位置です。その上はボリンジャーバンドの+2σ 6万7,174円90銭。ボリンジャーバンドとは移動平均線の上下に値動きのばらつき(標準偏差)の幅を加えた帯で、±2σの外に出るのは統計的に珍しい水準と読むのが一般的です。翌営業日の雲は6万6,055円23銭〜6万6,640円32銭(計算値)と、下端が423円切り上がります。
下値の目安は、まず基準線の6万5,909円69銭と、本日の安値(=始値)6万5,639円62銭。本日の安値は前日の安値6万5,407円37銭を232円25銭上回り、9月14日の6万2,726円18銭を底に6営業日連続で安値を切り上げました。その下は25日線6万5,274円39銭で、ここを割り込むと、2日前に回復した「中期の平均コストの上」という位置を再び失います。
オシレーター
日経平均のRSI(14日)は56.2で、前営業日の51.8から4.4ポイント上昇しました。RSIは直近14日間の値上がり幅と値下がり幅の比率を0〜100で表した指標で、一般に30以下が売られすぎ、70以上が買われすぎ、50が中立とされます。56.2は中立よりやや強い水準で、買われすぎの70までは余地があります。TOPIXのRSIも56.4と、前日の49.8から50を回復しました。
日経平均のMACDは-258.1、シグナルは-412.9で、ヒストグラムは+154.8。MACDは短期と長期の移動平均の差を示す指標で、シグナル(MACDの平均線)を上抜けば買い、下抜けば売りのサインと読むのが一般的です。ヒストグラムは9月15日の-229.9を底に、-204.2→-160.1→-63.7→+35.9→+154.8と5営業日連続で改善し、前日のゴールデンクロス後にプラス幅を広げました。ただしMACD自体はまだマイナス圏にあり、ゼロを上回るまでは下落局面からの戻りの範囲です。TOPIXはヒストグラムが前日の-2.6から+1.4に転じ、MACD(2.6)がシグナル(1.2)を上抜けてゴールデンクロスしました。TOPIXのMACDはゼロより上にあり、日経平均より一歩先に「上昇局面の形」に戻っています。
市場心理
本日の市場心理を一言で表すなら、「偏った上昇から、広がりのある上昇へ」です。前日は日経平均が495円上がっても東証プライムの値下がり銘柄が多く、上昇は半導体3銘柄の寄与で上げ幅を上回るほど偏っていました。本日は値上がり1,118銘柄に対し値下がり382銘柄、225銘柄でも171対51、33業種でも31対2と、どの物差しで見ても買いが優勢でした。寄り付きが1日の安値で、大引けが高値の46円下という値動きも、1日を通じて買いが途切れなかったことを示しています。
ただし売買代金は7兆8,008億円と前日から15.2%減り、売買高も13.8%減りました。日本経済新聞は、市場関係者の「前日から環境が変わったわけではなく、選別的な買いが入っている」との見方を紹介しています。配当の権利取りという「期日のある買い」が支えになった面もあり、権利付き最終日を過ぎた後も同じ勢いが続くかは確認が必要です。
翌営業日の注目ポイント
翌営業日は9月28日(月)です。ひとつ目の焦点は、3月期決算企業の中間配当・株主優待の権利付き最終日であることです。28日までは権利取りの買いが入りやすい一方、翌29日(火)は権利落ち日で、配当の権利が落ちる分だけ株価が下がりやすく、日経平均やTOPIXも配当落ち分の下押しを受けるのが一般的です。本日の「全面高」のうち、どこまでが権利取りによるものだったのかが、29日以降の値動きで見えてきます。
ふたつ目は、週末の米国市場と日米の長期金利です。24日の米国株は主要3指数がほぼ横ばい、SOX指数は2日続落でした。米10年債利回りは5.162%と高い水準にあり、本日は銀行株の追い風になりましたが、前日のように株式全体の上値を抑える方向に働く可能性もあります。ソフトバンクGの下落につながったAIデータセンター計画の遅れ懸念が、米国のAI関連株にどう波及するかも確認したいところです。
テクニカル面で28日(月)に確認したいのは2点です。日経平均は、雲の中にとどまったまま、75日線6万6,611円25銭と雲の上端6万6,640円32銭を終値で上抜けられるか。75日線の上で終われば8月21日以来24営業日ぶりになります。逆に翌営業日の雲の下端6万6,055円23銭(計算値)を割り込めば、再び雲の下端付近での攻防になります。TOPIXは、回復した25日線4,086.33と基準線4,082.02を維持できるかが焦点です。
戦略展望
本日の値動きから読み取れる前向きな点は3つあります。ひとつ目は、上昇が相場全体に広がったことで、33業種中31業種が上昇し、TOPIXも日経平均と同じ1.3%上昇、NT倍率は横ばいでした。ふたつ目は、日経平均が雲の中に入り基準線も回復、TOPIXは25日線と基準線を回復してMACDもゴールデンクロスと、両指数のテクニカルの形がそろって改善したこと。三つ目は、9月14日を底に6営業日連続で安値を切り上げ、5日続伸で7月29日安値からの戻りが9.79%に広がったことです。
一方で、慎重に見るべき点も3つあります。ひとつ目は、売買代金が前日から15.2%減ったことで、上昇の広がりに比べて参加者の厚みは増えていません。ふたつ目は、支えの1つが配当の権利取りという期日のある買いだったことで、29日の権利落ち以降は需給が変わる可能性があります。三つ目は、日経平均の上に75日線と雲の上端が6万6,600円台で重なっており、23営業日連続で75日線を下回っていることです。
したがって本日の値動きから導かれる見立てはこうです——「日経平均は5日続伸で雲の中に入り、TOPIXも主要な線をすべて回復した。上昇は半導体の一部から金融・内需を含む相場全体に広がった。ただし売買代金は減っており、6万6,600円台の75日線と雲の上端が次の関門で、権利落ち後の需給も読みにくい」。判別の材料は、日経平均が75日線と雲の上端を終値で上抜けられるか、そして権利落ち日の29日以降もTOPIXが25日線の上を維持できるかの2点です。なお本節の見立てはあくまで本日までの数値から読める整理であり、将来の株価を予測するものではありません。
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