AI・半導体関連株の調整リスクが引き続き意識され、米マイクロン・テクノロジーの決算発表を控えた持ち高整理の売りが優勢に。日経平均は一時1,300円超下落する場面もあり、2日続落となりました。
本日の相場概況
6月24日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比613円41銭(0.88%)安の6万9,174円97銭で取引を終え、2日続落となりました。前日23日に9日ぶりの大幅反落(2,565円安)を演じた流れを引き継ぎ、本日も売りが先行。寄り付き直後から下げ幅を広げ、午前中には一時1,300円を超える下落となり、ザラ場安値は6万8,461円10銭まで沈みました。
ただし、節目の6万8,000円台後半では押し目買いも入り、後場にかけては下げ渋る展開に。高値は7万0,218円71銭と一時プラス圏を回復する場面もあり、終値ベースでは安値からおよそ700円戻して引けました。値動きの荒い、神経質な一日となっています。
相場全体を覆ったのは、ここまで上昇相場をけん引してきたAI・半導体関連株に対する調整リスクです。米半導体大手マイクロン・テクノロジーの決算発表を控え、過熱感の強かったAI関連の主力銘柄に対して利益確定と持ち高整理の売りが広がりました。米国でもAI投資の投資回収(リターン)に対する懐疑論が改めて意識されており、グローバルにリスク資産が手仕舞われる地合いとなっています。
主要マーケット指標
| 指標 | 終値・水準 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 69,174.97円 | ▼613.41円 (▼0.88%) |
| 日経平均 高値 / 安値 | 70,218.71 / 68,461.10 | — |
| USD/JPY(ドル円) | 161.40円前後 | やや円高(161円台半ば) |
| S&P 500(前日終値) | 7,371前後 | -1.4% |
| WTI原油先物 | 73.0ドル/バレル前後 | 米イラン協議進展で軟調 |
為替市場では、ドル円は1日を通じておおむね横ばいながら、株安に伴うリスク回避からやや円高に振れ、161円台半ばで推移しました。週明けに162円を試した後はもみ合いが続いており、明確な方向感は出ていません。原油(WTI)は米国とイランの和平協議進展による供給不安の後退を背景に、73.0ドル近辺と落ち着いた水準で取引されています。
マクロ・地政学の注目点
外部環境では、米国市場の動向が最大の焦点です。前日23日の米国株はS&P500が約1.4%下落し、ナスダックも軟調。エヌビディア、ブロードコム、クアルコム、AMD、マイクロン、サンディスクといったAIインフラ・半導体関連が軒並み売られました。ハイパースケーラー(大手クラウド事業者)によるAI投資が期待されたリターンに見合わないのではないか、という懐疑論が改めて広がったことが背景です。
地政学面では、中東情勢を巡る緊張がやや後退し、原油価格の落ち着きにつながっています。一方で、AI関連の設備投資サイクルがどこまで持続するかという「業績の壁」が、当面のグローバル株式市場の最大のテーマとなりそうです。日本株はこのAIテーマへの感応度が高く、米半導体株の調整局面では下押し圧力を受けやすい構造にあります。
セクター・個別銘柄の動向
本日は値がさの半導体・AI関連株の下落が指数の重しとなりました。半導体製造装置や半導体関連の主力銘柄に利益確定売りが先行し、これら数銘柄で日経平均の下げ幅の大半を説明できる展開です。一方、ディフェンシブセクター(食品、医薬品、内需・小売)や、相対的に出遅れていた銀行・保険などの金融株には資金を逃避させる動きもみられ、相場全体としては「成長株から景気敏感・割安株へ」というリバランスの色彩がうかがえます。
マイクロンの決算発表を控え、半導体関連は決算通過まで様子見ムードが強まりやすい局面です。決算内容とガイダンス次第では、明日以降の関連株の方向性が大きく左右されるため、引き続き米半導体株の値動きから目が離せません。
テクニカル分析
トレンドと移動平均線
日経平均は連日の最高値更新から一転して2日続落となり、短期的な過熱感の解消局面に入りました。終値の6万9,174円は依然として高値圏ではあるものの、25日移動平均線との乖離(かいり)が急速に縮小しており、目先は調整一巡を探る動きとなります。終値ベースで7万円の大台を割り込んだ状態が続いており、この水準を早期に回復できるかが当面の強弱の分かれ目です。
RSI・MACD・出来高
過熱を示していた短期RSI(相対力指数)は、2日間の下落で70台の買われ過ぎ圏から50〜60台の中立圏へと急低下し、需給の偏りが大きく緩和されました。MACDは高値圏でデッドクロスを示現しつつあり、短期トレンドは下向きへの転換を示唆しています。出来高・売買代金は引き続き高水準で、利益確定と押し目買いが交錯する活発な商いとなっています。
サポート・レジスタンス
下値メドは、本日のザラ場安値6万8,461円、次いで心理的節目の6万8,000円、さらに割れる場合は6万7,000円台が意識されます。上値は本日高値の7万0,218円、そして7万円の大台奪回がカギ。当面は6万8,000円〜7万0,200円のレンジ内での値固めを想定します。
市場心理(マーケット・センチメント)
投資家心理は、これまでの「乗り遅れるな」という強気一辺倒のムードから、一気に慎重姿勢へと振れています。AIラリーの小休止を受けて、高値圏での信用買い残の解消や、利益確定売りが膨らみやすい地合いです。とはいえ、押し目では押し目買いが入っており、強気の地合い自体が崩れたわけではありません。決算シーズンを前にした「健全な調整」と捉える向きと、本格的な天井形成を警戒する向きが交錯し、方向感を欠いた神経質な相場となっています。
明日の注目ポイント
- 米マイクロン・テクノロジーの決算発表と、それを受けた米半導体株(SOX指数)の反応
- S&P500・ナスダックが下げ止まるか、AI関連株の調整がどこまで続くか
- ドル円の方向感 — 161円台でのもみ合いを上下どちらに放れるか
- 日経平均が終値で7万円の大台を回復できるか、6万8,000円を維持できるか
- 高値圏の信用買い残の解消(需給整理)がどこまで進むか
- 原油・金利など外部環境の落ち着きが続くか
今後の投資戦略
足元はAIテーマの過熱調整局面であり、短期的にはボラティリティ(変動率)の高い展開が続く可能性があります。高値づかみを避けるためにも、半導体・AI関連の主力株については、米決算と米株の動向を確認しながら押し目を分割で拾う慎重なスタンスが有効でしょう。一方で、出遅れていたディフェンシブ株・割安株へのリバランスはリスク分散の観点から検討に値します。トレンドが大きく崩れたとは言い切れないため、過度に弱気になるよりも、調整一巡後の上昇再開を見据えた銘柄選別が重要になります。
チャート(TradingView)
日経225 (INDEX:NKY)
USD/JPY (FX:USDJPY)
S&P 500 (FOREXCOM:SPXUSD)
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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資手法を推奨するものではありません。記載の数値・情報は執筆時点の公開情報に基づいていますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。本記事の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いません。

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