【9月7日週の相場観】サンデーダウは26ドル高、日経の想定レンジは64,300〜66,600円

2026.09.06 (SUN) WEEKLY MARKET OUTLOOK
今週の想定レンジ 64,300 〜 66,600円
先週金曜終値 65,021円(+1.26%) / サンデーダウ 53,440ドル(ダウ比 +26ドル)
本稿では、①先週末の日本市場→②米国市場→③時間外・サンデーダウ/サンデーナスダック→④週末の国際情勢の順に足元を整理したうえで、⑤今週の日本市場の見通しをまとめます。先週の日経平均は週間-1,384円62銭(-2.09%)と2週ぶりの下落水曜2日は中東情勢の緊迫と国内10年債利回りの3%乗せを受けて1日で1,889円70銭安と急落し、木曜には6万4,000円を割り込む場面もありました。ところが金曜はAI・半導体主導で806円46銭高と5日ぶりに反発し、さらに大取ナイトセッションは現物終値を809円06銭上回る65,830円で週末を通過しています。今週は国内に祝日のない5営業日。ただし月曜7日は米レイバーデーで米国市場が休場で、週末11日には米8月CPIとメジャーSQが重なります

① 先週末の日本市場の動向(9/4)

先週末4日(金)の東京市場は5日ぶりの反発で引けました。日経平均は前日比806円46銭高(+1.26%)の65,020円94銭。始値64,498円94銭で寄り付き、そこからほぼ一本調子で水準を切り上げて高値65,182円45銭まで買われました。安値は寄り付き直後の64,228円47銭です。前日までの4日続落で下げ過ぎ感が強まっていたところに、米ハイテク株高と国内長期金利の低下が重なり、値ごろ感からの買いが入りました。売買高は22億1,033万株、売買代金は8兆3,282億円と週内で最大です。TOPIXは1.19ポイント高(+0.03%)の4,103.23。高値4,116.63(=始値)、安値4,070.64で、日経平均が1.26%上げたのに対しTOPIXはほぼ横ばいという、値がさ株偏重の反発でした。

それを裏づけるのが寄与度です。ソフトバンクグループ1銘柄で日経平均を473円87銭押し上げ、次いでアドバンテストが195円50銭、ファーストリテイリングが88円50銭、キオクシアHDが65円47銭、イビデンが50円62銭と続きました。上位5銘柄だけで873円96銭——この日の上げ幅806円46銭を上回る計算です。マイナス寄与はリクルートHDの20円11銭を筆頭に、三菱商事15円79銭、三井物産15円69銭、信越化学12円24銭、ダイキン10円73銭。東証プライムの値上がりは785、値下がりは708、変わらずは56で、上げた銘柄と下げた銘柄がほぼ拮抗していました。指数の反発ほど地合いは強くない、という点は押さえておく必要があります。

週間では日経平均が1,384円62銭安(-2.09%)と2週ぶりに下落しました。前週末終値は66,405円56銭です。週間の値幅は9月1日(火)のザラ場高値66,525円70銭から9月3日(木)のザラ場安値63,772円80銭までの2,752円90銭。前週の2,345円22銭よりさらに広がりました。TOPIXは4,146.71から4,103.23へ-43.48ポイント(-1.05%)と、日経平均の-2.09%に比べれば下げは半分程度です。2週続けてTOPIXが日経平均を上回るパフォーマンスとなりました。

週の流れを日ごとに追います。月曜8月31日は-93円63銭(-0.14%)と小幅反落。前週末のジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長の講演が「タカ派」と受け止められ、米ハイテク株が下落したことを引き継ぎ、半導体関連にリスク回避の売りが出ました。もっとも朝安後は戻り歩調をたどり、高値引けの66,311円93銭で終えています。火曜1日は-96円59銭(-0.15%)と続落。日米で上昇基調を強める長期金利をにらんだ神経質な地合いが続きましたが、ザラ場では週高値66,525円70銭を付ける場面もありました。TOPIXはこの日プラスで着地し9日続伸です。

水曜2日が今週の分水嶺でした。-1,889円70銭(-2.85%)の急落です。米国とイランの対立再燃で原油価格が高騰し、インフレ警戒感が一気に強まりました。世界的な金利上昇に弾みがつき、株式から資金が退避する動きが広がります。前日に3%の大台に乗せていた国内10年債利回りは、この日一時3.015%まで上昇。日経平均は一時2,000円近い下げとなり6万4,000円を割り込む場面がありました。木曜3日は-111円16銭(-0.17%)と4日続落。朝方は自律反発狙いの買いで高く始まったものの、原油高への懸念が根強く次第に値を消してマイナス圏に沈みました。ザラ場安値63,772円80銭は週安値です。個別では米投資会社バークシャー・ハサウェイのCEO発言を手掛かりに商社株が物色されました。そして金曜4日の806円46銭高で、週の下げ幅の一部を取り戻して終えた形です。

先週の構図をひとことでまとめれば「金利と原油に振り回された週」です。日経平均は水曜1日で1,889円下げ、金曜1日で806円戻しました。5営業日のうち4日が下落しながら、週間の下げ幅の6割近くを金曜1日で埋めたという荒い値動きです。しかもその金曜の反発は、ソフトバンクグループとアドバンテストという2銘柄で上げ幅の8割超を説明できてしまう。指数の数字と体感の乖離が大きい一週間だったと言えます。

需給面では、東証が3日に発表した8月第4週(24〜28日)の投資部門別売買動向が参考になります。日経平均が週間389円高と小反発したこの週、海外投資家は現物で1,319億円の売り越し(2週連続)となりました。売越額は前の週の4,378億円から縮小しています。信託銀行は1,915億円の売り越し(3週連続)、個人投資家は1,155億円の売り越し(2週ぶり)で、前の週の6,977億円買い越しから一転しました。買い手側は証券会社の自己売買が3,166億円の買い越し(3週連続、前の週は1,474億円)、自社株買いが中心とみられる事業法人が2,124億円の買い越し(9週連続、前の週は1,777億円)です。海外勢は先物では6週連続の買い越し(825億円)でしたが、現物と先物の合算では2週連続の売り越し(493億円)でした。

セクター別では、東証33業種のうち8業種が上昇、25業種が下落しました。東証プライム1,549銘柄では値上がり419、値下がり1,110、変わらず他20と、7割超の銘柄が下落しています。値上がり率トップは電気・ガスの+5.01%で、関西電力・九州電力・北海道ガスが牽引しました。2位は石油・石炭製品の+2.78%(出光興産・コスモエネルギーHD・ENEOS)、3位は銀行業の+2.44%、4位が保険業の+2.31%です。原油高の恩恵を受けるエネルギーと、金利上昇の恩恵を受ける金融という、今週の材料をそのまま映した並びでした。一方の下落率トップは非鉄金属の-5.76%で、金価格の急落が直撃しています。以下は東証33業種指数の9月4日終値の8月28日終値に対する騰落率です。

セクター(東証33業種) 週間騰落率 コメント
電気・ガス +5.01% 33業種で最上位。関西電・九州電・北ガス。原油高でも規制料金でヘッジされる内需公益に資金が集中
石油・石炭製品 +2.78% 出光興産・コスモHD・ENEOS。WTIの週間+9.69%が精製マージン期待に直結
銀行業 +2.44% 四国銀・宮崎銀・プロクレHD。国内10年債3%乗せと日銀の早期利上げ観測が追い風
保険業 +2.31% 東京海上・かんぽ生命・MS&AD。長期金利上昇で運用収益の改善期待
情報・通信業 +2.30% Appier・ソフトバンクG・セック。SBGの金曜急伸が業種全体を押し上げ
卸売業 +1.94% Bガレージ・ソーダニッカなど。商社株には木曜にバークシャーCEO発言が材料視される場面も
鉄鋼 +0.81% 素材株の中では底堅い。景気敏感の中でも内需比率の高さが意識される
証券・商品 +0.36% 値上がり8業種の末尾。売買代金の膨らみと金利上昇が下支え
建設業 -0.21% 下落25業種で最も下げが小さい。内需・資材コストの綱引き
その他金融業 -0.63% リース・クレジット中心。銀行・保険ほどには買われず
倉庫・運輸関連 -0.73% 原油高による燃料コスト増が意識される
海運業 -0.77% ホルムズ海峡の緊迫は運賃上昇要因だが、燃料高と世界景気懸念が相殺
小売業 -1.09% 内需ディフェンシブだが、公益ほどには資金が向かわず
陸運業 -1.18% 燃料コスト高が重荷。鉄道・トラックとも軟調
輸送用機器 -1.41% 自動車。円高進行と原油高のダブルパンチ
食料品 -2.03% 味の素など。原材料高とディフェンシブ物色の分散で下値を試す
化学 -2.19% ナフサ価格の上昇がコスト増要因として意識される
不動産業 -2.66% ケイアイ不動産など。国内長期金利の3%乗せが最も効くセクター
鉱業 -2.93% 金曜の業種別下落トップ。金・非鉄価格の下落が直撃
繊維製品 -3.12% 内需・輸出とも冴えず、幅広く売られる
精密機器 -3.27% セイコーGなど。輸出関連として円高が逆風
電気機器 -3.27% 日本マイクロニクスなど。金曜の半導体急伸でも週間ではマイナスを埋めきれず
機械 -3.42% ディスコなど半導体製造装置。週前半の売りが深く、金曜の戻りでは足りず
ゴム製品 -3.43% タイヤ関連。原料高と輸送用機器の軟調に連動
サービス業 -4.49% リクルートなど。前週+7.01%で33業種トップだった反動が出る
非鉄金属 -5.76% 33業種で最下位。住友鉱など。金価格の急落が直撃した

※週間騰落率は東証33業種指数の2026年8月28日終値から9月4日終値までの変化率(株探の業種別指数日足より筆者が算出)。値上がりした8業種すべてと、値下がり幅の小さい業種・大きい業種を抜粋して掲載しています。自前集計の値上がり8業種・値下がり25業種という内訳と上位4業種の順位・数値は、株探「週間ランキング【業種別騰落率】」(9月4日)の記載と一致することを確認しました。代表銘柄は同ランキングおよび「早わかり株式市況」の記載に基づきます。

② 米国市場の動向(9/4)

同じ4日(金)の米国市場は主要3指数がそろって反落しました。ダウ工業株30種平均は271.86ドル安(-0.51%)の53,414.25ドルS&P500は29.11ポイント安(-0.38%)の7,718.60ナスダック総合は77.07ポイント安(-0.29%)の26,506.99で、ダウは3日ぶりの反落です。ただしナスダック100は61.83ポイント高(+0.21%)の29,544.15SOX(フィラデルフィア半導体株)指数は383.13ポイント高(+3.37%)の11,735.26と、半導体だけは逆行高でした。この日の中身を一言でいえば「半導体は買われ、それ以外のICT関連と自動車が売られた」という構図です。

相場を動かしたのは米8月雇用統計です。非農業部門雇用者数は前月比16万2,000人増と、市場予想の5万5,000人増を大幅に上回り、3月以来の大きな伸びとなりました。7月分も-2万3,000人から+2万1,000人へ上方修正されています。失業率は4.1%(予想4.1%、7月4.1%)平均時給は前月比+0.3%・前年比+3.1%といずれも予想通りでした。労働市場の底堅さが確認されたことで9月利上げ観測が再燃し、金利上昇を警戒した売りが終日続いています。ダウは取引時間中に一時382ドル安まで下げ幅を広げる場面がありました。

個別では、マイクロン・テクノロジーがAI需要を背景に高帯域幅メモリー(HBM)の製造能力を年内に倍増すると報じられて買われ、同業のサンディスクも上昇しました。サンディスクはS&P500の上昇率トップです。電子署名のドキュサインは第2四半期決算で調整後EPSが予想を上回り上昇。一方でアドビは新CEOの発表で先行き不透明感が広がり下落テスラは完全自動運転車両の認証データを巡る当局の調査を嫌気し、招待制イベントで詳細が示されなかったことへの失望も重なって売られました。アップルは来週の新製品発表イベントを控え、折りたたみ式iPhoneの価格設定に関する報道で下落。ネットフリックスは5%安となりました。セクター別では半導体・同製造装置が上昇した一方、ソフトウエア・サービス、自動車・自動車部品が下落しています。

週間ベースでは、3指数は方向がばらけましたダウは-145.74ドル(-0.27%)と2週ぶりの反落S&P500は+6.84ポイント(+0.09%)でほぼ横ばいナスダック総合は+104.57ポイント(+0.40%)です。ナスダック100は+110.72ポイント(+0.38%)、SOX指数は+265.60ポイント(+2.32%)と、前週に唯一の週間マイナスだった半導体が、今週は逆に最も強いという反転が起きました。週の値動きも荒く、ダウは8月31日が-374.09ドル、9月1日が-419.02ドル、9月2日が+295.07ドル、9月3日が+624.16ドル、9月4日が-271.86ドル。中東情勢と原油高で前半に売られ、後半に買い戻された形です。

債券市場では米10年債利回りが4.785%(前日比+1.5bp)で引けました。週間では+7.3bpの上昇(前週末4.712%)です。取引時間中には4.8%に迫る場面もありました。恐怖指数(VIX)は14.53(+0.21)、週間では+0.10の小幅上昇にとどまっています。週半ばに1,889円安を演じた日本株の急落に対して、米国のボラティリティ指標はほとんど反応していないという点は重要です。9月1日にVIXが16.34まで上昇したのが週内のピークで、節目とされる20には一度も届いていません。市場はまだ本格的なリスクオフのモードに入っていない、というのが現時点の見立てです。

③ 時間外取引・サンデーダウ・サンデーナスダックの状況

週末の時間外(先物)市場は、米国株が現物とほぼ同水準で週を終えました。サンデーダウ(ダウ先物)は53,440ドル。金曜の現物終値53,414.25ドルに対して約+26ドル(+0.05%)と、ほぼ差のないフラットな通過です。サンデーナスダック(ナスダック100先物)は29,565.25でナスダック100比+21ポイント(+0.07%)S&P500先物(Eミニ)は7,722.00で現物比+3.4ポイント(+0.04%)3指数の先物はいずれも現物との乖離が0.1%未満で、米国株側からは強いシグナルも弱いシグナルも出ていません。月曜7日は米国がレイバーデーで休場のため、米国発の材料は火曜まで持ち越しとなります。

対照的に、日経先物はまったく別の顔をしています。大阪取引所ナイトセッションの日経225先物(9月限)は65,830円で、前日清算値比810円高。金曜の現物終値65,020円94銭と比べると809円06銭高(+1.24%)という大幅な上方乖離です。出来高は8,247枚。日経225miniは65,820円(+805円)、TOPIX先物は4,124.5ポイント(+25.5ポイント)で、TOPIX現物終値比では21.27ポイント高でした。JPX日経400先物は36,980(+205)、グロース指数先物は793(-5)です。シカゴ日経平均先物は円建て65,830円(大取終値比810円高)、ドル建て65,820円(同800円高)と、大取ナイトと同じ水準で引けています。

ナイトセッションの推移を追うと、5日0時に600円高の65,620円、2時に790円高の65,810円、6時の引けが810円高の65,830円ダウ平均が300ドル前後の下げを続けるなかで、日経先物だけが一貫して水準を切り上げたのが特徴です。理由は明快で、SOX指数が3.37%高と急伸したこと、そしてマイクロンのHBM増産報道が国内の半導体関連にとって直接の追い風になると受け止められたためです。

ここが今週の起点を考えるうえで最も重要な点です。前週は大取ナイトが現物比575円56銭安のギャップダウン発進でしたが、今週は逆に現物比809円06銭高のギャップアップ発進。つまり月曜の寄り付きは、金曜終値65,021円ではなく65,800円前後から始まるというのが現時点の市場の見立てです。本稿の想定レンジも、金曜終値ではなくこの65,800円前後を中心に組み立てています。金曜終値比のパーセンテージだけを見ると上方向に偏って見えますが、ナイトセッションを起点に読み替えれば上下ほぼ対称のレンジになります。

為替は円高が進みました。ドル円は4日のNY市場で156円75銭まで上昇したあと155円34銭まで下落し、156円台前半で引けています。週末時点の水準は156円22銭で、前週末の160円04銭からは週間3円82銭の円高です。週半ばには155円台前半と約1カ月ぶりのドル安・円高水準を付けました。背景には日銀の早期追加利上げ・引き締めペース加速の観測があります。ユーロ円も185円36銭から181円46銭へ3円90銭の円高。下表・下図では、まず金曜終値の通常指標(ダウ・S&P500・ナスダック)を示し、その後に時間外のサンデーダウ・サンデーナスダック等の先物、続いてVIX・為替・商品などの指標を並べています。

指標 水準 変化 コメント
ダウ平均(金終値) 53,414.25ドル -0.51% -271.86ドル。週間は-145.74(-0.27%)で2週ぶり反落
S&P500(金終値) 7,718.60 -0.38% -29.11。週間は+6.84(+0.09%)とほぼ横ばい
ナスダック総合(金終値) 26,506.99 -0.29% -77.07。週間は+104.57(+0.40%)
ナスダック100(金終値) 29,544.15 +0.21% 週間+0.38%。総合指数より底堅い
SOX指数(金終値) 11,735.26 +3.37% 週間+2.32%。主要指数で最も強い1週間
サンデーダウ(ダウ先物) 53,440ドル ダウ比 +0.05% 現物を約26ドル上回るだけ。ほぼフラット通過
サンデーナスダック(NQ) 29,565.25 NQ100比 +0.07% 現物を約21pt上回る中立的な水準
S&P500先物(Eミニ) 7,722.00 指数比 +0.04% 現物を3.4pt上回るだけ。方向感は乏しい
日経225先物(大取ナイト) 65,830円 現物比 +1.24% 前日清算値比+810円。現物比+809.06円の急伸
CME日経先物(円建て) 65,830円 大取終値比 +810円 ドル建ては65,820円(同+800円)
VIX(恐怖指数) 14.53 週間 +0.10 週間+0.7%。節目20には遠く警戒感は限定的
ドル円 156.22円 週間 -3.82円 一時155円34銭。約1カ月ぶりの円高水準
WTI原油(NY終値) 91.48ドル 週間 +9.69% 中東緊迫で急騰。9/1は1日で+5.59%
金(NY終値) 4,476.6ドル 週間 -1.18% 利上げ観測で反落。COMEX12月限は4,477.54ドル
米10年債利回り 4.785% 週間 +7.3bp 金曜は+1.5bp。国内10年債は9/2に一時3.015%
BTC/USD 79,723ドル 週間 +3.00% 9/3に81,272ドルまで戻す場面
日経225(金終値) 65,020.94円 +1.26% 5日ぶり反発。週間は-1,384.62円(-2.09%)

※「サンデーダウ」は金曜の時間外取引終了時点(米東部時間17時)のダウ先物清算値と現物終値の乖離を指しています。CME先物は金曜16時ET〜日曜18時ETが閉場のため、日曜午前の日本時間にリアルタイム値は存在しません。週明けの実際の寄り値とは異なる点にご注意ください。ドル円・金・BTCは金曜20時UTC時点の値を採用しています(株探「NY金」と同一系列)。米10年債利回りとWTI・金・VIXの終値は株探「米国市場データ」(9月4日)、日経先物・TOPIX先物は株探「日経225先物:5日夜間取引終値」の記載に基づきます。

主要マーケット指標サマリー 2026-09-06

④ 週末の国際情勢ハイライト

項目 リスクレベル 状況・影響
中東(米・イラン) 米軍がIRGC施設を攻撃、イランが報復。ホルムズ海峡でタンカー2隻が被弾
原油高とインフレ WTIは週間+9.69%の91.48ドル。世界的な金利上昇に直結する
米CPI(9/11) FOMC直前の最重要指標。コア前年比の市場予想は2.4%
米Fedの9月利上げ 8月雇用統計の上振れで観測が再燃。9/15-16にFOMC
日銀の追加利上げ 中〜高 引き締めペース加速観測で円高。9/17-18に決定会合
国内長期金利3% 中〜高 9/2に一時3.015%。不動産・グロースへの逆風が続く
ドル円155円と介入 4月と7月の介入で下げ止まった水準。今回は円高方向の攻防
カナダの対米報復関税 9/8に最大50%の報復関税を発動予定

■ 中東 — 軍事衝突が現実化し、原油は週間+9.69%

先週の相場を規定した最大の材料は中東です。日本時間9月2日未明、米軍がイラン国内のイスラム革命防衛隊(IRGC)関連施設への攻撃を開始したと発表しました。イラン南部の広い範囲で爆発音が伝えられ、イラン軍は米軍の攻撃への報復として「断固たる作戦」を開始したと表明しています。さらにホルムズ海峡を航行中の大型原油タンカー2隻が相次いで飛来体による攻撃を受けたと伝わり、供給懸念が一気に高まりました。

原油価格の反応は劇的でした。WTI先物10月限は9月1日に前営業日比4.79ドル高(+5.59%)の90.55ドルへ急伸。時間外を含めた取引レンジは86.24〜90.64ドルでした。翌2日も0.88%高の90.74ドルと続伸し、週末4日の株探「NY(WTI)原油」終値は91.48ドル前週末の83.40ドルから週間8.08ドル(+9.69%)の急騰です。NYMEX10月限の通常取引終値は91.29ドル(-0.01ドル)で、ホルムズ海峡を巡る供給リスクへの警戒が下支えとなる一方、米雇用統計の上振れによる利上げ観測とドル高が上値を抑えた格好でした。

政治面では、トランプ大統領が「米国はいつでもイランを再攻撃する用意が整っている」と述べる一方で、「戦闘がそれほど長く続くとは見ていない」「新たな軍事作戦は長引かず、原油価格も下落する」との認識も示しました。市場にとってはエスカレーションと早期収束のどちらに賭けるかが読みにくい状態が続いています。原油が91ドル台に定着するかどうかは、今週のインフレ指標(米PPI・米CPI)の受け止め方にも直結します。

■ 米Fed — 雇用統計の上振れで9月利上げ観測が再燃

米国の金融政策は、この2週間で観測が二転三転しました。8月28日のジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長がタカ派的な講演を行い、9月利上げ観測が急浮上。その後ウォラーFRB理事の発言を受けて利上げ確率は五分五分まで戻りましたが、9月4日の8月雇用統計で非農業部門雇用者数が16.2万人増と予想の3倍近い伸びを示し、観測が再度強まる展開です。過去2カ月分も上方修正されました。

FOMCは9月15-16日に開かれます。したがって今週発表される8月PPI(10日)と8月CPI(11日)が、利上げの有無を左右する最後の材料になります。市場が注目するのはCPIで、コア前年比の市場予想は2.4%とされています。ここを下回れば利上げ回避の可能性が高まり、上回れば9月利上げがほぼ確定的になる、という分岐です。なおトランプ大統領は「我々は世界で最も低い金利を享受すべき」と主張し、FRBに利下げを要求していると伝わっています。仮に利上げが見送られた場合、FRBの独立性に対する懸念が別のリスクとして意識される余地もあります。

■ 為替と国内金利 — 155円台の円高と10年債3%

為替は先週と真逆の動きになりました。前週末の160円04銭から週半ばには155円台前半まで、約1カ月ぶりの円高・ドル安水準へ振れています。牽引したのは日本銀行の早期追加利上げ、および引き締めペース加速の観測です。日銀審議委員のタカ派的な見解が伝わったことをきっかけに、今後の引き締めはピッチが速いとの見方が浮上しました。週末は米雇用統計の上振れでいったんドルが買い戻され、156円22銭で週を終えています

介入警戒も両方向で意識されています。片山財務相は「ベッセント米財務長官から日本の経済政策について要求はなかった」「他国の財務相が中央銀行に要求することはない」と発言し、この発言を受けてNY市場では円買いがいったん一服しました。市場では今年4月と7月の為替介入で下げ止まった155円台がメドとして意識されており、同水準を下回ればドルの買い戻しが出やすいという見方があります。

国内金利の上昇も無視できません。9月1日に10年債利回りが3%の大台に乗せ、2日には一時3.015%まで上昇しました。週末4日の引け値は10年債2.890%、2年債1.816%、5年債2.219%、20年債3.702%です。前週末(8月28日)は10年債2.916%、2年債1.691%でしたから、10年債は週間で2.6bp低下した一方、2年債は12.5bpも上昇しています。短期ゾーンだけが跳ね上がるカーブのフラット化は、市場が日銀の利上げを織り込みにいったことを意味します日銀金融政策決定会合は9月17-18日で、今週10日には増日銀審議委員が福井県金融経済懇談会に出席し記者会見を行います。

※ウクライナ情勢および米中通商協議については、当週(8月31日〜9月4日)の一次ソースに株価材料となる新規の動きが確認できなかったため、本稿では扱っていません。なお通商面では、9月8日にカナダが最大50%の対米報復関税を発動する予定です。また同日には第81回国連総会が開幕します(一般討論演説は22日から)。

⑤ 今週(9/7〜9/11)の日本市場の見通し

以上を踏まえた今週の東京市場の見通しです。まず前提として、今週は日本の祝日がなく、9月7日(月)から9月11日(金)までの5営業日がフルにあります。ただし月曜7日は米国・カナダ・ブラジルがレイバーデーで休場となるため、月曜の東京市場は海外勢の参加が薄く、売買代金が細りやすい点に注意が必要です。そして週末11日は米8月CPIの発表日であると同時に、9月限のメジャーSQ算出日にあたります。週の頭は薄商い、週末はダブルイベント——このいびつな形が今週の特徴です。

今週の値動きを決めるのは、突き詰めれば「金曜のギャップアップをどこまで維持できるか」という一点です。大取ナイトは現物比809円06銭高の65,830円で終わっており、月曜は6万5,800円前後からのスタートが想定されます。ただしその上昇はソフトバンクグループとアドバンテストという2銘柄への集中に支えられたもので、金曜の東証プライムは値上がり785に対し値下がり708とほぼ拮抗していました。指数だけが持ち上がり、中身が伴っていない反発である以上、寄り付き直後に利益確定売りが出れば窓を埋めにいく展開も十分ありえます。

テクニカル面を確認します。金曜終値65,020円94銭は、5日移動平均65,217円67銭・25日移動平均66,067円79銭・75日移動平均66,735円27銭のすべてを下回る位置にあります。200日移動平均は58,981円07銭ですから、中期のトレンドは上向きのまま、短中期だけが崩れている状態です。ボリンジャーバンド(25日)の標準偏差は1,395円37銭で、+1σが67,463円15銭、-1σが64,672円42銭、-2σが63,277円05銭。先週のザラ場安値63,772円80銭は-2σと-1σの間にあたり、統計的には行き過ぎの領域まで一度下げたことになります。金曜の反発はその反動という側面もあります。

■ 一目均衡表の「雲」で今週の位置を確認する

本稿では以降「雲」という言葉を使うので、先に何を指すのかを整理しておきます。一目均衡表は、過去の高値と安値の平均から「買い方と売り方の力が釣り合う価格」を割り出すテクニカル指標です。中心となるのが次の2本で、これらを26営業日先に前倒しして描くのが最大の特徴です。

  • 先行スパン1 = (転換線+基準線)÷2 / 転換線は過去9営業日、基準線は過去26営業日の高値と安値の平均
  • 先行スパン2 = 過去52営業日の高値と安値の平均

この2本に挟まれた帯が「雲」です。読み方はシンプルで、株価が雲より上にあれば上昇基調で雲の上限が下値の支えになり、雲より下にあれば下降基調で雲の下限が上値の抵抗になると考えます。雲が厚いほどその壁は破られにくくなります。26営業日先まで先に描かれているので、「今週どこに壁があるか」を先に地図として持てるのが実務上の利点です。

日経平均と一目均衡表の雲 2026-09-04時点

現在地を確認します。9月7日(月)時点の雲は65,271円06銭〜66,061円99銭。金曜終値65,020円94銭はこの雲の下限をさらに250円12銭下回っており、現物ベースでは「雲の下」にあります。一方で大取ナイトの65,830円は雲の中(下限+558円94銭、上限-231円99銭)。つまり月曜のギャップアップは、株価が雲の下から雲の中へ戻る動きとして始まることになります。雲の中は方向感が定まりにくい「もみ合いゾーン」とされ、これが本稿で基本シナリオを65,800円前後に置く根拠のひとつです。

今週は雲の形も動きます。雲の上限は9月7日・8日が66,061円99銭、9日に66,557円04銭、10日以降は66,640円32銭へ切り上がります。一方雲の下限は7日・8日の65,271円06銭から、9日65,113円08銭、10日64,970円63銭、11日64,790円67銭へ切り下がるという動きです。週の後半に向けて雲は上下に広がり、厚みは791円から1,850円へ倍以上に膨らみます先行き26営業日の雲はすべて陰の雲で、期間内に「ねじれ」(先行スパン1と2の交差)は発生しません。厚い陰の雲は上値の抵抗として効きやすく、週後半ほど上方向は重く、下方向は逆に余地が生まれるという非対称な地形になります。

もうひとつ押さえておきたいのが「半値押し」です。7月29日安値60,448円90銭から8月14日高値69,608円24銭までの上昇に対する半値押しは65,028円57銭金曜終値65,020円94銭は、この半値押し水準のわずか7円63銭下という位置で引けました。さらに一目均衡表の基準線65,328円97銭・転換線65,363円75銭も、この6万5,000円台前半に集まっています6万5,000円は、複数の計算方法が同じ答えを出す「今週の防衛ライン」と位置づけられます。

※本稿の一目均衡表・移動平均・ボリンジャーバンドの数値は、株探の日経平均(現物)確定日足から筆者が算出したものです。株探が公表している日経225先物ベースのテクニカルポイント(5日夜間取引終了時点)は、雲上限66,550円・雲下限65,357円50銭・転換線65,445円・基準線65,570円・5日線65,116円・25日線66,169円20銭・75日線66,877円87銭・200日線59,103円50銭です。先物ベースでも夜間終値65,830円は雲の中にあり、現物ベースの判定と整合的でした。本文と図表は現物ベースで統一しています。

以上から、上値想定66,600円/基本シナリオ65,800円/下値想定64,300円を今週の想定レンジとします。金曜終値65,020円94銭からは+2.43%/+1.20%/-1.11%ですが、実際の起点となる大取ナイト65,830円からは+770円/-30円/-1,530円で、上下ほぼ対称です。金曜終値比の数字だけを見て「強気に偏ったレンジ」と誤読しないようご注意ください。

日経平均 今週の想定レンジ 2026-09-07〜09-11

■ 上値想定 66,600円:雲を突き抜けて週高値を奪回するシナリオ

上値のメドを66,600円に置く根拠は、この価格帯に節目が密集していることです。9月9日以降の雲の上限66,557円04銭9月1日に付けた週高値66,525円70銭、そして7月29日安値から8月14日高値までの上昇に対する3分の1押し66,555円13銭——この3つがわずか32円の幅に重なっています。ここを終値で上抜けられれば、次は8月28日終値の66,405円56銭を超えて7月以来のレンジ上限を試す展開になりますが、今週中にそこまで届く確度は高くないとみて上限を66,600円で止めました。

このシナリオを支える材料を整理します。第一に半導体の勢いが続くこと。SOX指数は金曜3.37%高、週間でも+2.32%と主要指数で最も強く、マイクロンのHBM増産報道はアドバンテスト・東京エレクトロン・ディスコといった国内の製造装置株にも波及しやすい材料です。第二に原油が91ドル台から反落すること。トランプ大統領自身が「作戦は長引かず原油価格も下落する」と述べており、中東の緊張が緩めば先週の下げの主因が消えます。第三に米CPIが市場予想を下回り、9月利上げが回避される可能性が高まること。この場合、日米の金利差縮小観測から円高が進みやすい点は逆風になりますが、それでも金利低下は株式のバリュエーションにはプラスに働きます。

ただし週の後半ほど雲が厚くなるという地形は上値の重さを示唆します。9月10日以降の雲の厚みは1,670円〜1,850円で、9月7日の791円の2倍以上。週前半のうちに66,062円(7日・8日の雲上限)を抜けておかないと、週後半は66,640円という一段高い壁に阻まれるという時間的な制約があります。

■ 下値想定 64,300円:ギャップを埋めて金曜安値を試すシナリオ

下値のメドは64,300円に置きます。ここは9月4日(金)のザラ場安値64,228円47銭のすぐ上であり、同時に節目の6万4,500円、ボリンジャーバンド-1σの64,672円42銭、9月11日時点の雲の下限64,790円67銭をいずれも下回った水準です。月曜の窓(65,021円→65,800円)を埋めたうえで、さらに金曜の安値まで押し戻されるという想定になります。

ここに至る道筋には複数の関門があります。まず6万5,000円。半値押し65,028円57銭・一目の基準線65,328円97銭・転換線65,363円75銭・5日移動平均65,217円67銭が集まる帯で、先週も金曜にここを回復して引けたという直近の実績があります。次に64,790円(11日の雲下限)と64,672円(-1σ)。この2本を割り込むと、先週の安値63,772円80銭までの間に目立った支持がなくなります

警戒すべきシナリオは主に三つです。第一に米8月CPIが上振れし、9月利上げがほぼ確定的になること。原油が週間9.69%も上昇したあとだけに、エネルギー価格経由でヘッドラインCPIが押し上げられるリスクは現実的です。第二に中東情勢の再エスカレーション。ホルムズ海峡でのタンカー攻撃がもう一度起きれば、原油は100ドルを視野に入れ、先週水曜の再現になりかねません。第三に国内長期金利の再上昇です。10年債利回りは9月2日に3.015%を付けたあと2.890%まで戻していますが、2年債は週間で12.5bpも上昇しており、日銀の利上げ観測は後退していません。3%台が定着すれば、不動産・グロース株を中心に評価の切り下げが進みます。

■ 基本シナリオ 65,800円:雲の中でのもみ合い

最も可能性が高いとみるのが、65,800円前後を中心としたもみ合いです。大取ナイトセッション65,830円とシカゴ日経先物(円建て)65,830円という二つの水準が完全に一致しており、ここが月曜の寄り付き水準として最も素直な想定になります。しかもこの価格は9月7日・8日の雲(65,271円06銭〜66,061円99銭)のほぼ中央。上に雲の上限と25日移動平均66,067円79銭、下に雲の下限と6万5,000円台前半の節目群という、上下を挟まれた形です。

週の流れのイメージは次のとおりです。月曜7日は米国休場で薄商い。国内は14時に7月景気動向指数が出ますが、方向を決める材料にはなりにくく、寄り付きのギャップアップをどこまで維持できるかが焦点になります。火曜8日は朝8時50分に4-6月期GDP改定値と7月国際収支、日中に中国8月貿易収支。水曜9日は中国8月CPI・PPI(10時30分)と、日本時間10日未明のアップル製品発表イベント。木曜10日は増日銀審議委員の講演・会見、ECB政策金利発表、米8月PPIと材料が集中します。そして金曜11日がメジャーSQと米8月CPIのダブルイベントSQに向けたロールオーバー中心の需給主導の値動きになりやすく、方向感は出にくいとみます。

物色面では、先週の「エネルギー・金融が買われ、輸出とグロースが売られる」構図が続くかが焦点です。電気・ガス(+5.01%)、石油・石炭製品(+2.78%)、銀行業(+2.44%)、保険業(+2.31%)という上位4業種は、いずれも原油高と金利上昇という「今起きていること」に直接反応するセクターでした。逆に非鉄金属(-5.76%)、サービス業(-4.49%)、機械(-3.42%)、電気機器(-3.27%)は売られています。ここに金曜の半導体反発がどこまで持続的な資金流入をもたらすかが、今週の分岐点です。またドル円が155円台へ入る局面では、円高メリット株(小売・食品・電力・空運)への物色が強まりやすい点も押さえておきたいところです。

■ 今週の注目イベント

  • 9/7(月):7月景気動向指数(14:00)、消費活動指数(14:00)、独7月鉱工業生産(15:00)、ユーロ圏4-6月期GDP[確報値](18:00)、国際原子力機関(IAEA)定例理事会(〜11日)。米国・カナダ・ブラジル市場はレイバーデーで休場のため、東京市場は海外勢の参加が薄くなります。
  • 9/8(火):4-6月期GDP[改定値](8:50)、7月毎月勤労統計(8:30)、7月国際収支(8:50)、8月景気ウォッチャー調査(14:00)、5年国債入札、中国8月貿易収支、米7月消費者信用残高(9日4:00)、米3年国債入札、カナダが最大50%の対米報復関税を発動、第81回国連総会が開幕。
  • 9/9(水):8月マネーストックM2(8:50)、8月工作機械受注(15:00)、中国8月消費者物価指数・生産者物価指数(10:30)、米MBA住宅ローン申請指数(20:00)、米10年国債入札、米共和党大会(テキサス州ダラス、〜10日)、米アップルが製品発表イベントを開催(10日2:00)
  • 9/10(木):増日銀審議委員が福井県金融経済懇談会に出席、同記者会見、週間対外及び対内証券売買契約等の状況(8:50)、8月都心オフィス空室率(13:00)、ECBが政策金利を発表(21:15)・ラガルド総裁会見(21:45)米8月生産者物価指数(21:30)、米新規失業保険申請件数(21:30)、米8月中古住宅販売件数(23:00)、米30年国債入札、トルコ中銀が政策金利発表。海外決算はオラクル・アドビ
  • 9/11(金):メジャーSQ算出日7-9月期法人企業景気予測調査(8:50)、8月国内企業物価(8:50)、8月投信概況(15:00)、英7月GDP(15:00)、米8月消費者物価指数(21:30)、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数(23:00)、米8月月次財政収支(12日3:00)、ロシア中銀が政策金利発表。海外決算はクローガー。KOMPEITOが東証グロースに新規上場。
  • 翌週以降:9月15-16日に米FOMC、9月17-18日に日銀金融政策決定会合と、日米の中央銀行イベントが連続します。今週はその手前の週にあたり、大型イベントを前に様子見ムードが強まりやすい点も意識しておきたいところです。
  • 今週の国内決算:4-6月期決算は8月14日で一巡済みです。国内は引き続き材料難で、海外指標と為替・原油が主役の週になります。

■ 戦略・スタンス

今週は「月曜のギャップアップに飛び乗らない。週末のCPIとメジャーSQを跨ぐ持ち高は軽くする」を基本スタンスとします。先物が現物比809円06銭高で週末を通過している以上、月曜は6万5,800円前後からのスタートが濃厚ですが、その上昇の中身はソフトバンクグループとアドバンテストの2銘柄です。値上がり785対値下がり708という金曜のプライム市場の内訳を見れば、指数の見た目ほど買いが広がっていないことは明らかで、寄り付き直後の高値づかみは避けたいところです。

具体的な組み立ては次の4点です。①AI・半導体関連は、金曜からの連続性を確認してから。SOXの+3.37%とマイクロンの増産報道は本物の材料ですが、日本株ではすでに金曜と夜間で二段階織り込んでいます。②エネルギー・資源関連は原油の動向次第。石油・石炭製品は週間+2.78%と買われましたが、WTIが91ドル台から反落すればこの上げは剥落します。中東の緊張が「長引かない」という前提が崩れるかどうかを毎日確認する必要があります。③銀行・保険は日銀の利上げ観測が支え。2年債利回りが週間12.5bp上昇するなかでも、9月17-18日の会合を通過するまでは押し目買いが入りやすい地合いです。④円高メリット株を組み入れてバランスを取る。ドル円が155円台へ入る局面では、輸出株の下げを内需・円高メリット株で相殺する構成が機能します。

リスク管理では二点。第一にVIXが14.53という水準は「まだかなり低い」ということです。日経平均が1日で1,889円下げた週ですら、VIXの週内ピークは9月1日の16.34にとどまり、節目の20には一度も届いていません。米国側にはまだ本格的な警戒感が出ていないということであり、逆にいえば悪材料が出たときの伸びしろが残っているということでもあります。第二にメジャーSQ週特有の需給です。9月限のSQに向けたロールオーバーやポジション調整が値動きを歪めやすく、とくに木曜から金曜前場にかけては、材料と関係のない上下動が起きやすい点を織り込んでおきたいところです。

最後に中期の視点を添えます。今週の防衛ラインは前週に引き続き「6万5,000円」です。7月29日安値60,448円90銭から8月14日高値69,608円24銭までの上昇に対する半値押し65,028円57銭と、一目均衡表の基準線65,328円97銭・転換線65,363円75銭がこの帯に集まっています。金曜終値65,020円94銭は、その半値押しの7円63銭下でぴたりと止まりましたここを終値ベースで維持できているうちは調整の範囲内、割り込んで戻せなくなれば下値目標は先週安値63,772円80銭、その先は2分の3押しにあたる63,502円01銭という見方をしています。200日移動平均が58,981円07銭にあることを踏まえれば、中期の上昇トレンド自体はまだ崩れていません

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免責事項:本記事は情報提供のみを目的としたものであり、特定の銘柄や取引手法を推奨するものではありません。記載した数値は執筆時点で確認できた公開情報に基づいていますが、正確性・完全性を保証するものではありません。想定レンジやシナリオは筆者の分析であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任と判断で行ってください。

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