【9月15日】日経平均8円安の6万3484円、一時608円高も長期金利3.03%で後場失速

2026年9月15日(火) 東京市場クローズ
日経平均 63,484.10円 -8.89円 (-0.01%)

終値だけ見れば「ほぼ横ばい」、しかし中身は上下に600円ずつ振れた一日でした日経平均は8円89銭安の6万3,484円10銭と3日続落朝方に425円81銭安まで売られた後、11時26分には608円01銭高の6万4,101円まで切り返しましたところが後場に入ると失速し、高値から616円90銭押し戻されてマイナス圏で引けています後場の重しになったのは国内の長期金利です——新発10年国債利回りが一時3.030%と、1996年以来約30年ぶりの高さまで上昇しました。そして本日の数字の偏りは、前日の裏返しです——前日に10.72%安だったソフトバンクグループが7.54%高と急反発し、1銘柄で日経平均を353円99銭押し上げ一方、前夜に米SOX指数が5.86%急落した流れでアドバンテストが2.96%安、1銘柄で222円05銭押し下げました。ソフトバンクG以外の224銘柄は差し引きで約363円のマイナスTOPIXは21.05ポイント(0.52%)安の4,037.16、33業種中25業種が下落——前日の「指数は安い、市場全体は高い」が、本日は「指数は横ばい、市場全体は軟調」に入れ替わりました

まず本日の値動きを時系列で追います前夜14日の米国市場は、SOX指数が692.72ポイント(5.86%)安の11,131.28と急落し、ナスダック総合も0.56%安でした。株探によれば、AI関連のインフラ構築で潤う半導体株に利益確定の動きが目立った一方、セールスフォースやパランティア、サービスナウなどソフトウェア関連株への買いが相場を支えたとされます。その流れを受けて東京市場は前日終値6万3,492円99銭より302円62銭(0.48%)低い6万3,190円37銭で寄り付き、9時05分には6万3,067円18銭まで下げましたただ安値は前日の安値6万2,726円18銭より341円高く、そこから押し目買いが入ります株探の大引け記事によれば、前引け時点では日経平均は590円近い上昇で、高値は11時26分の6万4,101円00銭——前日終値比608円01銭(0.96%)高と、9月11日以来3営業日ぶりに6万4,000円台を回復する場面がありました。しかし後場に入ると上値の重さが顕在化し、長期金利の上昇を嫌気する形で買いが手控えられて、大引けはわずかにマイナスです。ローソク足は実体293円73銭の陽線ながら、上ヒゲ616円90銭・下ヒゲ123円19銭——上ヒゲが実体の2.1倍という「上で売られた」形で、前日の「下ヒゲが実体の4.6倍」とはちょうど逆向きになりました。TOPIXは始値4,055.11が高値4,059.68とほぼ同水準で、そこから下げて4,037.16で引けた陰線です。

主要マーケット指標

指標 数値 前日比
日経平均株価 63,484.10円 -8.89円 (-0.01%) 3日続落
日経平均 高値 / 安値 64,101.00 (11:26) / 63,067.18 (9:05) 始値 63,190.37円。安値は前日安値62,726.18円を341.00円上回った
寄り付きのギャップ -302.62円 (-0.48%) 前日終値63,492.99円から下放れて始まった
高値時点の上げ幅 +608.01円 (+0.96%) 前引け時点は590円近い上昇(株探)。3営業日ぶりの6万4,000円台
高値から終値までの押し戻し -616.90円 (-0.96%) 後場に長期金利の上昇を嫌気して失速
ローソク足の形 実体293.73円の陽線 上ヒゲ616.90円 / 下ヒゲ123.19円。上ヒゲが実体の2.1倍
日中値幅 1,033.82円 前日の965.35円から7.1%拡大。2営業日ぶりに1,000円を上回った
終値の水準 7月30日以来の安値 前日に続き、7月30日終値61,867.43円以来の低い終値を更新
TOPIX 4,037.16 -21.05 (-0.52%) 反落
TOPIX 高値 / 安値 4,059.68 / 4,023.64 始値 4,055.11。実体17.95の陰線
TOPIXと日経平均の騰落率差 0.51ポイント 日経平均-0.01%に対しTOPIX-0.52%。前日とは逆にTOPIXが劣後
NT倍率 15.725倍 前日15.646倍から0.079上昇。3営業日ぶりの上昇
東証プライム 売買代金 約7兆4,384億円 前日の約7兆2,866億円から2.1%増
東証プライム 売買高 約18億8,588万株 前日の約19億7,480万株から4.5%減
1株あたり平均約定単価 約3,944円 前日の約3,690円から6.9%上昇。値がさ株に売買が集まった
東証プライム 値上がり/値下がり 800銘柄 / 685銘柄 変わらず68銘柄。値上がりが全体の約52%で、前日の79%から大きく低下
日経平均225銘柄 値上がり/値下がり 67銘柄 / 157銘柄 変わらず1銘柄。前日の158/66からほぼ裏返し
東証33業種 上昇/下落 8業種 / 25業種 前日の27/6から一転、下落業種が19増えた
上昇した8業種 情報・通信業 +2.07% 以下 医薬品+1.12%、サービス業+0.74%、ガラス・土石製品+0.50%、パルプ・紙+0.35%、空運業+0.31%、金属製品+0.24%、ゴム製品+0.03%
業種別 下落率1〜7位 石油・石炭製品 -2.24% 以下 (2)銀行業-1.85%、(3)証券・商品先物-1.60%、(4)保険業-1.48%、(5)卸売業-1.44%、(6)不動産業-1.42%、(7)海運業-1.24%
前日との入れ替わり 情報・通信業 -1.87% → +2.07% 逆に保険業は+2.45%→-1.48%、銀行業は+1.52%→-1.85%
最大のプラス寄与 ソフトバンクG +353円99銭 440円(7.54%)高の6,279円。前日の下げ701円の約63%を取り戻した
プラス寄与 2〜5位 リクルートHD +36円20銭 以下 キオクシアHD+27円22銭、村田製作所+18円67銭、太陽誘電+16円19銭
プラス寄与 上位5銘柄合計 +452円27銭 うちソフトバンクG1銘柄で78%
最大のマイナス寄与 アドバンテスト -222円05銭 920円(2.96%)安の3万160円。2日間で1,560円(4.92%)下落
マイナス寄与 2〜5位 東京エレクトロン -28円16銭 以下 フジクラ-18円10銭、豊田通商-17円90銭、ファーストリテイリング-11円26銭
マイナス寄与 上位5銘柄合計 -297円47銭 うちアドバンテスト1銘柄で75%
ソフトバンクGを除いた影響 約-362円88銭 下げ幅8.89円からソフトバンクGの寄与+353.99円を差し引いた計算値
その他の主なマイナス寄与 ソニーグループ -10円56銭 以下 KDDI-10円46銭、ファナック-10円06銭、信越化学-9円55銭、ダイキン-9円22銭、コナミG-9円22銭
電子部品・半導体の主な上昇 太陽誘電 +5.54% 以下 村田製作所+3.24%、レーザーテック+3.22%、キオクシアHD+2.29%、トレンドマイクロ+4.33%
ストップ高 / ストップ安 8銘柄 / 3銘柄 全市場・引け時点(一時・気配含む、株探)。レオパレス21はTOBでストップ高配分
新発10年国債利回り(長期金利) 一時3.030% 1996年以来約30年ぶりの高水準。前日は2.995%(報道値)
米ドル/円 154円92銭 16時21分時点の株探表示値。前日比+58銭の円安・ドル高
上海総合指数 3,885.33 -2.77 (-0.07%) 3日続落 (株探の表示値)
NYダウ (9/14終値) 52,421.20 -152.09 (-0.29%) 反落
S&P 500 (9/14終値) 7,619.98 -37.00 (-0.48%) 反落
ナスダック総合 (9/14終値) 26,186.41 -146.62 (-0.56%) 反落
SOX指数 (9/14終値) 11,131.28 -692.72 (-5.86%) 急落。株探の時系列で確認できる7月31日以降で最大の下落率・最も低い終値
日経平均VI 30.68 -0.38 (-1.22%)。高値31.17、安値29.84
日経225先物 (9月限・日中清算値) 63,320円 -30円 (株探)
日経平均 5日線からの乖離 -1.24% 5日線 64,280.43。796円33銭下。前日の-1.77%から縮小
日経平均 25日線からの乖離 -3.70% 25日線 65,925.24。2,441円14銭下。前日の-3.89%から縮小
日経平均 75日線との差 -3,276.13円 (-4.91%) 75日線 66,760.23。下回るのは8月21日から18営業日連続
日経平均 200日線からの乖離 +6.71% 200日線 59,490.78。3,993円32銭上。前日の+6.86%から縮小
日経平均 一目均衡表の雲 64,572.31 〜 66,640.32 終値は雲の下端を1,088円21銭下回り、3営業日連続で雲の下。高値も下端に471円31銭届かず
日経平均 転換線 / 基準線 64,759.01 / 66,167.21 終値は転換線を1,274円91銭、基準線を2,683円11銭下回った
日経平均 ボリンジャーバンド -1σ 64,455.55 / -2σ 62,985.86 終値は-2σの498円24銭上。安値も-2σを81円32銭上回り、3日ぶりに日中の-2σ割れなし
日経平均 RSI (14日) 39.4 前日の39.4からほぼ横ばい(-0.04)
日経平均 MACD / シグナル -583.5 / -353.6 ヒストグラムは-229.9。前日の-201.9からマイナス幅がさらに拡大
日経平均 52週高値からの距離 -9,347.63円 (-12.83%) 52週高値 72,831.73 (6/22)。前日の-12.82%とほぼ同じ
7月29日安値からの戻り +3,035.20円 (+5.02%) 直近安値 60,448.90 (7/29)。前日の+5.04%から小幅縮小
TOPIX 75日線 4,032.13 終値は5.03ポイント上で2日連続の維持。ただし安値4,023.64は一時下回った
TOPIX 5日線 / 25日線 4,044.98 / 4,101.75 5日線を7.82下回り、25日線は64.59(1.57%)下回る
TOPIX 転換線 / 基準線 4,054.06 / 4,093.75 転換線を16.90、基準線を56.59下回った
TOPIX 一目均衡表の雲 3,951.81 〜 3,997.10 終値は雲の上端を40.06ポイント上回り、雲の上を維持
TOPIX RSI (14日) / MACD 45.1 / -5.8 (シグナル6.2) RSIは47.4から2.3低下。ヒストグラムは-12.0で前日の-12.1とほぼ同じ
TOPIX 52週高値からの距離 -183.15 (-4.34%) 52週高値 4,220.31 (8/14)。前日の-3.84%から拡大
注記: 日経平均・TOPIXの終値・始値・高値・安値と高値安値の時刻は株探の当日確定四本値(終値・前日比はフィスコ・日本経済新聞とも一致を確認)、売買代金・売買高・東証プライムの値上がり値下がり銘柄数は株探ニュースの大引け記事(16時25分配信)による市場集計値(概算値。15時32分配信の速報では798/684/66)、業種別騰落率と上昇下落業種数は株探の東証33業種騰落率と業種別騰落ランキング記事、寄与度と個別銘柄の株価・騰落率・225銘柄の値上がり値下がり数は株探の日経平均寄与度ランキング(16時00分現在)、ストップ高・ストップ安の銘柄数は株探ニュース、日経平均VIはフィスコの配信記事、長期金利は時事通信・共同通信・日本経済新聞の報道、日経225先物の清算値は株探、ドル円と上海総合は株探の16時21分時点の表示値、米国指数とSOX指数は9月14日(現地時間)の確定終値です。NT倍率・移動平均・一目均衡表の各値・ボリンジャーバンド・RSI・MACD・乖離率・上ヒゲ下ヒゲ・値幅・寄与度の合計・ギャップ・平均約定単価は当サイトの計算値です(これらは推定であり確定値ではありません。算出方法によりチャートツールの表示値と異なる場合があります)。算出手法の妥当性は3通りの方法で検証しています。第一に、同一コードで9月14日時点の5日線6万4,637円48銭・25日線6万6,064円68銭・75日線6万6,798円17銭・200日線5万9,416円05銭・転換線6万4,759円01銭・基準線6万6,167円21銭・雲6万4,396円23銭/6万6,640円32銭・-1σ6万4,669円74銭・-2σ6万3,274円81銭・RSI39.4・MACD-498.0/シグナル-296.1、ならびにTOPIXの9月14日時点の75日線4,031.07・25日線4,104.29・雲3,951.81/3,989.05・RSI47.4・MACD-2.8/シグナル9.2を再現でき、9月14日記事の掲載値とすべて一致することを確認しました。第二に、本日の日経平均の移動平均乖離率(5日線-1.24%・25日線-3.70%・75日線-4.91%・200日線+6.71%)が、株探の日経平均ページに表示された乖離率とすべて一致することを確認しました。第三に、本日の日経平均終値6万3,484円10銭(8円89銭安)が株探・フィスコ・日本経済新聞で、TOPIX終値4,037.16(21.05ポイント安)が株探・フィスコで一致することを確認しました東証グロース市場250指数・JPXプライム150指数・騰落レシオ・米VIX指数・WTI原油先物・米10年債利回りの確定値、上海総合以外のアジア各指数については、執筆時点で確認できていないため数値は掲載していません。テーブルの色は日本式表記(上昇=赤/下落=緑)に従っています。

マクロ・地政学の視点

本日の後場の失速を説明する最大の材料は、国内の長期金利です。新発10年国債利回りは一時3.030%まで上昇し、1996年以来約30年ぶりの高水準となりました。報道によれば前日は2.995%で、9月1日に約30年ぶりに3%台に乗せて以来、再び3%台での推移です。時事通信は米金利高の波及、日本経済新聞は原油高と米金利上昇を背景に挙げています株探の大引け記事は、長期金利の上昇を嫌気する形で後場に買いが手控えられたと整理しました。

ここで注目したいのは、金利が上がったのに銀行株が売られたことです。一般に金利上昇は利ざや改善の思惑から銀行株の追い風とされますが、本日は銀行業が-1.85%で33業種中下落率2位、証券・商品先物-1.60%、保険業-1.48%と金融株がそろって下げました株探も三菱UFJ FGなどメガバンクが売りに押されたと伝えています前日に保険業+2.45%・銀行業+1.52%と大きく買われた反動も重なったと見られ、金利水準そのものより、前日の資金の動きが巻き戻された面が大きいと言えそうです。不動産業も-1.42%と、金利上昇に弱い業種らしい下げになりました。

米国では14日、AI関連株への見方が割れましたSOX指数は5.86%安の11,131.28と急落し、前週末11日の上昇分(+1.81%)を大きく上回って下げています株探の時系列で確認できる7月31日以降では、最大の下落率で最も低い終値です。一方でNYダウは0.29%安、S&P500は0.48%安と主要指数の下げは限定的で、株探によればソフトウェア関連株への買いが相場を支えました前日の記事で「今晩の米国市場で半導体株が週末のAI関連ニュースにどう反応するかが答え合わせ」と書きましたが、その答えは「米国でも半導体は売られ、ソフトウェアは買われた」というものでした。米長期金利については、10年債利回りが一時5%台に乗せたと報じられていますが、確定値は確認できていないため数値は掲載していません

為替は円安方向が続きましたドル円は16時21分時点で154円92銭と、前日比58銭の円安・ドル高(株探の表示値)ただし輸送用機器は-0.17%と、本日も円安は輸出株の押し上げ材料になっていませんフィスコは日経VIの記事で、AI開発の減速や原油高を警戒材料に挙げています上海総合指数は3,885.33と2.77ポイント(0.07%)安でした。

セクター・個別銘柄の動き

東証33業種のうち上昇は8業種、下落は25業種で、前日の27/6からほぼ裏返しになりました上昇したのは情報・通信業+2.07%、医薬品+1.12%、サービス業+0.74%、ガラス・土石製品+0.50%、パルプ・紙+0.35%、空運業+0.31%、金属製品+0.24%、ゴム製品+0.03%の8業種下落率の上位は(1)石油・石炭製品-2.24%、(2)銀行業-1.85%、(3)証券・商品先物-1.60%、(4)保険業-1.48%、(5)卸売業-1.44%、(6)不動産業-1.42%、(7)海運業-1.24%でした。情報・通信業は前日の-1.87%(下落率2位)から一転して上昇率1位で、その主因は同業種に属するソフトバンクグループの急反発です。卸売業では三井物産・三菱商事など総合商社が下落し、豊田通商は2.37%安で日経平均を17円90銭押し下げました。

本日の日経平均を上下から引っ張ったのは2銘柄です上に引っ張ったのはソフトバンクグループで、440円(7.54%)高の6,279円、寄与度は+353円99銭日本経済新聞は、14日に出資先の米オープンAIの上場延期観測から大幅安となった同社が急反発したと伝えています前日の下げ701円のうち約63%を1日で取り戻した計算ですが、株価はなお前週末11日の6,540円を261円下回っています下に引っ張ったのはアドバンテストで、920円(2.96%)安の3万160円、寄与度は-222円05銭2日間で1,560円(4.92%)下げており、前夜のSOX指数急落の影響が最も直接的に出た銘柄です。東京エレクトロンも0.55%安(-28円16銭)、フジクラも1.86%安(-18円10銭)でした。

ただし、半導体・電子部品株が一様に売られたわけではありませんキオクシアHDは1,160円(2.29%)高の5万1,750円と3日ぶりに反発し、売買代金は引き続きトップ株探によれば、米ブルームバーグ通信が、同社が計画する米国預託証券(ADR)の上場で少なくとも100億ドル規模の資金調達を検討していると報じ、米国の主要な半導体株指数への組み入れも視野に入れていると伝えたことが買い材料になりました。このほか太陽誘電が5.54%高、村田製作所が3.24%高、レーザーテックが3.22%高、KOKUSAI ELECTRICやSUMCOも上昇レゾナックHDは、直径300ミリのSiC(炭化ケイ素)単結晶の成長と基板加工に成功したと発表して2.0%高となりました。前日に大きく売られた電子部品・材料株には買い戻しが入り、製造装置の大型株であるアドバンテストに売りが集中した——前日とは売られる銘柄の顔ぶれが入れ替わった形です。

前日に買われた銘柄の多くは、本日は利益確定に押されました前日に7.39%高だった富士通や、日立製作所が下値を探り、任天堂も軟調(株探)。ソニーグループは1.66%安(-10円56銭)、コナミグループは1.28%安(-9円22銭)、ファーストリテイリングは0.21%安(-11円26銭)、東京海上HDは1.51%安(-6円24銭)と、前日のプラス寄与度上位だった銘柄がそろってマイナス寄与に回っていますその中でリクルートHDは2.18%高(+36円20銭)と2日続けてプラス寄与2位以内、トレンドマイクロも4.33%高と、ソフトウェア・ITサービスの一部には買いが続きました

個別材料では、TOB(株式公開買い付け)が目立ちましたレオパレス21は、光通信が投資ファンドとともにTOB価格1株1,000円でのTOBを実施すると発表し、ストップ高の791円で299万4,000株の買い注文を残しましたかどや製油も、インテグラルによる非公開化目的のTOB(1株2,514円)発表で15.8%高の2,800円と、TOB価格を上回って引けていますほかにGOが、米ウェイモ・日本交通と東京での自動運転タクシーの商用化に向けた提携で合意したと発表して5.7%高一方でアインHDは第1四半期決算後に材料出尽くし感から4.8%安、サムコは今期見通しに物足りなさが意識されて4.4%安でした(いずれも株探)。

テクニカル分析

トレンドの位置

日経平均の終値6万3,484円10銭は、200日線以外のすべての移動平均線を下回ったままです5日線は6万4,280円43銭で終値の796円33銭上(乖離-1.24%)、25日線は6万5,925円24銭で2,441円14銭上(-3.70%)、75日線は6万6,760円23銭で3,276円13銭上(-4.91%)です。移動平均線とは過去一定期間の終値の平均で、5日線は直近1週間、25日線は約1か月、75日線は約3か月半、200日線は約10か月の平均コストを表します75日線を下回るのは8月21日から18営業日連続になりました。5日線と25日線からの乖離はいずれも前日より縮まっていますが、これは終値が上がったためではなく、5日線・25日線そのものが下がってきたためです。200日線は5万9,490円78銭で終値の3,993円32銭下(+6.71%)と、長期の上昇基調は保っています

一目均衡表では、3営業日連続で「雲の下」です。一目均衡表の「雲」とは、過去の値動きから算出した2本の線に挟まれた帯で、株価がその中にあると方向感に乏しい、上にあれば強い、下にあれば弱いと読むのが一般的です本日の雲は6万4,572円31銭〜6万6,640円32銭で、終値は下端を1,088円21銭下回りました本日の高値6万4,101円00銭も、雲の下端には471円31銭届いていません雲の下端は前日の6万4,396円23銭から176円08銭切り上がっており、前日とは逆に戻りの関門が少し遠のきました転換線は6万4,759円01銭で終値の1,274円91銭上、基準線は6万6,167円21銭で2,683円11銭上です。

TOPIXは、前日に回復した75日線(本日4,032.13)を終値4,037.16で5.03ポイント上回り、2日連続で維持しました。ただし安値4,023.64では一時下回っており、余裕はわずかです。一目均衡表の雲(3,951.81〜3,997.10)の上端からは40.06ポイント上にありますが、5日線4,044.98・転換線4,054.06・25日線4,101.75・基準線4,093.75はいずれも下回りました前日に上回った5日線と転換線を1日で再び割り込み、短期の持ち直しは足踏みという位置です。

サポートとレジスタンス

日経平均の下値の目安は、前日の安値6万2,726円18銭と8月3日の安値6万2,703円47銭です。本日の安値6万3,067円18銭はこれを341円上回り、安値を切り上げましたボリンジャーバンドの-2σは6万2,985円86銭で、本日は安値でもこれを81円32銭上回りましたボリンジャーバンドとは移動平均線の上下に値動きのばらつき(標準偏差)の幅を加えた帯で、-2σの外に出るのは統計的に珍しい、いわゆる売られすぎの水準と読むのが一般的です。11日・14日と2営業日続けて日中に-2σを割り込んでいたのに対し、本日は3営業日ぶりに割り込まず——下値への売り圧力は前日までより和らいだと読めます。その下の目安は、7月30日の終値6万1,867円43銭と7月29日の安値6万448円90銭です。

上値のレジスタンスは、本日の高値6万4,101円00銭が最初の関門になりました。その上の6万4,280円〜6万4,760円には、5日線6万4,280円43銭、-1σ6万4,455円55銭、雲の下端6万4,572円31銭、転換線6万4,759円01銭の4本が集まっています本日はこの帯の手前、6万4,101円で押し戻されましたさらに上は25日線6万5,925円24銭、基準線6万6,167円21銭、雲の上端6万6,640円32銭、75日線6万6,760円23銭と、6万6,000円前後に中期の線が集中しています。

オシレーター

日経平均のRSI(14日)は39.4で、前日とほぼ同じ水準ですRSIは直近14日間の値上がり幅と値下がり幅の比率を0〜100で表した指標で、一般に30以下が売られすぎ、70以上が買われすぎ、50が中立とされます40をやや下回ったまま、売られすぎの30まではまだ距離がある水準です。TOPIXのRSIは45.1と、前日の47.4から2.3ポイント低下しました。

日経平均のMACDは-583.5、シグナルは-353.6、ヒストグラムは-229.9MACDは短期と長期の移動平均の差を示す指標で、シグナル(MACDの平均線)を上抜けば買い、下抜けば売りのサインと読むのが一般的ですヒストグラムのマイナス幅は前日の-201.9からさらに広がり、下向きの勢いは前日に続いて強まりましたただし拡大幅は前日(-136.8→-201.9)より小さくなっており、勢いの強まり方は鈍っていますTOPIXのヒストグラムは-12.0と前日の-12.1からほぼ横ばい(MACD-5.8、シグナル6.2)です。

ご注意: 本節の移動平均・一目均衡表・ボリンジャーバンド・RSI・MACD・乖離率・NT倍率は、いずれも当サイトが確定日足から算出した計算値であり、推定であって確定値ではありません。算出期間・平滑化の方法・データ起点の違いにより、お使いのチャートツールの表示値と一致しない場合があります。テクニカル指標は過去の値動きを要約したものであり、将来の株価を予測するものではありません。

市場心理

本日の市場心理を一言で表すなら、「買い戻しは入るが、上では買い進めない」です。株探の大引け記事は「方向感の定まらない不安定な地合いに終始」と表現し、FOMCの結果公表(日本時間17日未明)と日銀金融政策決定会合の結果発表(18日)を控えて、上値を積極的に買い進む動きはみられなかったと伝えています朝の425円安から昼前の608円高、そして引けの8円安——1日で上下に約1,034円動きながら、終値はほぼ元の位置でした。

恐怖指数はわずかに低下しました日経平均VIは今後1か月の値動きの大きさに対する市場の予想を表す指標で、急落時に跳ね上がり、平常時は20〜30程度に落ち着くとされます本日は30.68と前日比0.38(1.22%)低下、高値31.17・安値29.84でした。フィスコは、先物が上げに転じた場面では低下したものの、その後再び下げに転じるなど上値が重く、午後は低下幅を縮小したとし、「警戒ムードの緩和は限定的」と表現しています。日中に一時30を割り込みながら、引けでは30台に戻った——本日の値動きと同じ「いってこい」の形です。

市場の広がりは、前日より明らかに弱まりました東証プライムの値上がりは800銘柄(約52%)、値下がりは685銘柄で、かろうじて値上がりが上回ったものの、前日の79%からは大きく低下日経平均225銘柄では値上がり67・値下がり157と、前日の158/66がほぼ裏返しになりました。売買代金は約7兆4,384億円と前日比2.1%増、売買高は4.5%減で、1株あたりの平均約定単価は約3,944円と6.9%上昇ソフトバンクG・キオクシアHD・アドバンテストといった値がさの主力株に売買が集まったことがうかがえます。NT倍率は15.725倍と3営業日ぶりに上昇し、2日間の揺り戻しはいったん止まりました

翌営業日の注目ポイント

翌営業日は9月16日(水)で、東京市場は通常どおり取引が行われます最初の注目は、長期金利の3%台がどこまで続くかです。本日は新発10年国債利回りが一時3.030%と約30年ぶりの水準をつけ、後場の日経平均の失速につながりました金利が一段と上がれば不動産や成長株の重しになりやすく、落ち着けば本日後場に手控えられた買いが戻る余地があります。本日は銀行株まで売られており、金利上昇が「金融株の追い風」として素直に効かない局面であることにも注意が必要です。

ふたつ目は、今晩の米国の半導体株が下げ止まるかです。14日のSOX指数5.86%安は、本日のアドバンテスト1銘柄で日経平均222円の押し下げにつながりましたSOX指数が続落すれば製造装置株への売りは続きやすく、反発すれば本日のキオクシアHDや電子部品株の戻りに広がりが出る可能性があります。あわせてソフトバンクGが2日目も戻りを続けられるか——本日は同社以外の224銘柄で約363円のマイナスだったため、同社の方向が引き続き日経平均の数字を大きく左右します

三つ目は、日米の中央銀行イベントと連休を前にした持ち高調整です。FOMCは15〜16日(結果公表は日本時間17日未明)、日銀の金融政策決定会合は17〜18日(結果公表は18日)そして日銀会合の結果公表の翌日から、東京市場は9月19日(土)〜23日(水)の5連休(21日敬老の日・22日国民の休日・23日秋分の日)に入ります。16日はFOMC結果公表の前日にあたり、本日と同様に上値を買い進みにくい地合いが続く可能性があります。

テクニカル面で16日(水)に確認したいのは2点です。上は本日の高値6万4,101円00銭を超え、6万4,280円〜6万4,760円に集まる5日線・-1σ・雲の下端・転換線に届くか下は本日の安値6万3,067円18銭と-2σ6万2,985円86銭の近辺を守り、安値切り上げを続けられるかです。TOPIXについては、2日連続で終値で維持した75日線4,032.13を守れるかが焦点になります。

戦略展望

本日の値動きから読み取れる前向きな点は3つありますひとつ目は、SOX指数5.86%安という逆風の中でも、日経平均が一時608円高まで切り返したことふたつ目は、安値を前日より341円切り上げ、3営業日ぶりに日中の-2σ割れがなかったこと三つ目は、前日に大きく売られたソフトバンクG・キオクシアHD・電子部品株に1日で買い戻しが入り、「売られすぎたものは拾われる」動きが確認できたことです。

一方で、慎重に見るべき点も3つありますひとつ目は、高値から616円押し戻されて上ヒゲの長い足となり、上値の重さがはっきり出たことふたつ目は、長期金利が約30年ぶりの3.030%まで上がり、それが株式の買いを直接手控えさせる材料になり始めたこと三つ目は、33業種中25業種が下落、TOPIXは0.52%安と、前日に見られた市場全体の強さが1日で後退したことです。日経平均は終値ベースで2日続けて7月30日以来の安値を更新し、75日線割れは18営業日、雲の下は3営業日に延びています

したがって本日の値動きから導かれる見立てはこうです——「下値では買い戻しが入り始めたが、長期金利の上昇と中央銀行イベントを前に、上値を追う買いはまだ続かない。指数はソフトバンクGとアドバンテストの綱引きで決まり、市場全体の体温は業種の騰落数とTOPIXで測る」判別の材料は、長期金利の3%台の行方、今晩のSOX指数、そして17日未明のFOMC結果です。その先の日銀会合と5連休を考えると、本日のように1日で上下に1,000円動いても終値はほとんど変わらない、という展開を想定しておくことが大切な局面と言えるでしょう。なお本節の見立てはあくまで本日までの数値から読める整理であり、将来の株価を予測するものではありません

チャート

日経225 (INDEX:NKY)

米ドル/円 (FX:USDJPY)

S&P 500 (FOREXCOM:SPXUSD)

▶ YOUTUBE CHANNEL
投資ナオゴロン

毎日の相場解説・銘柄分析・投資戦略を動画でお届けしています。チャンネル登録・高評価で応援よろしくお願いします!

▶ チャンネルを見る @toushi-naogoron

免責事項: 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買や投資勧誘を目的としたものではありません。記載された数値は執筆時点で公表されている情報に基づいていますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。テクニカル指標に関する記述には当サイトによる計算値が含まれ、算出方法によりチャートツールの表示値と異なる場合があります。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。本記事の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、筆者および当サイトは一切の責任を負いません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました