【10月8日】日経平均993円安の6万9042円、7万円割れ 安値引けで続落

株
2026年10月8日(木) 東京市場クローズ
日経平均 69,042.11円 -993.60円 (-1.42%)

前日の米国市場は金利高を嫌ってNYダウが341ドル安と5日ぶりに反落し、東京市場もこの流れを引き継ぎました。日経平均は993円60銭安の6万9,042円11銭と続落し、この日の安値で引けて7万円を割り込みました。TOPIXも62.65ポイント(1.51%)安の4,091.46で、25日移動平均線を下回りました。ソフトバンクグループ1銘柄で日経平均を218円44銭押し下げ、東京エレクトロン(-156円75銭)、TDK(-89円50銭)が続きました。東証プライムの値下がりは1,182銘柄(全体の76%)、33業種中26業種が下落と、ほぼ全面安の一日でした。

まず前日の米国市場を確認します。7日のNYダウは341.41ドル(0.66%)安の51,179.87ドルと5日ぶりに反落、S&P500は17.16ポイント(0.22%)安の7,801.77、ナスダック総合は61.10ポイント(0.22%)安の27,538.69と6日ぶりに反落しました。半導体株指数SOXは151.67ポイント(1.15%)安の13,066.15です(いずれも株探・米国株)。株探によれば、ホルムズ海峡でイランによるタンカー攻撃が増えて原油が一時上昇し、米国債の利回りも上がったことが重しになりました。米10年債利回りは5.288%(+0.012ポイント)と高い水準が続いています(株探)。

シカゴ日経225先物(円建て)は大阪比510円安の6万9,850円と、東京市場は大きく売られて始まる水準でした。日経平均は195円07銭安の6万9,840円64銭で寄り付き、朝方の6万9,918円20銭がこの日の高値。その後は戻りが鈍く、前場は662円31銭安の6万9,373円40銭で終了しました(フィスコ)。後場に入って台湾TSMCが9月の月次売上高を発表すると、株探によれば前年同月比54.6%増と好調だった一方、前月比では0.6%減となったことが嫌気され、半導体関連の一角に売りがかさみました。大引けにかけて先物売りが膨らみ、終値6万9,042円11銭がこの日の安値という「安値引け」です。ローソク足は実体798円53銭の陰線で、上ヒゲ77円56銭・下ヒゲはありません。日中値幅は876円09銭と、前日の776円10銭より大きくなりました。

主要マーケット指標

指標 数値 前日比
日経平均株価 69,042.11円 -993.60円 (-1.42%) 続落
日経平均 始値 / 高値 / 安値 69,840.64 / 69,918.20 / 69,042.11 高値は前営業日比-117.51円。安値は-993.60円(安値引け)
寄り付きのギャップ -195.07円 (-0.28%) 前営業日終値70,035.71円を下回って始まった
ローソク足の形 実体798.53円の陰線 上ヒゲ77.56円 / 下ヒゲなし(安値で引け)
日中値幅 876.09円 前営業日の776.10円の約1.13倍
7万円との距離 -957.89円 終値で3営業日ぶりに7万円を下回る
2日間の下げ幅 -1,641.87円 (-2.32%) 10月6日終値70,683.98円から
TOPIX 4,091.46 -62.65 (-1.51%) 続落
TOPIX 始値 / 高値 / 安値 4,136.62 / 4,136.62 / 4,087.42 始値が高値の「寄り天」。終値は安値の4.04上
NT倍率 16.875倍 前営業日16.859倍から+0.016
東証プライム 売買代金 約7兆6,133億円 前営業日の約7兆6,713億円から0.8%減
東証プライム 売買高 約23億2,915万株 前営業日の約23億3,090万株からほぼ横ばい(0.1%減)
1株あたり平均約定単価 約3,269円 前営業日の約3,291円から低下
東証プライム 値上がり/値下がり 327銘柄 / 1,182銘柄 変わらず43銘柄。値下がりは全体の76.2%。前営業日は526/972
日経平均225銘柄 値上がり/値下がり 56銘柄 / 165銘柄 変わらず4銘柄。前営業日は90/134
東証33業種 上昇/下落 7業種 / 26業種 前営業日は8/25
業種別 上昇率1〜5位 海運業 +1.25% 以下 サービス業+0.59%、ゴム製品+0.54%、陸運業+0.34%、医薬品+0.20%
業種別 下落率1〜5位 非鉄金属 -3.70% 以下 ガラス・土石製品-3.10%、機械-3.02%、銀行業-3.02%、金属製品-2.49%
最大のマイナス寄与 ソフトバンクG -218円44銭 4.28%安の6,040円。下げ幅の22.0%
マイナス寄与 2〜5位 東京エレクトロン -156円75銭 以下 TDK-89円50銭、アドバンテスト-77円67銭、イビデン-62円03銭
マイナス寄与 6〜10位 フジクラ -38円03銭 以下 村田製作所-33円66銭、ファナック-24円44銭、京セラ-20円23銭、豊田通商-20円13銭
マイナス寄与 上位5銘柄合計 -604円39銭 下げ幅993円60銭の60.8%
最大のプラス寄与 リクルートHD +20円23銭 1.18%高の17,200円。2位KDDI+11円33銭(0.97%高)
プラス寄与 3〜5位 トレンドマイクロ +9円14銭 以下 バンダイナムコHD+8円29銭、大塚HD+6円91銭。上位5銘柄合計+55円90銭
寄与度の合計 +118円50銭 / -1,112円12銭 差し引き-993円62銭で下げ幅と一致(差2銭は端数処理)
売買代金トップ キオクシアHD 約7,377億円 2位アドバンテスト約5,312億円、3位太陽誘電約3,469億円、4位ソフトバンクG約2,312億円、5位レーザーテック約2,183億円
東証プライム 値上がり率1位 三協立山 +15.90% 2位テクマトリックス+8.48%、3位デジタルアーツ+6.00%、4位JBCCHD+5.51%、5位アンビスHD+5.24%
東証プライム 値下がり率1位 四国銀行 -7.77% 2位福井銀行-7.49%、3位岩手銀行-7.27%、4位ハーモニック・ドライブ・システムズ-7.09%、5位東京計器-7.07%
ストップ高 / ストップ安 16銘柄 / 2銘柄 全市場・一時を含む(株探)。ストップ高で引けたのは11銘柄
米ドル/円 158円10〜20銭 午後5時時点(フィスコ)。日中は157円59銭〜158円28銭
東証プライム 騰落レシオ(25日) 87.93% 前営業日93.25%から低下。100%が中立の目安(株探)
NYダウ (10/7終値) 51,179.87 -341.41 (-0.66%) 5日ぶり反落
S&P 500 (10/7終値) 7,801.77 -17.16 (-0.22%)
ナスダック総合 (10/7終値) 27,538.69 -61.10 (-0.22%) 6日ぶり反落
SOX指数 (10/7終値) 13,066.15 -151.67 (-1.15%)
米10年債利回り / NY原油(WTI) (10/7) 5.288% / 88.28ドル 利回り+0.012ポイント / 原油-1.16ドル(株探)
シカゴ日経225先物(円建て) (10/7) 69,850円 大阪取引所終値比-510円(株探)
日経平均 5日線からの乖離 -0.81% 5日線 69,603.62。561円51銭下(前営業日は+0.65%)
日経平均 25日線からの乖離 +4.43% 25日線 66,115.66。2,926円45銭上(前営業日は+6.10%)
日経平均 75日線からの乖離 +3.41% 75日線 66,765.28。2,276円83銭上
日経平均 200日線からの乖離 +13.75% 200日線 60,696.39。8,345円72銭上
日経平均 一目均衡表の雲 65,939.95 〜 66,640.32 終値は雲の上端を2,401円79銭上回る
日経平均 転換線 / 基準線 67,749.05 / 66,762.40 ともに前営業日から横ばい。終値は転換線を1,293円06銭上回る
日経平均 ボリンジャーバンド +1σ 68,235.07 / +2σ 70,354.48 終値は+1σと+2σの間。+2σまで1,312円37銭
日経平均 RSI (14日) 59.9 前営業日の65.5から5.6ポイント低下
日経平均 MACD / シグナル 1,098.6 / 575.7 ヒストグラムは+640.6から+522.9へ2日連続で縮小
日経平均 52週高値からの距離 -3,789.62円 (-5.20%) 52週高値 72,831.73 (6/22)。前営業日の-3.84%から拡大
7月29日安値からの戻り +8,593.21円 (+14.22%) 直近安値 60,448.90 (7/29)
TOPIX 5日線 / 25日線 4,133.07 / 4,095.19 終値は5日線を41.61、25日線を3.73下回る
TOPIX 75日線 / 200日線 4,063.70 / 3,839.89 終値は75日線の+0.68%、200日線の+6.55%
TOPIX 一目均衡表の雲 4,039.72 〜 4,074.66 終値は雲の上端を16.80上回る
TOPIX RSI (14日) / MACD 49.1 / 14.1 (シグナル10.0) RSIは55.9から6.8ポイント低下し50割れ。ヒストグラムは+8.7から+4.1へ縮小
TOPIX 52週高値からの距離 -128.85 (-3.05%) 52週高値 4,220.31 (8/14・取引時間中)。前営業日の-1.57%から拡大
注記: 日経平均・TOPIXの終値・始値・高値・安値・前日比は株探の当日値(終値・前日比は株探の大引け記事・フィスコの為替記事とも一致を確認)、東証プライムの値上がり値下がり銘柄数・売買代金・売買高は株探の大引け記事(東京株式・大引け)による概算値、業種別騰落率は株探の東証33業種騰落率、寄与度と個別銘柄の株価・騰落率・225銘柄の値上がり値下がり数は株探の日経平均寄与度ランキング、売買代金上位・値上がり率・値下がり率は株探の各ランキング、ストップ高安は株探の集計、騰落レシオは株探の「相場の体温計」(訂正版)、ドル円は株探掲載のフィスコ為替記事(午後5時時点)、米国指数とSOX指数は10月7日(現地時間)の確定終値(ナスダック総合とSOXは株探・米国株の日足、NYダウとS&P500は株探の「米国市場データ」と「米国株概況」の2か所で一致を確認)、米10年債利回り・WTI原油・シカゴ日経225先物は株探の「米国市場データ」によります。ナスダック総合の下げ幅は株探のニュース記事では61.20ポイントとされていますが、日足の終値(27,599.79→27,538.69)から計算した61.10ポイントを掲載しています。NT倍率・移動平均・一目均衡表の各値・ボリンジャーバンド・RSI・MACD・乖離率・上ヒゲ下ヒゲ・値幅・寄与度の合計と比率・ギャップ・平均約定単価・前日比の増減率は当サイトの計算値です(これらは推定であり確定値ではありません。算出方法によりチャートツールの表示値と異なる場合があります)。算出手法の妥当性は3通りの方法で検証しています。第一に、同一コードで10月7日時点の5日線6万9,586円55銭・25日線6万6,006円46銭・75日線6万6,792円10銭・200日線6万604円19銭・雲6万5,973円05銭〜6万6,640円32銭・RSI65.5・MACD1,085.6/シグナル445.0を再現でき、10月7日記事の掲載値とすべて一致することを確認しました。第二に、株探の寄与度ランキング225銘柄の寄与度を合計すると-993円62銭となり、本日の下げ幅993円60銭と一致することを確認しました(2銭の差は各銘柄の寄与度の端数処理によるものです)。第三に、本日の日経平均終値6万9,042円11銭(993円60銭安)とTOPIX終値4,091.46(62.65ポイント安)が株探の当日値・株探の大引け記事・フィスコの為替記事の3か所で一致することを確認しました。国内長期金利の確定終値、日経平均VI、日経225先物の清算値、ソフトバンクGと地方銀行株の下げの個別の理由については、執筆時点で確定値・一次情報を確認できていないため掲載していません。テーブルの色は日本式表記(上昇=赤/下落=緑)に従っています。

マクロ・地政学の視点

本日の下げの背景は、金利高への警戒と、それを受けた前日の欧米株安です。株探によれば、米国では原油高でインフレへの懸念が強まり、債券利回りの上昇を警戒した売りが出ました。7日午後に公表された9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、19人の参加者全員が利上げの決定を支持し、大半が年末までにもう一段の引き上げが適切になる可能性が高いと判断していたことが分かりました(株探)。ただ、議事要旨への市場の反応は小幅にとどまっています。

中東情勢も引き続き重荷です。株探によれば、ホルムズ海峡ではイランによるタンカーへの攻撃が今月に入って少なくとも9件報告されています。さらに東京時間には、トランプ米大統領が中間選挙前のイラン攻撃の再開を検討していると伝わり、時間外取引で米原油先物が強含んだことも市場の心理を冷やしました(株探)。一方、株探によれば7日の米10年債入札と8日の国内30年債入札はいずれも無難な結果で、金利高への懸念はやや和らいでいます。

為替はドル円が158円台で底堅く推移しました。フィスコによれば、午前はユーロ円の下落につれて一時157円59銭まで下げましたが、米長期金利の上昇でドル買いが入り、午後は158円28銭まで上がりました。午後5時時点では158円10〜20銭です。国内では9月の景気ウォッチャー調査が発表され、現状判断は47.0と予想の46.7、前回の46.4を上回った一方、先行き判断は47.4と前回の48.3から下がりました(フィスコ)。

需給面では、7日に日本取引所グループが公表した新しい基準のTOPIXの構成銘柄が個別株を大きく動かしました。株探によれば、段階的にウエイトが下げられる「移行措置銘柄」は683銘柄にのぼり、その一角が売られた一方、スタンダード・グロース市場から新たに採用された35銘柄は材料出尽くしの売りに押されるものが目立ちました。株探の先物市況によれば、ウエイトが上がるアドバンテストやキオクシアHD、リクルートHDには資金が向かい、日経平均がTOPIXより相対的に強い形になりました。NT倍率が16.859倍から16.875倍へ上がったのはこのためと考えられます。

セクター・個別銘柄の動き

東証33業種のうち上昇は7業種、下落は26業種でした。上昇率の上位は海運業+1.25%、サービス業+0.59%、ゴム製品+0.54%、陸運業+0.34%、医薬品+0.20%と、内需やディフェンシブ寄りの業種が並びます。下落率の上位は非鉄金属-3.70%、ガラス・土石製品-3.10%、機械-3.02%、銀行業-3.02%、金属製品-2.49%。非鉄金属と銀行業は2日続けて下落率の上位に入りました。

日経平均を最も押し下げたのはソフトバンクグループで、4.28%安の6,040円、寄与度-218円44銭。1銘柄で下げ幅の22.0%を占めます。同社株の下げの個別の理由は確認できていません。東京エレクトロンは2.48%安(-156円75銭)、アドバンテストは0.87%安(-77円67銭)、イビデンは3.75%安(-62円03銭)。電子部品ではTDK(-5.01%)、村田製作所(-4.79%)、太陽誘電(-4.41%)、京セラ(-1.96%)の4銘柄で日経平均を160円41銭押し下げました。株探によれば、TSMCの9月の売上高が前月比で0.6%減ったことがAI・半導体関連の先高観に水を差しました。

農業機械・建設機械も売られました。株探によれば、米連邦取引委員会(FTC)と農務省が農業機械の市場について反競争的な行為の可能性を含む調査を始めると発表し、米国でキャタピラーやディアが売られた流れから、クボタ(-5.4%)やコマツ(-5.5%)が大きく下げました。CKDは既存株主による357万800株の売り出しの発表を受けて5.1%安(株探)。四国銀行(-7.77%)、福井銀行(-7.49%)、岩手銀行(-7.27%)など地方銀行株が値下がり率の上位に並びましたが、個別の理由は確認できていません。

上昇した銘柄では、リクルートHDが1.18%高で寄与度+20円23銭と日経平均を最も支えました。株探の先物市況によれば、新しいTOPIXでウエイトが上がる銘柄として資金が向かいました。キオクシアHDは前場に3%超上げたものの、終値は前日と同じ17,900円で、売買代金は約7,377億円と首位です。株探によれば、日本取引所はキオクシアのTOPIXでの浮動株比率を15%から11月末までに50%へ引き上げると発表しています。サイバー攻撃が相次ぐなかで、トレンドマイクロ(+3.89%)、デジタルアーツ(+6.00%)などセキュリティ関連の大型株も買われました。東証プライムの値上がり率1位は三協立山で、ストップ高の15.90%高。株探によれば、第1四半期(6〜8月)の営業損益が26億円の黒字に転換したことが好感されました。前日引け後に業績予想を上方修正したABCマートは3.63%高、上期決算が大幅増益だったツルハHDも2.3%高です(株探)。

ストップ高・ストップ安

株探の集計では、本日のストップ高は全市場で16銘柄(一時を含む)、ストップ安は2銘柄(一時を含む)でした。ストップ高のまま引けたのは11銘柄です。16銘柄のうち12銘柄がサイバーセキュリティ関連(株探のテーマ分類や材料による)で、前日の7銘柄から大きく増えました。株探によれば、不正アクセスによる個人情報の漏えいが全国で相次ぐなか、政府が8日午後に関係省庁会議を開くことになり、企業のセキュリティ強化への思惑から個人投資家を中心に中小型の関連銘柄が買われました。サイバーセキュリティクラウドは取引時間中に売買が成立せず、比例配分でストップ高となりました(株探)。ストップ安で引けたのは辻・本郷ITコンサルティングの1銘柄で、同社は取引時間中に一時ストップ高もつけています。

銘柄(コード) 市場 終値(円) 騰落率(%) PTS終値比(%) 材料
TWOSTONE&Sons(7352) 東証グロース 362 +28.37 取得できず ストップ高で引け。グループ会社がサイバーセキュリティ領域に参入と発表(株探)
サイバーソリューションズ(436A) 東証グロース 2,061 +24.08 -2.67 ストップ高で引け。サイバーセキュリティ関連(株探)
ハンモック(173A) 東証グロース 2,162 +22.70 -3.40 ストップ高で引け。サイバーセキュリティ関連(株探のテーマ分類)。個別の材料は確認できず
カウリス(153A) 東証グロース 2,767 +22.06 -3.14 ストップ高で引け。相次ぐ不正アクセスでセキュリティ関連に買い(株探)
S&J(5599) 東証グロース 1,675 +21.82 -2.47 ストップ高で引け。サイバーセキュリティ関連(株探のテーマ分類)。個別の材料は確認できず
ブロードバンドセキュリティ(4398) 東証スタンダード 2,822 +21.53 -3.26 ストップ高で引け。3日連続のストップ高。公開Webサービスの基本対策の再点検を提言(株探)
FFRIセキュリティ(3692) 東証グロース 9,960 +17.73 -1.10 ストップ高で引け。サイバーセキュリティ関連(株探)
セキュアヴェイル(3042) 東証スタンダード 533 +17.66 +2.25 ストップ高で引け。サイバーセキュリティ関連(株探)
サイバーセキュリティクラウド(4493) 東証グロース 3,360 +17.56 +8.33 比例配分でストップ高。24万5,800株の買い注文を残す(株探)
三協立山(5932) 東証プライム 729 +15.90 +0.69 ストップ高で引け。第1四半期の営業損益が黒字転換(株探)
ZenmuTech(338A) 東証グロース 5,690 +14.03 +0.44 ストップ高で引け。サイバーセキュリティ関連(株探)
Welby(4438) 東証グロース 319 +15.16 -0.63 一時ストップ高。材料は確認できず
アズジェント(4288) 東証スタンダード 614 +11.03 -1.29 一時ストップ高。サイバーセキュリティ関連(株探のテーマ分類)
ディ・アイ・システム(4421) 東証スタンダード 1,000 +10.13 未約定 一時ストップ高。サイバーセキュリティ専門イベントに出展へ(株探)
HEROZ(4382) 東証スタンダード 1,050 +7.58 -1.90 一時ストップ高。人工知能関連(株探のテーマ分類)。個別の材料は確認できず
辻・本郷ITコンサルティング(476A) 東証スタンダード 2,480 -16.78 -3.39 一時ストップ高のあとストップ安で引け。材料は確認できず
ジィ・シィ企画(4073) 東証グロース 771 -14.43 -2.72 一時ストップ安。前日はストップ高。材料は確認できず

PTS(私設取引システム)の値は、ジャパンネクスト証券のPTSで10月8日17時47分の取得時点に付いていた直近の価格です。比例配分でストップ高となったサイバーセキュリティクラウドはPTSで3,640円と終値を8.33%上回り、買いが残っていることを示しました。一方、ストップ高で引けたカウリス、ハンモック、ブロードバンドセキュリティなどはPTSで終値を3%前後下回っており、セキュリティ関連の中でも夜間は利益確定の売りが出ています。株探は、米国ではセキュリティ関連株の上昇がすでに一服していることを挙げ、関連株に流入した資金の巻き戻しに警戒が必要だと指摘しています。

主要銘柄の決算と決算後のPTS

株探の決算速報によれば、本日は39社が決算や業績予想の修正を発表しました。このうち東証プライムで時価総額1,000億円以上の11社を下の表にまとめます。決算の要点は株探の見出しの範囲で記載しており、PTSは16時30分以降に付いた価格のみを「決算後のPTS」としています。

銘柄(コード) 時価総額(億円) 決算の要点(株探の見出し) 終値(円) PTS(円) PTS終値比(%)
ファーストリテイリング(9983) 238,029 今期最終は3%増で7期連続最高益、前期配当を210円増額・今期は50円増配へ 74,800 73,300 -2.01
セブン&アイ・HD(3382) 46,115 上期経常は19%増益で着地 1,987.5 1,975 -0.63
テルモ(4543) 34,179 今期最終を一転12%減益に下方修正 2,308.5 2,200 -4.70
ローツェ(6323) 7,822 今期経常を44%上方修正・最高益予想を上乗せ、配当も8円増額 4,434 4,936 +11.32
キユーピー(2809) 6,169 12-8月期(3Q累計)経常が17%増益で着地・6-8月期も9%増益 4,360 4,258.5 -2.33
スギHD(7649) 4,892 今期経常を7%下方修正 1,254 1,211 -3.43
吉野家HD(9861) 2,440 今期経常を一転18%増益に上方修正、配当も2円増額 3,747 3,754 +0.19
ライフコーポレーション(8194) 2,244 上期経常が6%減益で着地・6-8月期も5%減益(11時30分発表) 2,479 未約定 —
フジ(8278) 1,667 上期経常が53%減益で着地・6-8月期も34%減益(15時発表) 1,919 未約定 —
乃村工藝社(9716) 1,410 6-8月期(2Q)経常は17%増益 1,176 未約定 —
コジマ(7513) 1,099 今期経常は2%増益、前期配当を1円増額・今期は1円増配へ 1,410 1,375.2 -2.47

最大の注目はファーストリテイリングの決算です。株探によれば、27年8月期は売上高4兆4,500億円(12.3%増)、事業利益8,300億円(15.5%増)、最終利益5,600億円(3.2%増)を計画し、年間配当は900円(前期850円)に増やす予定です。7期連続の最高益を見込むものの、株探は最終利益の計画が市場予想に届かなかったとしており、PTSは73,300円と終値を2.01%下回りました。日経平均への影響が大きい銘柄だけに、翌日のSQ算出への影響が注目されます。

上昇が目立ったのはローツェで、今期の経常利益予想を44%上方修正し最高益予想を上乗せ、配当も8円増やすと発表し、PTSは終値を11.32%上回りました。今期の最終利益予想を一転12%減益に下方修正したテルモはPTSで4.70%安、経常利益予想を7%下方修正したスギHDは3.43%安です。ライフコーポレーション、フジ、乃村工藝社は16時30分以降のPTSで約定がありませんでした(ライフとフジは取引時間中の発表で、株探によれば両社とも当日の株価は3.1%安)。

表の11社以外では、決算後のPTSで終値から5%以上動いた銘柄が6社ありました。今期の経常損益予想を赤字拡大に下方修正したシリコンスタジオ(3907)は14.94%安、上期の経常利益予想を一転増益に上方修正したアイビー化粧品(4918)は11.08%高、今期の経常利益予想を一転16%増益に上方修正し配当も増やす川口化学工業(4361)は6.79%高です(いずれも株探の見出しによる)。PTSの価格は10月8日17時14分〜17時32分の取得値です。PTSは夜間の参考値で、翌日の始値を保証しません。

テクニカル分析

トレンドの位置

日経平均は短期の線を割り込みましたが、中長期の上昇の形はまだ保っています。移動平均線とは過去一定期間の終値の平均で、5日線は直近1週間、25日線は約1か月、75日線は約3か月半、200日線は約10か月の平均コストを表します。終値6万9,042円11銭は5日線6万9,603円62銭を561円51銭(0.81%)下回りました。一方、75日線6万6,765円28銭(+3.41%)・25日線6万6,115円66銭(+4.43%)・200日線6万696円39銭(+13.75%)はいずれも上回っています。7月29日の安値6万448円90銭からは8,593円21銭(14.22%)上の水準です。

一目均衡表でも上昇の形は続いています。一目均衡表の「雲」とは、過去の値動きから算出した2本の線に挟まれた帯で、株価がその中にあると方向感に乏しい、上にあれば強い、下にあれば弱いと読むのが一般的です。雲は6万5,939円95銭〜6万6,640円32銭で、終値は上端の2,401円79銭上。転換線は6万7,749円05銭、基準線は6万6,762円40銭で、ともに前日から横ばいでした。

TOPIXは日経平均より弱い形になりました。始値4,136.62がこの日の高値という「寄り天」で、終値4,091.46は5日線4,133.07だけでなく25日線4,095.19も3.73下回りました。雲(4,039.72〜4,074.66)の上端からは16.80上と、雲に近づいています。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は16.859倍から16.875倍へ上がり、本日はTOPIXの方が下げ率が大きかったことを示しています。

サポートとレジスタンス

日経平均の上値の目安は、まず心理的な節目の7万円と、本日の高値6万9,918円20銭です。その上の5日線6万9,603円62銭はすでに終値の上にあり、戻りの際の最初の関門になります。さらに上では、10月6日・7日に2日続けて押し戻された7万800円近辺(6日高値7万798円62銭、7日高値7万793円29銭)が控えます。52週高値は6月22日の7万2,831円73銭で、本日の終値はその5.20%下です。

下値の目安は、まず10月5日に開いた「窓(ギャップ)」です。窓とは前日の値幅と当日の値幅の間にできた空白のことで、その後の値動きで埋めにいくかどうかが注目されやすい価格帯です。窓の上端は6万9,050円23銭で、本日の安値6万9,042円11銭は窓に8円12銭入りました。残る窓は6万8,741円49銭〜6万9,042円11銭で、その下には10月2日の終値6万8,309円46銭、ボリンジャーバンドの+1σ 6万8,235円07銭が続きます。ここを割り込むと、転換線6万7,749円05銭が次の目安です。

オシレーター

日経平均のRSI(14日)は59.9で、前営業日の65.5から5.6ポイント下がりました。RSIは直近14日間の値上がり幅と値下がり幅の比率を0〜100で表した指標で、一般に30以下が売られすぎ、70以上が買われすぎ、50が中立とされます。2日間で買われすぎの目安の70から遠ざかり、過熱感は和らいでいます。終値はボリンジャーバンドの+1σ(6万8,235円07銭)と+2σ(7万354円48銭)の間です。ボリンジャーバンドとは移動平均線の上下に値動きのばらつき(標準偏差)の幅を加えた帯で、±2σの外に出るのは統計的に珍しい水準と読むのが一般的です。

日経平均のMACDは1,098.6、シグナルは575.7で、ヒストグラムは+522.9。MACDは短期と長期の移動平均の差を示す指標で、シグナル(MACDの平均線)を上抜けば買い、下抜けば売りのサインと読むのが一般的です。ヒストグラムは+667.2→+640.6→+522.9と2日連続で縮小しました。MACDはまだシグナルを大きく上回っており、買いのサインが消えたわけではありませんが、上昇の勢いは弱まっています。TOPIXはRSIが55.9から49.1へ下がって中立の50を割り込み、MACDのヒストグラムは+8.7から+4.1へ縮小しました。騰落レシオ(25日)は87.93%と、前日の93.25%から下がりました(株探)。

ご注意: 本節の移動平均・一目均衡表・ボリンジャーバンド・RSI・MACD・乖離率・NT倍率・窓の幅は、いずれも当サイトが確定日足から算出した計算値であり、推定であって確定値ではありません。算出期間・平滑化の方法・データ起点の違いにより、お使いのチャートツールの表示値と一致しない場合があります。テクニカル指標は過去の値動きを要約したものであり、将来の株価を予測するものではありません。

市場心理

本日の市場心理を一言で表すなら、「利益確定が広がり、7万円を手放した」です。東証プライムの値下がりは1,182銘柄と、前日の972銘柄からさらに増え、全体の76%が下げました。日経平均の構成銘柄でも165銘柄が下落し、上昇は56銘柄にとどまります。前日は半導体関連に偏っていた売りが、本日は電子部品・機械・銀行・商社などへ広がりました。フィスコは、日経平均が9月16日から7日までに6,500円を超えて上がっており、短期的な過熱感から利益確定の売りが出やすかったと指摘しています。

売買代金は7兆6,133億円で前日とほぼ同じ水準です。大引けにかけて先物主導で売られ、安値で引けたことは、翌日のSQや3連休を前に持ち高を減らす動きがあったことをうかがわせます。一方で、中小型株ではサイバーセキュリティ関連への買いがさらに広がり、ストップ高は16銘柄と前日の7銘柄から倍以上に増えました。指数が下げる中でテーマ株に資金が集まる、個人投資家主導の物色が強まっている状況です。

翌営業日の注目ポイント

翌営業日は10月9日(金)です。9日は株価指数先物・オプション(10月限のミニ・オプション)の特別清算指数(SQ)の算出日で、その後の12日(月)はスポーツの日の祝日のため、東京市場は3連休になります。連休中の海外市場の動きや中東情勢の変化を持ち越すリスクを避けるため、持ち高を減らす売りが出やすい点に注意が必要です。

最大の焦点は、ファーストリテイリングの決算を受けた株価の動きです。株探によれば、同社は9月末時点で日経平均のウエートが3番目に大きい銘柄で、PTSでは終値を2%ほど下回っています。SQ算出日の日経平均への影響が注目されます。9日の引け後には安川電機の第2四半期累計(3〜8月)の決算発表があり、株探は第1四半期に落ち込んだ生産の正常化と受注の状況がポイントだとしています。Sansan、マルマエ、古野電気の決算も予定されています。

国内では8月の家計調査が寄り付き前に、9月の工作機械受注が取引時間中に発表されます(株探)。海外では韓国と台湾の市場が休場で、米国では10月のミシガン大学消費者信頼感指数が発表されます。今晩(日本時間8日夜)は米新規失業保険申請件数の発表があり、イラン情勢と原油価格、米長期金利の動きが引き続き確認ポイントです。

テクニカル面で10月9日(金)に確認したいのは2点です。日経平均は、10月5日の窓の残り(6万8,741円49銭〜6万9,042円11銭)で下げ止まれるか。窓を埋めて下に抜けた場合は、+1σの6万8,235円07銭、転換線の6万7,749円05銭が次の目安になります。上では、5日線6万9,603円62銭と7万円を回復できるかが焦点です。TOPIXは25日線4,095.19を終値で取り戻せるかが分かれ目です。

戦略展望

本日の値動きから読み取れる前向きな点は3つあります。ひとつ目は、2日で1,641円下げても、日経平均は25日線・75日線・200日線と一目均衡表の雲をすべて上回ったままであること。ふたつ目は、RSIが59.9まで下がり、短期的な過熱感がかなり和らいだこと。三つ目は、株探によれば米10年債と国内30年債の入札がいずれも無難な結果で、金利高への懸念がやや和らいでいることです。

一方で、慎重な点も3つあります。ひとつ目は、日経平均が7万円と5日線を割り込み、2日続けてほぼ安値で引けたこと。ふたつ目は、TOPIXが25日線を下回り、RSIも50を割り込んで、市場全体の勢いが弱まっていること。三つ目は、FOMCの議事要旨で追加利上げの可能性が示され、中東情勢も緊張が続くなかで、SQと3連休という値動きが大きくなりやすい日程を迎えることです。

したがって本日の値動きから導かれる見立てはこうです——「金利高を嫌った欧米株安とTSMCの月次売上高をきっかけに、利益確定の売りが半導体以外にも広がり、日経平均は993円安と続落して7万円を割り込んだ。下げ幅の22%はソフトバンクG1銘柄によるもので、中長期の上昇の形は保っているが、短期の勢いは弱まった」。判別の材料は、日経平均が10月5日の窓の残りで下げ止まれるか、そして5日線と7万円を回復できるかの2点です。なお本節の見立てはあくまで本日までの数値から読める整理であり、将来の株価を予測するものではありません。

チャート

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