5連休明けの東京市場は、連休中の米ハイテク株高を一気に織り込むところから始まりました。日経平均は一時1,230円高の6万6,249円まで上昇し、終値は495円04銭高の6万5,513円99銭と4日続伸。終値で25日線を10営業日ぶりに回復しました。ただし高値からは735円押し戻され、TOPIXは15.84ポイント(0.39%)安の4,075.30と安値引け。ブレーキ役は金利です——米PMIの上振れで米10年債利回りが5.1%台へ上昇し、国内の新発10年債利回りも一時3.075%と約30年ぶりの高水準をつけました(株探)。上昇はアドバンテスト・イビデン・東京エレクトロンの3銘柄で516円と、上げ幅を上回る一方、リクルートHD1銘柄で136円押し下げ、東証プライムの値下がりは838銘柄と値上がり674銘柄を上回りました。
まず連休中に何が起きたかを整理します。東京市場が休んでいた9月21日(月)〜23日(水)に、米国市場は3営業日取引されました。半導体株指数SOXは21日に4.29%高、22日に2.06%高と続伸し、23日は1.23%安と反落して12,534.27。東京の前営業日にあたる18日の終値11,921.69からは、3日間で5.14%上昇しています。ナスダック総合は22日に27,244.28と最高値を更新した後、23日は1.13%安の26,936.04(18日比+1.56%)。一方でNYダウは23日に352.10ドル(0.68%)安の51,511.59ドルと、18日比では0.33%安でした。つまり連休中の米国は「半導体は大きく上昇、市場全体は横ばい」で、本日の東京市場もほぼ同じ形をなぞりました。
日経平均は前営業日終値より457円49銭高い6万5,476円44銭で寄り付き、アドバンテストやイビデンなど半導体・AI関連株への買いで上げ幅を広げ、高値は1,230円16銭高の6万6,249円11銭に達しました。しかし買いが一巡すると国内の長期金利上昇が嫌気され、終値は高値から735円12銭押し戻されています。ローソク足は実体わずか37円55銭の小さな陽線で、上ヒゲが735円12銭、下ヒゲは69円07銭。高値圏で売りに押された形を示す「長い上ヒゲ」です。日中値幅は841円74銭と、18日の1,032円72銭から18.5%縮小しました。本日の安値6万5,407円37銭も前営業日終値を388円42銭上回り、1日を通じてプラス圏でした。
主要マーケット指標
| 指標 | 数値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 65,513.99円 | +495.04円 (+0.76%) 4日続伸 |
| 日経平均 始値 / 高値 / 安値 | 65,476.44 / 66,249.11 / 65,407.37 | 高値は前営業日比+1,230.16円。安値も前営業日終値を388.42円上回った |
| 寄り付きのギャップ | +457.49円 (+0.70%) | 前営業日終値65,018.95円から上放れて始まった |
| ローソク足の形 | 実体37.55円の小陽線 | 上ヒゲ735.12円 / 下ヒゲ69.07円。高値から735円押し戻された |
| 日中値幅 | 841.74円 | 前営業日の1,032.72円から18.5%縮小 |
| TOPIX | 4,075.30 | -15.84 (-0.39%) 2日続落・安値引け |
| TOPIX 始値 / 高値 / 安値 | 4,097.06 / 4,109.97 / 4,075.30 | 高値は前営業日比+18.83だったが、終値が1日の安値 |
| TOPIXと日経平均の騰落率差 | 1.15ポイント | 日経平均+0.76%に対しTOPIX-0.39%。2営業日続けて日経平均が上回った |
| NT倍率 | 16.076倍 | 前営業日15.893倍から0.183上昇し16倍台に |
| 東証プライム 売買代金 | 約9兆2,038億円 | 前営業日の約10兆3,969億円から11.5%減 |
| 東証プライム 売買高 | 約24億9,306万株 | 前営業日の約28億6,228万株から12.9%減 |
| 1株あたり平均約定単価 | 約3,692円 | 前営業日の約3,632円から1.6%上昇 |
| 東証プライム 値上がり/値下がり | 674銘柄 / 838銘柄 | 変わらず42銘柄。値上がりは全体の約4割 |
| 日経平均225銘柄 値上がり/値下がり | 96銘柄 / 129銘柄 | 指数は495円高でも、225銘柄の57%が下落 |
| 東証33業種 上昇/下落 | 12業種 / 21業種 | 前営業日の7/26から上昇業種は5つ増えた |
| 業種別 上昇率1〜6位 | ゴム製品 +1.74% | 以下 精密機器+1.73%、電気機器+1.67%、ガラス・土石+1.50%、機械+1.34%、化学+1.15% |
| 業種別 下落率1〜7位 | サービス業 -4.61% | 以下 電気・ガス-3.33%、保険業-2.89%、海運業-2.45%、鉱業-2.21%、卸売業-2.00%、証券・商品-1.73% |
| 金利敏感株 | 銀行業 -1.66% | 長期金利が約30年ぶり高水準でも銀行・保険・証券はそろって下落 |
| 最大のプラス寄与 | アドバンテスト +243円77銭 | 1,010円(3.15%)高の3万3,060円 |
| プラス寄与 2〜5位 | イビデン +191円08銭 | 以下 東京エレクトロン+81円46銭、TDK+55円06銭、ソフトバンクG+29円77銭 |
| プラス寄与 上位5銘柄合計 | +601円14銭 | 上げ幅495.04円を106円上回る |
| プラス寄与 6〜10位 | ファナック +28円33銭 | 以下 日東電工+21円96銭、ファーストリテイリング+19円31銭、住友電気工業+16円09銭、SCREEN HD+13円27銭 |
| 最大のマイナス寄与 | リクルートHD -135円76銭 | 1,350円(7.78%)安の1万6,000円。1銘柄でマイナス寄与合計の32% |
| マイナス寄与 2〜5位 | 太陽誘電 -14円75銭 | 以下 伊藤忠商事-14円41銭、三菱商事-13円68銭、東京海上HD-13円48銭 |
| マイナス寄与 上位5銘柄合計 | -192円08銭 | うちリクルートHDが7割 |
| アドバンテスト+イビデン+東京エレクトロン | +516円31銭 | 3銘柄で上げ幅495.04円を上回る(104.3%) |
| 寄与度の合計 | +921円09銭 / -426円03銭 | 値上がり96銘柄と値下がり129銘柄の合計(株探)。差し引き+495円06銭で上げ幅と一致(差2銭は端数処理) |
| 売買代金トップ | キオクシアHD 約1兆5,477億円 | 10円(0.02%)高の5万4,580円でほぼ横ばい。2位ソフトバンクG約5,580億円、3位アドバンテスト約2,900億円、4位イビデン約2,773億円 |
| 東証プライム 値上がり率1位 | ソシオネクスト +15.00% | 2位イビデン+14.57%、3位ウシオ電機+10.44% |
| 東証プライム 値下がり率1位 | アドバンスクリエイト -19.54% | 2位東洋エンジニアリング-9.22%、3位リクルートHD-7.78% |
| ストップ高 / ストップ安 | 9銘柄 / 1銘柄 | 全市場・引け時点(一時・気配含む、株探) |
| 国内 新発10年債利回り | 一時3.075% | 約30年ぶりの高水準(株探) |
| 米ドル/円 | 158円42銭 | 16時24分時点の株探表示値。株探表示の前日比は+13銭の円安。18日の同時刻帯(157円06銭)からは1円36銭の円安 |
| NYダウ (9/23終値) | 51,511.59 | -352.10 (-0.68%)。18日終値比-0.33% |
| S&P 500 (9/23終値) | 7,706.03 | -58.61 (-0.75%)。18日終値比+0.73% |
| ナスダック総合 (9/23終値) | 26,936.04 | -308.24 (-1.13%)。22日に27,244.28で最高値更新。18日終値比+1.56% |
| SOX指数 (9/23終値) | 12,534.27 | -155.55 (-1.23%)。21日+4.29%・22日+2.06%。18日終値比+5.14% |
| 日経平均 5日線との位置 | +1.71% | 5日線 64,415.26。1,098円73銭上。3日連続で5日線の上 |
| 日経平均 25日線からの乖離 | +0.30% | 25日線 65,318.25。195円74銭上。終値で上回るのは10営業日ぶり |
| 日経平均 75日線との差 | -1,100.25円 (-1.65%) | 75日線 66,614.24。下回るのは8月21日から22営業日連続。高値では365円上回る場面も |
| 日経平均 200日線からの乖離 | +9.55% | 200日線 59,800.40。5,713円59銭上 |
| 日経平均 一目均衡表の雲 | 65,592.21 〜 66,640.32 | 終値は雲の下端を78円22銭下回り7営業日連続で雲の下。高値では雲の中に入った |
| 日経平均 転換線 / 基準線 | 64,487.65 / 65,975.88 | 転換線は1,026円34銭上。基準線は461円89銭下(基準線は前営業日の66,167.21から191円低下) |
| 日経平均 ボリンジャーバンド | -1σ 64,296.12 / +1σ 66,340.39 | 終値は中心線(25日線)を上回り、中心線と+1σの間に入った |
| 日経平均 RSI (14日) | 51.8 | 前営業日の49.0から2.8ポイント上昇し、中立の50を上回った |
| 日経平均 MACD / シグナル | -415.7 / -451.6 | ヒストグラムは+35.9でプラス転換。MACDがシグナルを上抜け(ゴールデンクロス) |
| 日経平均 52週高値からの距離 | -7,317.74円 (-10.05%) | 52週高値 72,831.73 (6/22)。前営業日の-10.73%から縮小 |
| 7月29日安値からの戻り | +5,065.09円 (+8.38%) | 直近安値 60,448.90 (7/29)。前営業日の+7.56%から拡大 |
| TOPIX 25日線 | 4,086.79 | 終値は11.49下。10営業日連続で下回った |
| TOPIX 5日線 / 75日線 | 4,071.90 / 4,038.93 | 5日線を3.40、75日線を36.37上回った。5日線とはほぼ同値 |
| TOPIX 転換線 / 基準線 | 4,040.22 / 4,087.17 | 転換線は35.08上。基準線は11.87下回り2営業日連続で下 |
| TOPIX 一目均衡表の雲 | 3,993.16 〜 4,045.01 | 終値は雲の上端を30.29上回り、雲の上を維持 |
| TOPIX RSI (14日) / MACD | 49.8 / -1.7 (シグナル0.9) | RSIは50をわずかに割り込んだ。ヒストグラムは-2.6で前営業日の-3.3からマイナス幅が縮小 |
| TOPIX 52週高値からの距離 | -145.01 (-3.44%) | 52週高値 4,220.31 (8/14)。前営業日の-3.06%から拡大 |
マクロ・地政学の視点
本日の最大のテーマは「金利」でした。株探によれば、前日23日に発表された9月の米購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回り、早期の米追加利上げ観測が強まるなかで、米国の10年債利回りが5.1%台に急上昇しました。前場の見通し記事(株探)は、米総合PMIの速報値が58.4と2021年7月以来の高水準だったこと、FRBのバー理事が講演で利上げの必要性に言及したことも伝えています。この流れが波及し、本日の国内債券市場では新発10年債利回りが一時3.075%と約30年ぶりの高水準をつけ、これが株式市場の上値を抑えました。
金利上昇は、どの株に効いたかで読むと分かりやすくなります。一般に金利が上がると、将来の利益への期待で買われている成長株や、借入の多い業種が売られやすくなります。本日の業種別で電気・ガスが-3.33%と下落率2位になったのは、その典型と読めます。ただし「金利上昇で利ざやが広がる」とされる銀行業も-1.66%、保険業も-2.89%と下落しました。18日の日銀利上げ時と同様、金利関連の好材料は既に株価に織り込まれていたとも考えられます。
為替は円安が続いています。ドル円は16時24分時点で158円42銭(株探)と、18日の同時刻帯(157円06銭)から1円36銭の円安。米金利の上昇がドル買いにつながった形です。ただし本日も円安は自動車株の追い風にならず、トヨタ自動車は1.85%安、輸送用機器は-0.88%でした。18日に続き、買いは「円安メリット」ではなく「半導体・AI」に集中しています。
もう1つの材料は米中首脳会談です。株探は、本日予定される米中首脳会談の内容を見極めたいとの見方も買い手控えにつながったと伝えています。会談の結果は東京市場の取引時間後に伝わるため、翌営業日の寄り付きに影響する可能性があります。
セクター・個別銘柄の動き
東証33業種のうち上昇は12業種、下落は21業種でした。上昇率の上位はゴム製品+1.74%、精密機器+1.73%、電気機器+1.67%、ガラス・土石+1.50%、機械+1.34%、化学+1.15%と、半導体・電子部品とその素材・装置に関わる業種が並びました。下落率の上位はサービス業-4.61%、電気・ガス-3.33%、保険業-2.89%、海運業-2.45%、鉱業-2.21%、卸売業-2.00%、証券・商品-1.73%です。サービス業の大幅安は、業種内で時価総額の大きいリクルートHDの7.78%安が大きく響いたとみられます。
日経平均を押し上げたのは、18日に続き半導体株です。プラス寄与トップはアドバンテストで、1,010円(3.15%)高の3万3,060円、寄与度+243円77銭。2位はイビデンで、2,850円(14.57%)高の2万2,405円、寄与度+191円08銭。財経新聞によれば、エヌビディアのフアンCEOが来日時にイビデンの社長と個別に会談し、「イビデンに頼るしかない」との趣旨の発言が報じられたことで、取引関係の強さが改めて意識されました。3位は東京エレクトロン(1.53%高、+81円46銭)で、この3銘柄だけで+516円31銭と、上げ幅495円04銭を上回ります。以下TDK(3.85%高、+55円06銭)、ソフトバンクG(0.59%高、+29円77銭)、ファナック(2.89%高、+28円33銭)、日東電工(3.87%高、+21円96銭)と続きました。
値上がり率では、ソシオネクストが300円(15.00%)高の2,300円で東証プライムの1位。株探は、外資系証券による空売りが高水準に積み上がっており、9月の中間期末を目前に買い戻しに拍車がかかったとの市場関係者の見方を紹介しています。3位のウシオ電機は10.44%高で、SBI証券が目標株価を5,700円から6,000円に引き上げました(財経新聞)。住友電気工業は120円(5.77%)高の2,200円50銭で4日続伸——22日にメタ・プラットフォームズ、NECと大西洋横断の光海底ケーブルシステムの構築に向けた協業を発表しています(株探)。18日に売買代金1兆8,189億円を集めたキオクシアHDは、本日は10円(0.02%)高とほぼ横ばいで、売買代金は約1兆5,477億円と引き続きトップながら、物色の中心はイビデンやソシオネクストなどに移りました。
半面、指数を最も押し下げたのはリクルートHDです。1,350円(7.78%)安の1万6,000円で、寄与度は-135円76銭。マイナス寄与の2位(太陽誘電、-14円75銭)の9倍超で、1銘柄でマイナス寄与合計-426円03銭の32%を占めました。執筆時点で下落理由を示す一次情報は確認できていません。太陽誘電は440円(4.69%)安で、東海東京インテリジェンス・ラボが投資判断を引き下げ、目標株価を1万9,900円から9,800円に下げたことが材料視されました(財経新聞)。商社株も安く、伊藤忠商事3.73%安、三菱商事2.75%安。東京海上HDは3.27%安、KDDIは0.95%安、トヨタ自動車は1.85%安、三菱UFJ FGは1.30%安でした。アドバンスクリエイトは19.54%安と東証プライムの値下がり率1位——過年度の広告取引などで不適切な会計処理の疑義があったとして、過年度決算の訂正と2026年9月期の最終損益予想の下方修正を発表しています(株探)。
中小型株では、連休中の暗号資産高を受けてメタプラネットが18.5%高。株探によれば、ビットコインは21日に一時8万7,000ドル台に乗せ、約8か月ぶりの高値水準になりました。データセクションは、米国拠点のAIインフラ企業からGPUサーバーの利用枠提供で年間1億7,520万ドルの受注予定を発表し17.2%高。ストップ高は全市場で9銘柄、ストップ安は1銘柄でした(いずれも株探)。
テクニカル分析
トレンドの位置
日経平均の終値6万5,513円99銭は、25日線を10営業日ぶりに上回りました。25日線は6万5,318円25銭で、終値はその195円74銭上(+0.30%)です。移動平均線とは過去一定期間の終値の平均で、5日線は直近1週間、25日線は約1か月、75日線は約3か月半、200日線は約10か月の平均コストを表します。18日には高値でも25日線に29円94銭届かなかったので、1歩前進です。5日線6万4,415円26銭は1,098円73銭下(+1.71%)。75日線は6万6,614円24銭で、本日の高値は一時これを365円上回りましたが、終値では1,100円25銭下(-1.65%)と、8月21日から22営業日連続で下回っています。200日線は5万9,800円40銭で終値の5,713円59銭下(+9.55%)と、長期の上昇基調は保っています。
一目均衡表では、「雲」の目前まで迫りました。一目均衡表の「雲」とは、過去の値動きから算出した2本の線に挟まれた帯で、株価がその中にあると方向感に乏しい、上にあれば強い、下にあれば弱いと読むのが一般的です。本日の雲は6万5,592円21銭〜6万6,640円32銭で、高値は雲の中に入りましたが、終値は下端を78円22銭下回り7営業日連続で雲の下。雲までの距離は18日の573円26銭から大きく縮まりました。転換線6万4,487円65銭は1,026円34銭上回る一方、基準線6万5,975円88銭は461円89銭下です。基準線は18日まで4営業日続いた6万6,167円21銭から191円33銭下がりました。
TOPIXは、日経平均と逆の位置にあります。終値4,075.30は25日線4,086.79を11.49下回り、10営業日連続で25日線の下。基準線4,087.17も2営業日連続で下回りました。一方で5日線4,071.90・転換線4,040.22・雲の上端4,045.01・75日線4,038.93はいずれも下にあり、中期の形は崩れていません。NT倍率は16.076倍と前営業日から0.183上昇し、16倍台に乗せました。NT倍率とは日経平均をTOPIXで割った値で、上昇は値がさの半導体株など一部の銘柄が指数を引っ張っていることを示します。
サポートとレジスタンス
日経平均の上値の関門は、まず雲の下端6万5,592円21銭です。翌営業日の雲の下端は6万5,632円45銭(計算値)へ小幅に切り上がります。その上に基準線6万5,975円88銭、本日の高値6万6,249円11銭、+1σ 6万6,340円39銭、75日線6万6,614円24銭、雲の上端6万6,640円32銭が並び、6万6,000円〜6万6,650円の約650円に節目が集まっています。ボリンジャーバンドとは移動平均線の上下に値動きのばらつき(標準偏差)の幅を加えた帯で、±2σの外に出るのは統計的に珍しい水準と読むのが一般的です。
下値の目安は、まず本日の安値6万5,407円37銭と25日線の6万5,318円25銭。本日の安値は18日の安値6万4,403円85銭を1,003円52銭上回り、9月14日の6万2,726円18銭を底に5営業日連続で安値を切り上げました。25日線を割り込むと、本日回復した「中期の平均コストの上」という位置を失います。その下は転換線6万4,487円65銭と5日線6万4,415円26銭です。
オシレーター
日経平均のRSI(14日)は51.8で、前営業日の49.0から2.8ポイント上昇し、中立の50を上回りました。RSIは直近14日間の値上がり幅と値下がり幅の比率を0〜100で表した指標で、一般に30以下が売られすぎ、70以上が買われすぎ、50が中立とされます。TOPIXのRSIは49.8と、50をわずかに割り込みました。
日経平均のMACDは-415.7、シグナルは-451.6で、MACDがシグナルを上抜けました(ゴールデンクロス)。MACDは短期と長期の移動平均の差を示す指標で、シグナル(MACDの平均線)を上抜けば買い、下抜けば売りのサインと読むのが一般的です。ヒストグラムは9月15日の-229.9を底に、-204.2→-160.1→-63.7→+35.9と4営業日連続で改善し、プラスに転じました。18日の記事で「もう一段上昇すれば買いサインが視野に入る」と書いた位置から、実際にサインが点灯した形です。ただしMACD自体はまだマイナス圏(ゼロより下)にあり、下落局面の中での戻りであることには変わりありません。TOPIXのヒストグラムは-2.6と前営業日の-3.3から縮小(MACD-1.7、シグナル0.9)しましたが、まだクロスしていません。
市場心理
本日の市場心理を一言で表すなら、「半導体への期待と金利への警戒の綱引き」です。連休中のSOX指数の5%上昇を受けて朝方は買いが先行し、日経平均は一時1,230円高。しかし国内長期金利が約30年ぶりの水準に上がると上値を追う動きは止まり、高値から735円押し戻されました。TOPIXは始値より上で推移した時間帯もありましたが、終値は1日の安値で、「大引けにかけて売りが優勢だった」ことを示しています。
売買代金は9兆2,038億円と、18日の10兆3,969億円から11.5%減りました。値上がり674銘柄に対し値下がり838銘柄、225銘柄でも値上がり96に対し値下がり129と、18日ほどの偏りではないものの、「指数は上がっても、多くの銘柄は下がった」構図は続いています。一方で上昇業種は7から12に増え、18日に比べると買いの対象はわずかに広がりました。
翌営業日の注目ポイント
翌営業日は9月25日(金)です。ひとつ目の焦点は、本日の取引終了後に伝わる米中首脳会談の結果と、今夜の米国市場の動きです。本日の日経平均はSOX指数の連休中の上昇をほぼ織り込んだ形で、ここからは新たな材料が必要になります。今夜のSOX指数が23日の反落(-1.23%)から立ち直るかどうかが、半導体株主導の上昇が続くかを左右するでしょう。
ふたつ目は、日米の長期金利です。米10年債利回りは5.1%台、国内の新発10年債利回りは一時3.075%と、いずれも高い水準にあります。金利がさらに上がれば、本日と同様に日経平均の上値を抑える要因になり得ます。なお9月末の配当・株主優待の権利付き最終日は9月28日(月)で、来週にかけて権利取りの買いと、権利落ちに向けた持ち高調整が交錯しやすい時期に入ります。
テクニカル面で25日(金)に確認したいのは2点です。日経平均は、本日回復した25日線6万5,318円25銭を維持し、翌営業日の雲の下端6万5,632円45銭(計算値)を終値で上抜けられるか。終値で雲の中に入れば8営業日ぶりになります。TOPIXは、25日線4,086.79と基準線4,087.17を終値で回復できるかが焦点で、日経平均だけでなくTOPIXも上がる「広がりのある上昇」に戻れるかを見たいところです。
戦略展望
本日の値動きから読み取れる前向きな点は3つあります。ひとつ目は、日経平均が終値で25日線を10営業日ぶりに回復したこと。ふたつ目は、MACDがシグナルを上抜け、RSIも50を上回るなど、オシレーターが上向きにそろってきたこと。三つ目は、9月14日を底に安値を5営業日連続で切り上げ、4日続伸で7月29日安値からの戻りが8.38%に広がったことです。
一方で、慎重に見るべき点も3つあります。ひとつ目は、高値から735円押し戻された長い上ヒゲで、雲と75日線が控える6万6,000円台では売りが出やすいことを示しています。ふたつ目は、上昇が3銘柄の寄与で上げ幅を上回るほど偏っており、TOPIXは安値引けで25日線を10営業日連続で下回っていること。三つ目は、日米の長期金利がそろって高い水準にあり、利上げ観測が株価の重しになり得ることです。
したがって本日の値動きから導かれる見立てはこうです——「日経平均は半導体主導で25日線を回復し、オシレーターも買い方向へ転じた。ただし雲と75日線が集まる6万5,600円〜6万6,650円は厚い節目で、長期金利の上昇がその突破を阻んでいる。上昇の広がりも限られる」。判別の材料は、日経平均が25日線を維持したまま雲の中へ入れるか、TOPIXが25日線・基準線を回復して上昇に広がりが出るかの2点です。なお本節の見立てはあくまで本日までの数値から読める整理であり、将来の株価を予測するものではありません。
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