サンデーダウと海外勢の地合い
週末のサンデーダウ(ダウ先物)は52,843ドル近辺で推移し、先週金曜の現物終値52,637.01ドルからおよそ+206ドル(+0.39%)の小幅高でスタートしています。金曜の米国市場はS&P500が7,575.39(+0.40%)、ナスダック総合が26,281.61(+0.30%)とそろって上昇し、決算シーズン入りを前に最高値圏を維持しました。
恐怖指数VIXは15.03(-5.11%)と一段と低下し、投資家心理はリスクオンに傾いています。米長期金利(10年債)は4.56%とインフレ警戒からやや上振れしていますが、株式のバリュエーションを大きく崩すほどの水準ではありません。全体として、海外勢の地合いは「強気を維持しつつも決算とCPIを見極めたい」という慎重な楽観に整理できます。月曜の東京市場は、この良好な地合いを引き継いでの堅調スタートが基本シナリオとなりそうです。
主要指標サマリー図
海外市場・為替・商品・金利の週末時点の状況を一覧にまとめました。

主要マーケット指標
| 指標 | 水準 | 変化 |
|---|---|---|
| サンデーダウ | 52,843ドル | +206ドル / +0.39% |
| S&P 500(金終値) | 7,575.39 | +0.40% |
| ナスダック総合(金終値) | 26,281.61 | +0.30% |
| VIX 恐怖指数 | 15.03 | -5.11% |
| USD/JPY | 161.61円 | -0.41%(円高) |
| WTI原油 | 71.2ドル/bbl | 週間 +3.5% |
| 金(XAU) | 4,120ドル/oz | 最高値圏で堅調 |
| 米10年債利回り | 4.56% | やや上昇 |
| ビットコイン | 64,154ドル | 6.4万ドル前後で横ばい |
| 日経225(金終値) | 68,557.73円 | +1.20% |
先週(7/6〜7/10)の振り返り
先週の東京市場は、週半ばにかけての利益確定売りを挟みつつも、金曜にかけて再びAI・半導体関連が主導する上昇となりました。日経平均は金曜に一時69,374円まで上げ幅を1,600円超に広げる場面もありましたが、ETFの分配金捻出に絡む換金売り観測から大引けにかけて伸び悩み、68,557.73円で着地しました。
原動力となったのは米半導体株高と、韓国KOSPIの急伸、そして片山さつき金融担当相による国内投資促進を巡る前向きな発言です。ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、アドバンテストといった値がさ半導体株が買われ、村田製作所やJX金属も堅調でした。米半導体大手の投資増額観測を背景にストップ高となる銘柄も出るなど、AIテーマへの資金回帰が鮮明になった一週間でした。
為替では、週の後半に円が対ドルで反発。片山金融相が国内年金基金による日本資産の積み増しを促す方針を示したことが円買いを誘い、一時161円台前半まで円高が進みました。円高は輸出関連にはやや逆風ながら、内需・ディフェンシブには追い風となり、物色の綱引きが続いています。
セクター別 週間騰落率(方向感)
※週末時点の物色動向をもとにした方向感の整理です。
| セクター | 週間の方向感 | コメント |
|---|---|---|
| 半導体・AI関連 | 強い(+) | SBG・東エレク・アドテスト主導。週間の相場牽引役 |
| 銀行 | 堅調(+) | 米銀行決算への期待と金利上振れが追い風 |
| 自動車・輸出 | やや軟調(-) | 円の強含みが重し。161円台の円高を嫌気 |
| 商社 | 堅調(+) | 原油高・資源高を背景に資源関連が下支え |
| J-REIT | 小幅高(+) | 長期金利の落ち着きで利回り妙味が再評価 |
週末の国際情勢ハイライト
| 項目 | リスクレベル | 状況・影響 |
|---|---|---|
| 中東(イラン・ホルムズ) | 高 | 商船攻撃と米CENTCOMの報復でホルムズ緊迫。原油高要因 |
| 米中通商 | 中 | 関税・半導体規制を巡る神経戦が継続 |
| ユーロ圏景気 | 中 | 景気の底這いが続き、追加緩和観測がくすぶる |
| 米Fed | 中 | FOMC議事要旨でインフレ高止まり警戒。CPI次第 |
| 日銀 | 低 | 当面は現状維持観測。要人発言に留意 |
| ウクライナ | 中 | ロシア領内への攻撃報道でリスクくすぶる |
中東:ホルムズ海峡の緊張が再燃
6月の覚書後に一度は沈静化したかに見えた中東情勢が再び緊迫しています。イランが7月6〜7日にかけて商船を含む複数の船舶を攻撃し、これを受けて米CENTCOMが7月9日にイランの軍事目標を攻撃、米政権はイランの原油販売許可を撤回しました。イラン革命防衛隊(IRGC)がヨルダンの米軍基地に弾道ミサイルを撃ち込むなど応酬が続き、WTI原油は週間で約3.5%上昇。石油業界からは在庫逼迫への警戒も出ており、原油高が世界的なインフレ再燃リスクとして意識されます。
米中:関税と半導体規制の神経戦
米中間では、追加関税や先端半導体の輸出規制を巡る駆け引きが続いています。決定的な悪化は避けられているものの、AI・半導体サプライチェーンに直結するテーマだけに、突発的なヘッドラインが東京市場の半導体株のボラティリティを高める要因となります。
ユーロ圏:景気の底這いと緩和観測
ユーロ圏では景気の停滞感が続いており、追加緩和観測がくすぶります。世界的な金融緩和期待はリスク資産の下支え要因ですが、景気減速そのものは輸出企業の需要面ではマイナスであり、評価は一様ではありません。
米Fed:CPIが利上げ観測の試金石
先のFOMC議事要旨ではインフレ高止まりへの警戒が示されました。7月14日発表の6月CPIがこの懸念を裏付ける内容となれば、利上げ観測が一段と強まり、米長期金利の上昇を通じてハイテク株に逆風が及ぶ可能性があります。逆に沈静化が確認されれば、株高に弾みがつく展開も想定されます。
日経平均 来週の想定レンジ図
先週金曜終値68,558円を起点に、7/13〜7/17の週の想定レンジを3シナリオで整理しました。

上値想定(70,300円):ハイテク主導の続伸シナリオ
サンデーダウの小幅高とVIXの低下が示す良好な地合いを引き継ぎ、AI・半導体株が引き続き相場を牽引するシナリオです。週半ばに予定される世界の半導体大手の決算が市場予想を上回れば、70,000円台回復から70,300円(+2.5%)方向への上値追いが視野に入ります。6月CPIがインフレ沈静化を示し、米銀行決算も良好なら、リスクオンが加速する展開が期待できます。
基本シナリオ(68,600円):CPI・決算待ちのもみ合い
最も蓋然性が高いのは、金曜終値近辺の68,000〜69,000円台での高値もみ合いです。地合いは良好ながら、7/14の6月CPIや米主要企業の決算を見極めたい投資家が多く、週前半は積極的な上値追いを手控える公算が大きいと見ます。円の強含みが輸出関連の重しとなる一方、内需・銀行が下支えし、指数としては方向感の乏しい展開になりやすいでしょう。
下値想定(66,500円):地政学・インフレ再燃の調整シナリオ
ホルムズ海峡の緊張激化で原油がさらに急騰し、インフレ再燃観測から米長期金利が上昇するようだと、高値圏のハイテク株に利益確定売りが広がる展開です。6月CPIが上振れした場合、利上げ観測の強まりと相まって66,500円(-3.0%)近辺までの調整もあり得ます。円高の進行が重なれば、輸出関連中心に下押し圧力が強まる点に注意が必要です。
来週の注目イベント
- 7/14(火) 米6月CPI:今週最大の焦点。インフレ高止まりか沈静化かでFRBの利上げ観測が大きく振れる。
- 7/15(水) 米6月PPI・ベージュブック:生産者物価と地区連銀経済報告で景気とインフレの実勢を確認。
- 7/16(木) 米6月小売売上高:個人消費の底堅さを測る重要指標。
- 7/17(金) ミシガン大学消費者態度指数(速報):期待インフレ率にも注目。
- 米銀行・主要企業決算:決算シーズン本格化。金融大手の内容が地合いを左右。
- 世界の半導体大手の決算:週半ばに予定。AI関連の続伸持続力を占う。
- 中東情勢(ホルムズ海峡):原油高と地政学リスクの波及に警戒。
戦略・スタンス
基本スタンスは「良好な地合いを活かしつつ、CPIと決算を見極める」バーベル戦略です。上振れ・下振れの両サイドに備え、値動きの性質が異なる資産を組み合わせて臨みます。
具体的には、①半導体・AI関連は押し目買いを基本としつつ、決算前の高値づかみは避ける。②自動車・輸出株は円高一服を確認してからの逆張り、③商社は原油高・資源高の恩恵を取りにいくディフェンシブ兼インフレヘッジ、④J-REITは長期金利の落ち着きを背景にインカム狙いで組み入れる、という四本柱です。CPIや地政学のヘッドライン次第でボラティリティが高まりやすい週だけに、キャッシュ比率にも一定の余裕を持たせ、下値想定66,500円に接近する局面を仕込みの好機と捉える構えが有効でしょう。
チャート(TradingView)
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S&P 500(FOREXCOM:SPXUSD)
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免責事項:本記事は情報提供のみを目的としたものであり、特定の銘柄や取引手法を推奨するものではありません。投資判断は読者ご自身の責任で行ってください。記載内容は執筆時点での公開情報をもとに作成しており、その正確性・完全性を保証するものではありません。投資には元本割れのリスクが伴います。


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