前日21日の米国市場は主要3指数がそろって上昇し、SOX指数も1.97%高でした。しかし引け後に決算を発表した米ラム・リサーチが時間外取引で7%超下落し、東京市場では半導体・AI関連株に売りが集中。日経平均は1,713円40銭安の6万2,907円84銭と大幅に反落し、この日の安値で引けました。終値で6万3,000円を下回るのは7月30日以来、約3カ月ぶりです。アドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄だけで約805円押し下げています。TOPIXも46.23ポイント安の3,997.50と4,000の節目を割りましたが、東証プライムの値下がりは821銘柄(52.9%)にとどまり、プログラミング言語「PHP」の重大な欠陥を受けてセキュリティー関連株が軒並み高となりました。
本日の相場概況
まず21日(水)の米国市場を確認します。NYダウは360.21ドル(0.68%)高の52,856.09ドルと続伸、S&P500は44.60ポイント(0.57%)高の7,757.17、ナスダック総合は278.04ポイント(1.05%)高の26,702.85と反発しました。半導体株指数SOXは221.74ポイント(1.97%)高の11,505.56と反発しています(4指数とも株探・米国株の確定値)。株探掲載のフィスコ記事によれば、スペースXの好決算でAIへの懸念が後退し、原油安も好感されました。ただ米国務省が中東湾岸地域の大使館職員らに退避命令を準備しているとの報道が伝わると、対イラン攻撃の再開が警戒されて原油が上昇に転じ、相場は一時失速しています。
日経平均は81円88銭安の6万4,539円36銭で寄り付き、直後には一時プラス圏に浮上して6万4,866円44銭(前日比245円20銭高)の高値を付けました。しかし上値は重く、半導体製造装置やAI関連の値がさ株に売りが広がり、前場の終盤には6万4,000円を割り込みます(株探掲載のフィスコ記事)。後場は韓国株や米株価指数先物の下落、時間外で強含む原油を横目に一段安となり、大引け前には下げ幅が1,700円を超え、そのまま安値引けとなりました(株探)。株探の大引け記事は、日本株は前日の時点でスペースXの好決算を織り込んで上げていたため、きょうは利益確定の動きが表に出たと伝えています。フィスコは、メタ・プラットフォームズのザッカーバーグCEOが決算説明会でAIエージェントへの投資の本格的な収益化は来年以降との見通しを示したと伝わったことや、テスラが時間外で売られたことも、AI関連株の売りに拍車をかけたとしています。
主要マーケット指標
| 指標 | 数値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 62,907.84円 | -1,713.40円 (-2.65%) 大幅反落・安値引け |
| 日経平均 始値 / 高値 / 安値 | 64,539.36 / 64,866.44 / 62,907.84 | 高値は前日比+245.20円。安値=終値 |
| 寄り付きのギャップ | -81.88円 (-0.13%) | 小幅安で始まり、直後に一時プラス圏 |
| ローソク足の形 | 実体1,631.52円の陰線 | 上ヒゲ327.08円 / 下ヒゲなし(安値引け) |
| 日中値幅 | 1,958.60円 | 前日の846.03円から2倍強に拡大 |
| 終値の水準 | 7月30日以来の安値 | 終値で6万3,000円を下回るのは約3カ月ぶり(株探) |
| TOPIX | 3,997.50 | -46.23 (-1.14%) 反落・4,000割れ |
| TOPIX 始値 / 高値 / 安値 | 4,047.39 / 4,073.13 / 3,989.26 | 実体49.89の陰線。高値は前日終値を29.40上回った |
| NT倍率 | 15.737倍 | 前日15.981倍から-0.244。日経平均の下げがTOPIXより大きい |
| 東証プライム 売買代金 | 約7兆569億円 | 前日の約6兆9,265億円から1.9%増。4日ぶりに7兆円台 |
| 東証プライム 売買高 | 約21億9,167万株 | 前日の約21億7,903万株から0.6%増 |
| 1株あたり平均約定単価 | 約3,220円 | 前日の約3,179円から上昇 |
| 東証プライム 値上がり/値下がり | 684銘柄 / 821銘柄 | 変わらず48銘柄。値下がりは全体の52.9%。前日は982/521 |
| 日経平均225銘柄 値上がり/値下がり | 81銘柄 / 141銘柄 | 変わらず3銘柄。前日は152/71 |
| 東証33業種 上昇/下落 | 13業種 / 20業種 | 前日は24/9 |
| 業種別 上昇率1〜5位 | 鉱業 +2.56% | 以下 保険業+1.30%、サービス業+1.23%、空運業+1.15%、陸運業+1.14% |
| 業種別 下落率1〜5位 | 非鉄金属 -5.35% | 以下 ガラス・土石製品-2.99%、電気機器-2.54%、機械-2.31%、金属製品-2.16% |
| 最大のマイナス寄与 | アドバンテスト -446円60銭 | 6.01%安の32,370円。2位東京エレクトロン-359円02銭(6.99%安) |
| マイナス寄与 3〜5位 | ソフトバンクG -256円47銭 | 以下 イビデン-121円63銭、キオクシアHD-64円77銭。上位5銘柄合計-1,248円49銭 |
| 最大のプラス寄与 | リクルートHD +33円37銭 | 1.75%高の19,175円。2位トレンドマイクロ+19円72銭(8.69%高) |
| プラス寄与 3〜5位 | ベイカレント +13円99銭 | 以下 ソニーG+11円63銭、中外製薬+10円42銭。上位5銘柄合計+89円13銭 |
| 寄与度の合計 | +186円27銭 / -1,899円67銭 | 差し引き-1,713円40銭で下げ幅と一致(株探掲載のフィスコ記事) |
| 売買代金トップ | キオクシアHD 約7,595億円 | 2位アドバンテスト約4,639億円、3位太陽誘電約3,618億円、4位ソフトバンクG約2,282億円、5位東京エレクトロン約1,859億円 |
| 東証プライム 値上がり率1位 | HENNGE +14.50% | 2位トレンドマイクロ+8.69%、3位SHIFT+8.57%、4位セグエG+7.46%、5位ベクトル+6.91% |
| 東証プライム 値下がり率1位 | レゾナックHD -11.16% | 2位WSCOPE-10.00%、3位メイコー-9.79%、4位ハーモニック-9.55%、5位Vテク-9.50% |
| ストップ高 / ストップ安 | 14銘柄 / 0銘柄 | 全市場・引け時点(ETF/REIT除く)。一時ストップ高を含めると22銘柄。BCCは一時ストップ安 |
| 東証グロース市場250指数 | 753.27 | -13.42 (-1.75%) 大幅反落(株探掲載のフィスコ記事) |
| 米ドル/円 | 157円20〜30銭 | 17時時点(株探掲載のフィスコ記事)。朝方の158円25銭から円高が進み、夕方は156円82銭まで |
| 日経平均VI | 35.97 | +5.12 (+16.60%)。取引時間中は38.72まで上昇(株探掲載のフィスコ記事) |
| 東証プライム 騰落レシオ(25日) | 109.35% | 前日107.40%から上昇。100%が中立の目安(株探) |
| NYダウ (10/21終値) | 52,856.09 | +360.21 (+0.68%) 続伸 |
| S&P 500 (10/21終値) | 7,757.17 | +44.60 (+0.57%) 続伸 |
| ナスダック総合 (10/21終値) | 26,702.85 | +278.04 (+1.05%) 反発 |
| SOX指数 (10/21終値) | 11,505.56 | +221.74 (+1.97%) 反発 |
| 米株価指数先物 (日本時間16時02分) | ナスダック100先物 29,526.00 | -481.00 (-1.60%)。S&P500先物-0.88%、ダウ先物-0.49%(株探) |
| 韓国KOSPI / 上海総合 | 5,533.77 / 3,658.03 | -201.89 (-3.52%) / -55.00 (-1.48%)(株探) |
| 日経平均 5日線からの乖離 | -2.27% | 5日線 64,369.10。1,461円26銭下(前日は-0.08%) |
| 日経平均 25日線からの乖離 | -5.14% | 25日線 66,313.80。3,405円96銭下(前日は-2.62%) |
| 日経平均 75日線からの乖離 | -4.95% | 75日線 66,185.60。3,277円76銭下(前日は-2.51%) |
| 日経平均 200日線からの乖離 | +2.45% | 200日線 61,403.65。1,504円19銭上(前日は+5.35%) |
| 日経平均 一目均衡表の雲 | 65,704.34 〜 66,205.62 | 終値は雲の下端を2,796円50銭下回る |
| 日経平均 転換線 / 基準線 | 66,025.65 / 66,762.40 | 終値は転換線を3,117円81銭、基準線を3,854円56銭下回る |
| 日経平均 ボリンジャーバンド | -1σ 64,016.66 / -2σ 61,719.52 | 終値は-1σを1,108円82銭下回り、-2σまで1,188円32銭 |
| 日経平均 RSI (14日) | 36.6 | 前日の42.2から5.6ポイント低下 |
| 日経平均 MACD / シグナル | -494.9 / 115.1 | MACDは前日-256.8から低下。ヒストグラムは-524.4から-610.0へ拡大 |
| 日経平均 52週高値からの距離 | -9,923.89円 (-13.63%) | 52週高値 72,831.73 (6/22)。前日は-11.27% |
| TOPIX 5日線 / 25日線 | 4,036.78 / 4,084.04 | 終値は5日線を39.28、25日線を86.54下回る |
| TOPIX 75日線 / 200日線 | 4,069.48 / 3,869.76 | 終値は75日線の-1.77%、200日線の+3.30% |
| TOPIX 一目均衡表の雲 | 4,039.72 〜 4,087.88 | 終値は雲の下(下端から-42.22)。前日は雲の中 |
| TOPIX RSI (14日) / MACD | 42.1 / -16.6 (シグナル-4.5) | RSIは前日46.1から低下。MACDのヒストグラムは-10.3から-12.1へ拡大 |
| TOPIX 52週高値からの距離 | -222.81 (-5.28%) | 52週高値 4,220.31 (8/14・取引時間中)。前日は-4.18% |
マクロ・地政学の視点
本日の急落のきっかけは、米国の半導体・AI関連企業の決算に対する市場の受け止めです。株探によれば、半導体製造装置大手ラム・リサーチの7〜9月期決算は売上高が前年同期比5割増、営業利益が8割近い増益と好決算でしたが、10〜12月期の売上高見通しが市場予想並みにとどまり、時間外取引で株価は7%超下落しました。メタ・プラットフォームズの7〜9月期は売上高が26.1%増の646億ドルと市場予想を上回り、時間外で上昇したものの、東京市場ではAI・半導体関連株やデータセンター関連株への買いを呼ぶには至りませんでした(株探)。株探の「明日の株式相場に向けて」は、国内の運用会社の声として「両社とも決算はポジティブな内容だったが、コアウィーブが発端となった信用不安を払拭するまでには至らなかった」と伝えています。
同記事は、韓国・台湾の株価指数も日経平均と同じような右肩下がりの売られ方だったとして、順張り型で機械的に売買するCTA(商品投資顧問業者)が売りを主導したとの見方を紹介しています。実際、韓国KOSPIは3.52%安、上海総合指数は1.48%安で、日本時間16時すぎにはナスダック100先物が1.60%安まで下げていました(株探)。
中東情勢も重荷でした。株探によれば、米国はサウジアラビアにある大使館の一部職員に退避命令を出し、米紙ニューヨーク・タイムズは米国がイスラエルとともにイランへの攻撃再開に向けた計画を策定していると報じました。WTI原油先物は21日に1バレル=97ドル台まで下げた後、22日の時間外では99ドル台に戻しています(米国ヤフー・ファイナンス、日本時間夕方時点)。為替は円高が進みました。フィスコによれば、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が後退してドル売りが先行し、午後はアジア株の急落でリスク回避の円買いが強まり、ドル円は朝方の158円25銭から夕方には156円82銭まで下げました。17時時点は157円20〜30銭です。
もう一つの話題は、プログラミング言語「PHP」に見つかった重大な欠陥です。株探によれば、ウェブサイトやサービスを停止する企業が相次ぎ、欧州では政府系サイトを遮断する動きも広がりました。日本時間21日深夜に修正プログラムが公表されましたが、それに先立って高市早苗首相がSNSで対応を「大至急のお願い」と呼びかける異例の事態となっています(株探)。この問題はセキュリティー関連株の買い材料になった一方、東証グロース市場の先物では「PHPショック」として売り材料視されたとフィスコは伝えています。
セクター・個別銘柄の動き
東証33業種のうち上昇は13業種、下落は20業種でした。下落率の上位は非鉄金属-5.35%、ガラス・土石製品-2.99%、電気機器-2.54%、機械-2.31%、金属製品-2.16%。上昇率の上位は鉱業+2.56%、保険業+1.30%、サービス業+1.23%、空運業+1.15%、陸運業+1.14%です。半導体・電子部品とAI関連の電線株が売られ、資源・保険・内需株に資金が移る形になりました。前日に買い戻された銀行業も-2.11%と下げています。
日経平均を最も押し下げたのはアドバンテストで、6.01%安の32,370円、寄与度-446円60銭。東京エレクトロン(-6.99%、-359円02銭)、ソフトバンクG(-6.86%、-256円47銭)、イビデン(-9.49%、-121円63銭)、キオクシアHD(-6.77%、-64円77銭)が続きました。マイナス寄与の上位5銘柄で-1,248円49銭と、下げ幅1,713円40銭の約73%にあたります。TDK(-61円69銭)、フジクラ(-54円41銭)、ファーストリテイリング(-41円26銭)、レーザーテック(-33円98銭)、ファナック(-33円54銭)も下げました。SCREEN HD(-8.8%)、KOKUSAI ELECTRIC、タツモなど半導体製造装置株は、ラム・リサーチの株価下落が重荷になったと株探は伝えています。東証プライムの値下がり率1位のレゾナックHD(-11.16%)など、半導体材料・電子部品株の下げも目立ちました(レゾナックの個別の材料は確認できず)。
日経平均を最も押し上げたのはリクルートHDで、1.75%高の19,175円、寄与度+33円37銭。トレンドマイクロ(+8.69%、+19円72銭)、ベイカレント(+3.76%、+13円99銭)、ソニーG(+1.72%、+11円63銭)、中外製薬(+1.58%、+10円42銭)が続きました。トレンドマイクロはPHPの脆弱性発見でサイバーセキュリティー関連株がにぎわう中で大幅に続伸しました(株探掲載のフィスコ記事)。野村総合研究所(+3.40%)は、米IBMの好決算も刺激に、富士通やNECとともに情報サービス株として買われています(同)。中外製薬は、属するロシュ・グループの1〜9月の販売実績で日本の医薬品売上高が25%増だったことが支えになりました(株探)。
東証プライムの値上がり率1位はHENNGEで14.50%高(個別の材料は株探の見出しでは確認できず)。3位のSHIFT(+8.57%)は、SBI証券が目標株価を2,400円から2,700円に引き上げたことが好感されました(株探)。6位のトーカイ(+6.58%)は15時ごろに今期の業績予想を引き上げ、営業減益予想から一転して増益を見込み、期末配当も9円増額しています(株探)。
値下がりでは、Terra Drone(-9.0%)がロシア外務省からウクライナへのドローン販売を「敵対的」と警告されたとの報道で売られ、デジタルアーツ(-8.1%)はクラウドサービスへの不正アクセスの痕跡を発表して下げました(株探)。日産自動車(-2.6%)はMSCI指数からの除外候補に挙げられたことなどから4日続落し、2009年以来の安値圏です(株探)。
ストップ高・ストップ安
本日のストップ高は引け時点で全市場14銘柄、引け時点のストップ安はありませんでした(ETF/REIT除く。一時ストップ高を含めると22銘柄)。前日にストップ安だったBCCは一時ストップ安まで売られ、19.00%安で終えています。目立ったのは、PHPの重大な欠陥をきっかけにしたサイバーセキュリティー関連株の一斉高です。株探の集計で一時を含む22銘柄のうち、13銘柄の主な株式テーマが情報セキュリティ関連またはサイバーセキュリティ関連でした。
| 銘柄(コード) | 市場 | 終値(円) | 騰落率(%) | PTS終値比(%) | 材料 |
|---|---|---|---|---|---|
| ハイブリッドテクノロジーズ(4260) | 東証グロース | 317 | +33.76 | +23.44 | ストップ高。株探のテーマは人工知能関連。個別の材料は確認できず |
| GMOプライム・ストラテジー(5250) | 東証スタンダード | 1,399 | +27.30 | +20.09 | ストップ高。PHPの重大欠陥で、「ワードプレス」のセキュリティー運用自動化サービスを持つ同社に資金流入(株探) |
| サイバートラスト(4498) | 東証グロース | 2,560 | +24.27 | +6.06 | ストップ高。2日連続。PHP問題でセキュリティー関連に資金(株探)。15時30分に電子署名サービスの採用を開示 |
| S&J(5599) | 東証グロース | 2,060 | +24.10 | +2.38 | ストップ高。サイバーセキュリティ関連。PHP問題で急騰(株探) |
| GRCS(9250) | 東証グロース | 1,649 | +22.24 | +0.06 | ストップ高。2日連続。脆弱性情報配信サービス「脆弱性TODAY」の導入支援キャンペーンを発表(株探) |
| サイバーセキュリティクラウド(4493) | 東証グロース | 3,865 | +22.12 | +4.50 | ストップ高。サイバーセキュリティ関連(株探) |
| ショーケース(3909) | 東証スタンダード | 875 | +20.69 | +8.57 | ストップ高。2日連続。12時30分ごろAIフュージョンキャピタルGが同社の本人確認サービスの販売契約を発表(株探) |
| ブロードバンドセキュリティ(4398) | 東証スタンダード | 2,958 | +20.34 | +2.10 | ストップ高。情報セキュリティ関連。PHP問題で急騰(株探) |
| ユビキタスAI(3858) | 東証スタンダード | 600 | +20.00 | +16.67 | ストップ高(比例配分)。2日連続。14万7,600株の買い注文を残す(株探) |
| バルテス・ホールディングス(4442) | 東証グロース | 544 | +17.24 | +1.84 | ストップ高。情報セキュリティ関連。19日に「セキュリティ品質テスト」の提供開始を発表(株探) |
| アズジェント(4288) | 東証スタンダード | 718 | +16.18 | +1.67 | ストップ高。株探のテーマは情報セキュリティ関連。個別の材料は確認できず |
| アクリート(4395) | 東証グロース | 1,082 | +16.09 | +4.62 | ストップ高。2日連続。200日線を上抜けて先高期待(株探掲載のフィスコ記事) |
| セキュアヴェイル(3042) | 東証スタンダード | 1,100 | +15.79 | +20.45 | ストップ高(比例配分)。2日連続。9万8,400株の買い注文を残す(株探) |
| SIGグループ(4386) | 東証スタンダード | 1,116 | +15.53 | +0.45 | ストップ高。株探のテーマは情報セキュリティ関連。個別の材料は確認できず |
| UEX(9888) | 東証スタンダード | 1,477 | +24.96 | -0.47 | 一時ストップ高。14時に今期の業績予想を上方修正(営業利益29億〜33億円へ)(株探) |
| TWOSTONE&Sons(7352) | 東証グロース | 517 | +16.18 | -3.00 | 一時ストップ高。大塚商会子会社と共同でサイバーセキュリティー対策支援を推進と発表(株探) |
| テリロジーHD(5133) | 東証スタンダード | 590 | +15.91 | -2.37 | 一時ストップ高。20日にサイバーセキュリティ相談窓口の開設を発表。21日夕に子会社の不正アクセスによる情報漏えいの可能性も開示 |
| ZenmuTech(338A) | 東証グロース | 4,760 | +14.84 | -2.93 | 一時ストップ高。株探のテーマは情報セキュリティ関連。個別の材料は確認できず |
| ジィ・シィ企画(4073) | 東証グロース | 630 | +11.90 | 未約定 | 一時ストップ高。材料は確認できず |
| インタートレード(3747) | 東証スタンダード | 504 | +6.55 | ±0.00 | 一時ストップ高。株探のテーマは仮想通貨関連。個別の材料は確認できず |
| クラスターテクノロジー(4240) | 東証スタンダード | 719 | +2.86 | -0.14 | 一時ストップ高。材料は確認できず |
| デジタリフト(9244) | 東証グロース | 1,279 | -20.06 | -0.63 | 一時ストップ高のあと急落し、東証グロース市場の値下がり率1位。材料は確認できず |
| BCC(7376) | 東証グロース | 597 | -19.00 | 未約定 | 一時ストップ安。前日に続く売り(株探)。材料は確認できず |
引け時点でストップ高だった14銘柄のうち、ハイブリッドテクノロジーズを除く13銘柄はセキュリティー関連です。前日からの連続ストップ高はサイバートラスト、GRCS、ショーケース、ユビキタスAI、アクリート、セキュアヴェイルの6銘柄で、セキュアヴェイルとユビキタスAIは取引時間中に売買が成立せず、大引けに比例配分となりました(株探)。一方でデジタリフトは一時ストップ高から20.06%安へ急変するなど、値動きは荒くなっています。東証グロース市場250指数は1.75%安と、セキュリティー株の一斉高でも全体は下げました。
PTS(私設取引システム)の値は、10月22日17時12分〜17時34分の取得時点に付いていた直近の価格です。ハイブリッドテクノロジーズ(+23.44%)、セキュアヴェイル(+20.45%)、GMOプライム・ストラテジー(+20.09%)、ユビキタスAI(+16.67%)はPTSでも終値を大きく上回りました。PTSは夜間の参考値で、翌営業日の始値を保証しません。
主要銘柄の決算と決算後のPTS
株探の決算速報によれば、本日は19社が決算や業績予想の修正を発表しました。東証プライムかつ時価総額1,000億円以上はディスコと関東電化工業の2社だけだったため、REITを含めて時価総額の大きい順に8社を下の表にまとめます。決算の要点は株探の見出しの範囲で記載しており、PTSは16時30分以降に付いた価格のみを「決算後のPTS」としています。
| 銘柄(コード) | 時価総額(億円) | 決算の要点(株探の見出し) | 終値(円) | PTS(円) | PTS終値比(%) |
|---|---|---|---|---|---|
| ディスコ(6146) | 55,597 | 上期経常は44%増益で着地、上期配当を15円増額(16時発表) | 51,230 | 51,000 | -0.45 |
| オリックス不動産投資法人(8954) | 4,891 | 今期経常は14%減益へ | 88,600 | 未約定 | — |
| GMOフィナンシャルHD(7177) | 1,370 | 期末配当を5.78円増額 | 1,122 | 1,189 | +5.97 |
| 関東電化工業(4047) | 1,118 | 今期経常を28%上方修正・4期ぶり最高益更新へ | 1,943 | 2,160 | +11.17 |
| 明星工業(1976) | 948 | 上期経常を一転7%減益に下方修正 | 1,720 | 未約定 | — |
| トーカイ(9729) | 927 | 今期経常を一転6%増益に上方修正・最高益、配当も9円増額(15時発表) | 2,801 | 2,850 | +1.75 |
| ブロンコビリー(3091) | 888 | 1-9月期(3Q累計)経常が44%増益で着地・7-9月期も30%増益 | 2,943 | 3,010 | +2.28 |
| コロナ(5909) | 276 | 上期経常を赤字拡大に下方修正 | 941 | 未約定 | — |
最大の注目はディスコです。株探によれば、9月中間期の売上高は2,570億5,800万円(前年同期比32.1%増)、営業利益は1,166億3,900万円(同47.9%増)で、中間配当は従来予想から15円増額の186円に引き上げました。業績予想は1四半期先までの開示で、4〜12月期は売上高3,895億円(同28.2%増)、営業利益1,747億円(同38.4%増)を見込み、生成AI向けの旺盛な需要を背景に装置・消耗品とも出荷の拡大が続くとしています。株価は半導体株安の中で4.37%安の51,230円で終え、決算後のPTSは0.45%安と小動きでした。
関東電化工業は今期の経常利益見通しを28%引き上げ、4期ぶりの最高益更新を見込んだことで、PTSは11.17%高でした(株探の見出しによる)。本日の株価は6.81%安と大きく下げていたところからの切り返しです。GMOフィナンシャルHDも期末配当の増額でPTSは5.97%高となりました。オリックス不動産投資法人、明星工業、コロナは16時30分以降のPTSで約定がありませんでした。表の8社以外では、決算後のPTSが±5%以上動いた銘柄はありませんでした。PTSの価格は10月22日17時00分〜17時31分の取得値です。PTSは夜間の参考値で、翌営業日の始値を保証しません。
テクニカル分析
トレンドの位置
日経平均は大幅に反落し、終値6万2,907円84銭は5日線6万4,369円10銭を1,461円26銭(-2.27%)下回りました。移動平均線とは過去一定期間の終値の平均で、5日線は直近1週間、25日線は約1か月、75日線は約3か月半、200日線は約10か月の平均コストを表します。25日線6万6,313円80銭(-5.14%)と75日線6万6,185円60銭(-4.95%)とは3,300〜3,400円の開きとなり、両線とも下向きです。200日線6万1,403円65銭との差は1,504円19銭(+2.45%)まで縮まり、前日の+5.35%から大きく近づきました。
一目均衡表では、終値は雲の下にあり、離れ方が広がりました。一目均衡表の「雲」とは、過去の値動きから算出した2本の線に挟まれた帯で、株価がその中にあると方向感に乏しい、上にあれば強い、下にあれば弱いと読むのが一般的です。雲は6万5,704円34銭〜6万6,205円62銭で、終値は雲の下端を2,796円50銭下回りました。転換線6万6,025円65銭、基準線6万6,762円40銭も3,000円以上上にあります。
ローソク足は小幅安で始まり、実体1,631円52銭の大きな陰線になりました。上ヒゲは327円08銭で、下ヒゲはありません。安値で引ける大陰線は、最後まで売りが優勢だったことを示す形とされます。日中値幅は1,958円60銭と前日の2倍強に広がりました。TOPIXは3,997.50で、前日に戻った雲(4,039.72〜4,087.88)の下に再び沈み、5日線4,036.78も下回りました。NT倍率は15.737倍と前日の15.981倍から0.244下がり、値がさの半導体株が多い日経平均の下げがTOPIXより大きかったことを示しています。
サポートとレジスタンス
日経平均の下値の目安は、まず9月14日の安値6万2,726円18銭です。終値からの距離は181円66銭しかなく、フィスコも下値のめどとしてこの水準を挙げています。その下にはボリンジャーバンドの-2σ 6万1,719円52銭と200日線6万1,403円65銭が並び、さらに下では7月29日の安値6万448円が意識されるとフィスコは伝えています。
上値の目安は、まず6万3,000円の節目とボリンジャーバンドの-1σ(6万4,016円66銭)です。その上に5日線6万4,369円10銭、本日の高値6万4,866円44銭があります。さらに上の雲の下端6万5,704円34銭から基準線6万6,762円40銭までの6万5,700〜6万6,800円には、雲・転換線・75日線・25日線・基準線が集中しており、戻りを抑えやすい価格帯です。
オシレーター
日経平均のRSI(14日)は36.6で、前日の42.2から5.6ポイント下がりました。RSIは直近14日間の値上がり幅と値下がり幅の比率を0〜100で表した指標で、一般に30以下が売られすぎ、70以上が買われすぎ、50が中立とされます。株探によれば、ストキャスティクス(9日)はFastが5.60、Slowが9.64と、ゼロに近い水準です。直近9日間の安値で引けたため、短期の指標は売られすぎの領域に入っています。
日経平均のMACDは-494.9、シグナルは115.1で、ヒストグラムは-610.0。MACDは短期と長期の移動平均の差を示す指標で、シグナル(MACDの平均線)を上抜けば買い、下抜けば売りのサインと読むのが一般的です。MACDは前日の-256.8からさらに下がり、ヒストグラムも-524.4から-610.0へ広がりました。下向きの勢いは再び強まっています。騰落レシオ(25日)は109.35%と前日の107.40%から上がり(株探)、値下がり銘柄が全体の5割程度にとどまったことを映しています。日経VIは35.97と5.12上昇しました(株探掲載のフィスコ記事)。
市場心理
本日の市場心理を一言で表すなら、「指数は崩れたが、市場全体は投げ売りになっていない一日」です。日経平均は1,713円安と大きく下げましたが、東証プライムの値下がりは821銘柄(52.9%)、上昇も13業種あり、下げの約73%はマイナス寄与上位5銘柄によるものでした。売買代金は7兆569億円と4日ぶりに7兆円を上回り、売りの勢いを映しています。一方、日経VIは35.97と警戒水準まで上がり、恐怖感は強まっています。
株探の「明日の株式相場に向けて」は、米CNNの「恐怖と強欲指数」が19日に「極端な恐怖」の21まで下がった後、21日時点では29と「恐怖」の域で下げ止まっていると紹介しています。同記事は、米国で悲観ムードが後退すれば時間差で東京市場にも好影響が及び、日経平均の底入れと6万〜7万円のレンジ相場の継続が見えてくるとの見方を示しました。ただ株探が伝えた10月第2週(13〜16日)の投資部門別売買動向では、海外投資家が3,654億円の売り越しと3週ぶりの売り越しに転じ、個人は2,192億円の買い越しでした。下値で個人が買い、海外勢が売る構図が続くかに注意が必要です。
翌営業日の注目ポイント
翌営業日は10月23日(金)です。まず寄り付き前に9月の全国消費者物価指数(CPI)が発表されます(株探)。29〜30日の日銀金融政策決定会合を前に、円相場の思惑につながる指標です。取引時間中には9月の全国スーパー売上高と百貨店売上高、企業決算では東京製鐵などが予定され、引け後にはファナックが4〜9月期決算を発表します(株探)。海外ではドイツ・ユーロ圏・米国の10月の製造業・サービス業PMIが発表され、今晩は米国の新規失業保険申請件数が出ます(株探)。
株探によれば、22日17時の日経225先物の夜間取引は日中の清算値6万3,200円から200円安の6万3,000円で寄り付きました。夜間の米国市場でナスダックなどハイテク株が時間外の下げを引き継ぐか、ラム・リサーチやテスラの株価がどこで落ち着くかが、23日の東京の半導体株を左右しそうです。中東では、米大使館職員の退避準備やイラン攻撃再開の報道を受けた原油価格の動き、27日のイスラエル総選挙にも注意が必要です(株探)。
テクニカル面で10月23日(金)に確認したいのは2点です。日経平均は、9月14日の安値6万2,726円18銭を守れるか。割り込めば、200日線6万1,403円65銭と-2σ(6万1,719円52銭)が次の目安になります。上では、6万3,000円と-1σ(6万4,016円66銭)を回復できるかが焦点です。TOPIXは4,000の節目を終値で取り戻し、雲の下端4,039.72に近づけるかに注目です。
戦略展望
本日の値動きから読み取れる前向きな点は3つあります。ひとつ目は、日経平均が1,713円下げても、東証プライムの値下がり銘柄は52.9%にとどまったこと。ふたつ目は、鉱業・保険・サービス・陸運など内需やディフェンシブの業種が上がり、資金が市場の外へ逃げずに中で移ったこと。三つ目は、RSIが36.6、ストキャスティクスがゼロ近くまで下がり、短期の売られすぎが強まっていることです。
一方で、慎重な点も3つあります。ひとつ目は、下ヒゲのない大陰線の安値引けで、終値が約3カ月ぶりの安値になったこと。ふたつ目は、MACDのヒストグラムが再び広がり、25日線・75日線・雲との距離も開いて下向きの形が強まったこと。三つ目は、ラム・リサーチの決算でも半導体株の不安が収まらず、CTAの売りやネオクラウド勢の信用不安など、需給と資金調達への懸念が残っていることです。
したがって本日の値動きから導かれる見立てはこうです——「前日の反発分を大きく上回る下げで、日経平均は半導体・AI関連株の売りに押されて約3カ月ぶりの安値に沈んだ。ただ下げは値がさ株に集中し、市場全体の値下がりは半分程度で、資金はセキュリティー関連や内需株に移っている」。判別の材料は、日経平均が9月14日の安値6万2,726円を守れるかと、6万3,000円台を取り戻せるかの2点です。なお本節の見立てはあくまで本日までの数値から読める整理であり、将来の株価を予測するものではありません。
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