前日22日の米国市場では、メタやテスラの決算をきっかけにAI投資の収益性への懸念が再燃し、ナスダック総合が2.60%安、SOX指数は6.72%安と急落しました。東京市場も半導体・AI関連株に売りが先行し、日経平均は寄り付き直後に1,445円23銭安の6万1,462円61銭まで下げ、取引時間中としては約3カ月ぶりに6万2,000円を割り込みました。ただ200日移動平均線(6万1,465円)の水準で押し目買いが入り、後場は韓国株やナスダック100先物のプラス転換も支えに下げ渋り、終値は214円68銭安の6万2,693円16銭と続落にとどめました。TOPIXは31.69ポイント安の3,965.81と8月4日以来の安値で、東証プライムの値下がりは951銘柄(61%)と前日より広がりました。資金は不動産・小売・食品などの内需・ディフェンシブ株に移り、引け後はファナックが業績予想の上方修正と自社株買いを発表してPTSで6%超上昇しています。
本日の相場概況
まず22日(木)の米国市場を確認します。NYダウは11.89ドル(0.02%)高の52,867.98ドルと小幅に3日続伸しましたが、S&P500は93.74ポイント(1.21%)安の7,663.43、ナスダック総合は694.00ポイント(2.60%)安の26,008.86と下落しました。半導体株指数SOXは773.58ポイント(6.72%)安の10,731.98と急落しています(4指数とも株探・米国株の確定値)。株探掲載のフィスコ記事によれば、メタやテスラの決算を受けて、AI分野への巨額投資が収益に結び付くかを巡る懸念が再燃し、ラム・リサーチの決算後の急落も半導体株への売り圧力を強めました。中東情勢を巡る警戒から原油が上昇したことも重荷となった一方、長期金利の低下を背景にダウは終盤にプラス圏を回復しています。
日経平均は240円79銭安の6万2,667円05銭で寄り付き、直後に6万1,462円61銭(前日比1,445円23銭安)の安値を付けました。株探によれば、取引時間中に6万2,000円を割り込むのは約3カ月ぶりで、7月29日の取引時間中の安値6万448円も意識されました。ただフィスコは、200日移動平均線(6万1,465円)を下回ると押し目を拾う動きが出たと伝えています。後場は、半導体株の比重が大きい韓国総合株価指数(KOSPI)が戻り歩調に転じて一時プラス圏に浮上し、ナスダック100先物もプラスに転じたことで安心感が広がり、日経平均は終盤に6万2,786円89銭まで戻しました(株探・フィスコ)。アドバンテストやソフトバンクGといった主力株の下げ幅が後場に縮小したことが、下げ渋りの要因になったと株探は伝えています。終値6万2,693円16銭は、終値ベースで7月30日以来の安値です。
主要マーケット指標
| 指標 | 数値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 62,693.16円 | -214.68円 (-0.34%) 続落 |
| 日経平均 始値 / 高値 / 安値 | 62,667.05 / 62,786.89 / 61,462.61 | 安値は前日比-1,445.23円(9時10分)。高値は15時21分 |
| 寄り付きのギャップ | -240.79円 (-0.38%) | 続落で始まり、直後に一段安 |
| ローソク足の形 | 実体26.11円の小さな陽線 | 下ヒゲ1,204.44円 / 上ヒゲ93.73円 |
| 日中値幅 | 1,324.28円 | 前日の1,958.60円から縮小 |
| 終値の水準 | 7月30日以来の安値 | 取引時間中の6万2,000円割れは約3カ月ぶり(株探) |
| TOPIX | 3,965.81 | -31.69 (-0.79%) 続落 |
| TOPIX 始値 / 高値 / 安値 | 3,985.70 / 3,986.57 / 3,907.33 | 実体19.89の陰線。下ヒゲ58.48。終値は8月4日以来の安値 |
| NT倍率 | 15.808倍 | 前日15.737倍から+0.072。TOPIXの下げが日経平均より大きい |
| 東証プライム 売買代金 | 約8兆9,383億円 | 前日の約7兆569億円から26.7%増 |
| 東証プライム 売買高 | 約28億8,432万株 | 前日の約21億9,167万株から31.6%増 |
| 1株あたり平均約定単価 | 約3,099円 | 前日の約3,220円から低下 |
| 東証プライム 値上がり/値下がり | 553銘柄 / 951銘柄 | 変わらず48銘柄。値下がりは全体の61.3%。前日は684/821 |
| 日経平均225銘柄 値上がり/値下がり | 81銘柄 / 144銘柄 | 変わらず0銘柄。前日は81/141 |
| 東証33業種 上昇/下落 | 8業種 / 25業種 | 前日は13/20 |
| 業種別 上昇率1〜5位 | 不動産業 +2.05% | 以下 小売業+1.20%、水産・農林業+0.89%、食料品+0.63%、医薬品+0.54% |
| 業種別 下落率1〜5位 | 銀行業 -2.28% | 以下 海運業-2.10%、非鉄金属-1.76%、鉄鋼-1.48%、機械-1.42% |
| 最大のマイナス寄与 | TDK -78円88銭 | 5.61%安の2,624.5円。2位日東電工-23円77銭(3.80%安) |
| マイナス寄与 3〜5位 | ソフトバンクG -23円46銭 | 以下 コナミG-22円75銭、KDDI-16円59銭。上位5銘柄合計-165円45銭 |
| 最大のプラス寄与 | ファーストリテイリング +95円47銭 | 1.58%高の75,880円。2位中外製薬+18円30銭(2.74%高) |
| プラス寄与 3〜5位 | キオクシアHD +11円33銭 | 以下 レーザーテック+10円65銭、ソニーG+9円44銭。上位5銘柄合計+145円19銭 |
| 寄与度の合計 | +262円89銭 / -477円57銭 | 差し引き-214円68銭で下げ幅と一致(株探掲載のフィスコ記事) |
| 東証プライム 値上がり率上位 | HENNGE、グロービング | ともに+9.0%。3位メルカリ+7.3%、4位ブロンコビリー+6.4%、5位KeePer技研+6.1%(株探) |
| 東証プライム 値下がり率上位 | KLab | 以下 ソリトン、GMO-GS、弁護士ドットコム、TDK(-5.61%)、宝HD、日本光電(-5.2%)(株探) |
| ストップ高 / ストップ安 | 7銘柄 / 1銘柄 | 全市場・引け時点(ETF/REIT除く)。一時を含むとストップ高14銘柄・ストップ安3銘柄 |
| 東証グロース市場250指数 | 754.60 | +1.33 (+0.18%) 小幅反発(株探掲載のフィスコ記事) |
| 米ドル/円 | 156円95〜97銭 | 日銀公表の17時時点。前日比27銭のドル安・円高。約1カ月ぶりの円高水準(株探) |
| 日経平均VI | 38.25 | +2.28 (+6.34%)。取引時間中は42.46まで上昇(株探掲載のフィスコ記事) |
| 東証プライム 騰落レシオ(25日) | 102.00% | 前日109.35%から低下。100%が中立の目安(株探) |
| NYダウ (10/22終値) | 52,867.98 | +11.89 (+0.02%) 3日続伸 |
| S&P 500 (10/22終値) | 7,663.43 | -93.74 (-1.21%) 反落 |
| ナスダック総合 (10/22終値) | 26,008.86 | -694.00 (-2.60%) 反落 |
| SOX指数 (10/22終値) | 10,731.98 | -773.58 (-6.72%) 急落 |
| 米株価指数先物 (日本時間15時34分) | ナスダック100先物 29,223.50 | +81.50 (+0.28%)。S&P500先物-0.02%、ダウ先物-0.29%(株探) |
| 韓国KOSPI / 上海総合 | 5,550.30 / 3,690.48 | +16.53 (+0.30%) / +32.45 (+0.89%)。ともに反発(株探) |
| 日経平均 5日線からの乖離 | -1.80% | 5日線 63,842.87。1,149円71銭下(前日は-2.27%) |
| 日経平均 25日線からの乖離 | -5.41% | 25日線 66,281.81。3,588円65銭下(前日は-5.14%) |
| 日経平均 75日線からの乖離 | -5.16% | 75日線 66,105.07。3,411円91銭下(前日は-4.95%) |
| 日経平均 200日線からの乖離 | +2.00% | 200日線 61,465.39。1,227円77銭上。本日の安値は200日線を2円78銭下回った |
| 日経平均 一目均衡表の雲 | 65,463.11 〜 66,205.62 | 終値は雲の下端を2,769円95銭下回る |
| 日経平均 転換線 / 基準線 | 65,086.80 / 66,130.61 | 終値は転換線を2,393円64銭、基準線を3,437円45銭下回る |
| 日経平均 ボリンジャーバンド | -1σ 63,940.46 / -2σ 61,599.11 | 終値は-1σを1,247円30銭下回り、-2σを1,094円05銭上回る。安値では-2σを一時下回った |
| 日経平均 RSI (14日) | 36.0 | 前日の36.6から0.6ポイント低下 |
| 日経平均 MACD / シグナル | -693.0 / -46.5 | シグナルも0を下回った。ヒストグラムは-610.0から-646.5へ拡大 |
| 日経平均 52週高値からの距離 | -10,138.57円 (-13.92%) | 52週高値 72,831.73 (6/22)。前日は-13.63% |
| TOPIX 5日線 / 25日線 | 4,016.75 / 4,080.34 | 終値は5日線を50.94、25日線を114.53下回る |
| TOPIX 75日線 / 200日線 | 4,068.82 / 3,872.55 | 終値は75日線の-2.53%、200日線の+2.41% |
| TOPIX 一目均衡表の雲 | 4,039.72 〜 4,073.90 | 終値は雲の下(下端から-73.91)。2日連続で雲の下 |
| TOPIX RSI (14日) / MACD | 39.6 / -22.8 (シグナル-8.2) | RSIは前日42.1から低下。MACDのヒストグラムは-12.1から-14.6へ拡大 |
| TOPIX 52週高値からの距離 | -254.50 (-6.03%) | 52週高値 4,220.31 (8/14・取引時間中)。前日は-5.28% |
マクロ・地政学の視点
本日の売りのきっかけは、前日に続く米国のAI・半導体関連株の急落です。株探によれば、米新興クラウド企業コアウィーブの社債価格の急落による衝撃が残るなか、21日に発表されたメタ・プラットフォームズの決算は予想を上回ったものの、AI投資には多額の資金が必要との見方から22日の同社株は急落しました。フィスコは、メタがAI設備投資に向けた新たな資金調達方針を示したことでAI投資の収益性を巡る懸念が再燃し、ラム・リサーチの決算発表後の急落も重なって、SOX指数は6%超下落したと伝えています。株探によれば、米オープンAIの資金調達前の企業価値が1兆2,500億ドルになる見込みと米CNBCが報じ、これまでの報道(1兆4,000億ドル超)を下回ったことも、出資するソフトバンクGの重荷になりました。
金利と為替も大きく動きました。株探によれば、リスク回避で米国債が買われ、米長期金利は約1カ月ぶりに節目の5%を下回りました。国内でも長期金利が一時2カ月半ぶりに2.800%を下回り、日銀が29〜30日の金融政策決定会合で政策金利1.25%を据え置く方針と報じられたことから、銀行株には利ざや拡大期待の後退で売りが出ました(株探・フィスコ)。ドル円は日銀公表の17時時点で156円95〜97銭と前日比27銭の円高で、株探によれば約1カ月ぶりの円高水準です。株探は、日米関税交渉の合意に基づく対米投融資の半導体工場建設事業について、3メガバンクが協調融資への参画を見送る方向で最終調整していると時事通信が報じ、邦銀の巨額のドル調達が不要になるとの思惑が広がったとも伝えています。
中東情勢では、原油価格の上昇が引き続き警戒されました(株探掲載のフィスコ記事)。27日にはイスラエル総選挙、11月3日には米中間選挙が控えています。株探は、中間選挙で民主党が勝利すればデータセンター建設などへの規制強化が予想され、AI関連株への逆風になりかねないとのアナリストの指摘を紹介しています。
セクター・個別銘柄の動き
東証33業種のうち上昇は8業種、下落は25業種でした。下落率の上位は銀行業-2.28%、海運業-2.10%、非鉄金属-1.76%、鉄鋼-1.48%、機械-1.42%。上昇率の上位は不動産業+2.05%、小売業+1.20%、水産・農林業+0.89%、食料品+0.63%、医薬品+0.54%です。ハイテク株を避けた資金が、医薬品や食品などのディフェンシブ株と、金利低下が追い風となる不動産・建設などの内需株に向かったとフィスコは伝えています。
日経平均を最も押し下げたのはTDKで、5.61%安の2,624.5円、寄与度-78円88銭(個別の材料は株探の見出しでは確認できず)。日東電工(-3.80%、-23円77銭)、ソフトバンクG(-0.67%、-23円46銭)、コナミG(-2.68%、-22円75銭)、KDDI(-1.41%、-16円59銭)が続き、京セラ、ディスコ、村田製作所、リクルートHD、イビデン、太陽誘電も下げました。ソフトバンクGは一時4,000円台を割り込み、4月14日以来の安値圏に沈みましたが、後場は下げ幅を縮めています(株探)。ディスコは前日発表の決算で9月中間期の営業利益が47.9%増だったものの、半導体関連の地合いが悪いなかで3.79%安の49,290円と年初来安値を更新しました(株探)。銀行株ではりそなHDが一時7%を超える下げとなり、三菱UFJ、三井住友、みずほもそろって売られました(株探)。
日経平均を最も押し上げたのはファーストリテイリングで、1.58%高の75,880円、寄与度+95円47銭。中外製薬(+2.74%、+18円30銭)、キオクシアHD(+1.27%、+11円33銭)、レーザーテック(+2.12%、+10円65銭)、ソニーG(+1.37%、+9円44銭)が続きました。朝方売られた半導体株の一角には押し目買いが入り、キオクシアHD、レーザーテック、東京エレクトロンはプラスで終えています。アドバンテストは30円安の32,340円と、ほぼ前日並みまで戻しました(寄与度ランキング)。
東証プライムの値上がり率3位のメルカリ(+7.3%)は、米メタがAIエージェント「Muse(ミューズ)」の日本での提供開始を発表し、メルカリとの連携を進めるとしたことが材料視されました(株探)。ブロンコビリー(+6.4%)は1〜9月期の営業利益が48.4%増と好決算で上場来高値を更新、住友林業(+4.8%)は米長期金利の5%割れで米国住宅事業の先行き懸念が和らぎ、資生堂(+3.9%)は米P&Gの好決算を受けた連想買いが入りました(株探)。ニトリHD、神戸物産、ABCマート、パルHDなど円高メリット株も買われています(株探・フィスコ)。
値下がりでは、日本光電(-5.2%)がモルガン・スタンレーMUFG証券の投資判断引き下げ(目標株価1,900円→1,500円)で売られ、GMOインターネットグループ(-2.5%)はFX自動売買専用VPSで不正操作の報告を受けたとの発表が嫌気されました(株探)。
ストップ高・ストップ安
本日のストップ高は引け時点で全市場7銘柄、ストップ安は1銘柄でした(ETF/REIT除く)。取引時間中に一時ストップ高・安を付けた銘柄を含めると、ストップ高は14銘柄、ストップ安は3銘柄です(株探の集計に、札幌証券取引所の日本テクノ・ラボを加えています)。前日にサイバーセキュリティー関連でストップ高が相次いだ流れは続かず、関連株の多くは反落しました。本日はTOB(株式公開買い付け)、業績上方修正、AIインフラ事業の開始など、個別の材料による値幅取りが中心でした。
| 銘柄(コード) | 市場 | 終値(円) | 騰落率(%) | PTS終値比(%) | 材料 |
|---|---|---|---|---|---|
| ソーシャルワイヤー(3929) | 東証グロース | 303 | +35.87 | +17.16 | ストップ高(比例配分)。子会社がAIでシステムの弱点を点検するセキュリティーコンサルティングの提供開始を発表(株探) |
| データセクション(3905) | 東証グロース | 1,530 | +24.39 | +4.31 | ストップ高。12時15分ごろ、AIインフラ及びGPUコンピュートサービスの提供開始を発表(株探) |
| GMOプライム・ストラテジー(5250) | 東証スタンダード | 1,699 | +21.44 | +20.07 | ストップ高(比例配分)。2日連続。連結子会社のAIワークフロー基盤がRAGソフトと連携(株探) |
| 日本調理機(2961) | 東証スタンダード | 1,719 | +21.14 | 未約定 | ストップ高(比例配分)。26年9月期業績が計画を上振れて一転増益で着地、配当予想も45円→75円(株探) |
| ジィ・シィ企画(4073) | 東証グロース | 730 | +15.87 | +12.33 | ストップ高。材料は確認できず |
| サークレイス(5029) | 東証グロース | 1,100 | +15.79 | 未約定 | ストップ高(比例配分)。ヒルハウス系のHHH1が1株2,020円でTOBを実施(株探) |
| フツパー(478A) | 東証グロース | 773 | +14.86 | +1.29 | ストップ高。富士通の防衛装備庁委託研究の共創パートナーに決定(株探) |
| ヒトトヒトHD(549A) | 東証スタンダード | 518 | +11.64 | -2.45 | 一時ストップ高。同社アンバサダーの松井秀喜氏が読売巨人軍の監督に就任と報道(株探) |
| ピー・ビーシステムズ(4447) | 東証グロース | 559 | +10.91 | +0.54 | 一時ストップ高。株探のテーマは情報セキュリティ関連。個別の材料は確認できず |
| リネットジャパンG(3556) | 東証グロース | 1,005 | +9.72 | -0.40 | 一時ストップ高。子会社が東京都「希少金属緊急回収プロジェクト」に採択(株探) |
| 日本テクノ・ラボ(3849) | 札証アンビシャス | 723 | +4.03 | PTS対象外 | 一時ストップ高(高値795円)。材料は確認できず |
| ハイブリッドテクノロジーズ(4260) | 東証グロース | 307 | -3.15 | -2.28 | 一時ストップ高のあと下落。前日もストップ高。材料は確認できず |
| ユビキタスAI(3858) | 東証スタンダード | 571 | -4.83 | +3.85 | 一時ストップ高のあと下落。前日まで2日連続ストップ高。当日の材料は確認できず |
| ショーケース(3909) | 東証スタンダード | 803 | -8.23 | +5.85 | 一時ストップ高のあと下落。独自認証技術のAnchorZと業務提携を開始(株探) |
| ZenmuTech(338A) | 東証グロース | 4,200 | -11.76 | +3.21 | 一時ストップ安。前日は一時ストップ高。材料は確認できず |
| テリロジーHD(5133) | 東証スタンダード | 500 | -15.25 | -2.00 | 一時ストップ安。前日は一時ストップ高。21日に子会社の不正アクセスによる情報漏えいの可能性を開示。当日の材料は確認できず |
| アクセルマーク(3624) | 東証グロース | 39 | -43.48 | +12.31 | ストップ安(比例配分)。発行可能株式総数の上限を2億株に引き上げる定款変更を付議、親会社とのロックアップ解除も発表(株探) |
引け時点のストップ高7銘柄のうち、ソーシャルワイヤー、GMOプライム・ストラテジー、日本調理機、サークレイスの4銘柄は取引時間中に売買が成立せず、大引けに比例配分となりました(株探)。サークレイスはTOB価格2,020円へのサヤ寄せで、買付期間は10月23日から12月7日までです(株探)。一方、前日まで連続ストップ高だったユビキタスAIやショーケースは一時ストップ高を付けた後に下げに転じ、GRCS(-12.2%)、アクリート(-18.9%)、S&J(-11.9%)などセキュリティー関連株も反動で売られました(株探)。
PTS(私設取引システム)の値は、10月23日17時台(17時46分までの取得時点)に付いていた直近の価格です。GMOプライム・ストラテジー(+20.07%)、ソーシャルワイヤー(+17.16%)、ジィ・シィ企画(+12.33%)はPTSでも終値を大きく上回りました。PTSは夜間の参考値で、翌営業日の始値を保証しません。
主要銘柄の決算と決算後のPTS
株探の決算速報によれば、本日は33社が決算や業績予想の修正を発表しました。このうち東証プライムかつ時価総額1,000億円以上の13社を下の表にまとめます。決算の要点は株探の見出しの範囲で記載しており、PTSは16時30分以降に付いた価格のみを「決算後のPTS」としています。取引時間中(13時〜15時)に発表した銘柄は、終値に発表内容が反映されています。
| 銘柄(コード) | 時価総額(億円) | 決算の要点(株探の見出し) | 終値(円) | PTS(円) | PTS終値比(%) |
|---|---|---|---|---|---|
| ファナック(6954) | 54,880 | 今期経常を14%上方修正(15時30分発表) | 5,587 | 5,940 | +6.32 |
| 川崎汽船(9107) | 19,781 | 今期経常を41%上方修正(15時30分) | 3,326 | 3,450 | +3.73 |
| メディパルHD(7459) | 6,924 | 今期最終を23%上方修正・最高益予想を上乗せ(15時30分) | 3,206 | 未約定 | — |
| ちゅうぎんFG(5832) | 6,031 | 上期経常を44%上方修正・最高益予想を上乗せ(14時) | 3,264 | 未約定 | — |
| 宝HD(2531) | 5,313 | 上期経常を64%上方修正(15時30分) | 2,693.5 | 2,749 | +2.06 |
| 山陰合同銀行(8381) | 3,169 | 上期経常を5%上方修正・最高益予想を上乗せ(13時) | 2,019 | 未約定 | — |
| パーク24(4666) | 3,104 | 今期最終を13%下方修正(16時) | 1,814.5 | 1,830 | +0.85 |
| 東京製鐵(5423) | 1,816 | 上期経常が赤字転落で着地・7-9月期も赤字転落(14時) | 1,650 | 未約定 | — |
| 愛媛銀行(8541) | 1,356 | 今期経常を一転10%増益に上方修正・最高益、配当も10円増額(14時30分) | 3,440 | 未約定 | — |
| 琉球銀行(8399) | 1,174 | 上期経常を一転13%増益に上方修正・最高益更新へ(15時30分) | 2,723 | 未約定 | — |
| 野村マイクロ・サイエンス(6254) | 1,174 | 上期経常を一転赤字に下方修正、通期も減額(15時30分) | 2,891 | 2,685 | -7.13 |
| 佐賀銀行(8395) | 1,028 | 上期経常を2%上方修正・最高益予想を上乗せ、配当も10円増額(15時) | 6,070 | 未約定 | — |
| 岩井コスモHD(8707) | 1,006 | 上期経常が42%増益で着地・7-9月期も15%増益(15時) | 4,020 | 未約定 | — |
最大の注目はファナックです。株探によれば、今期(27年3月期)の売上高予想を従来の9,481億円から1兆137億円(前期比18.2%増)に、最終利益予想を1,980億円から2,283億円(同37.1%増)に引き上げました。あわせて、発行済み株式(自己株式を除く)の1.08%にあたる1,000万株・500億円を上限とする自社株買いも発表しています。本日の株価は0.66%安の5,587円でしたが、決算後のPTSは5,940円(+6.32%)で、株探によれば上昇率は一時8%を超えました。川崎汽船も今期の経常利益見通しを41%引き上げ、PTSは3.73%高でした。
下方修正では、野村マイクロ・サイエンスが上期の経常利益を一転赤字に引き下げ、通期も減額したことで、PTSは7.13%安となりました。パーク24は今期の最終利益を13%下方修正しました。株探は同日、免許証データの流出を受けて顧客に見舞金を支払い、特別損失55億円を計上すると伝えています。PTSは0.85%高と小動きです。地方銀行では、ちゅうぎんFG・山陰合同銀行・愛媛銀行・琉球銀行・佐賀銀行が相次いで業績予想を引き上げました。表の13社以外では、KOA(今期経常を42%上方修正、配当も15円増額)のPTSが+11.69%、長野計器(今期経常を一転49%増益に上方修正・2期ぶり最高益更新へ)が+11.11%と、決算後のPTSで大きく上昇しました(見出しは株探)。PTSの価格は10月23日17時20分〜17時31分の取得値です。PTSは夜間の参考値で、翌営業日の始値を保証しません。
テクニカル分析
トレンドの位置
日経平均は続落し、終値6万2,693円16銭は5日線6万3,842円87銭を1,149円71銭(-1.80%)下回りました。移動平均線とは過去一定期間の終値の平均で、5日線は直近1週間、25日線は約1か月、75日線は約3か月半、200日線は約10か月の平均コストを表します。25日線6万6,281円81銭(-5.41%)と75日線6万6,105円07銭(-5.16%)との開きは前日からさらに広がり、両線とも下向きです。一方、200日線6万1,465円39銭に対しては+2.00%で、本日の安値6万1,462円61銭は200日線をわずか2円78銭下回ったところで切り返しました。
一目均衡表では、終値は引き続き雲の下にあります。一目均衡表の「雲」とは、過去の値動きから算出した2本の線に挟まれた帯で、株価がその中にあると方向感に乏しい、上にあれば強い、下にあれば弱いと読むのが一般的です。雲は6万5,463円11銭〜6万6,205円62銭で、終値は雲の下端を2,769円95銭下回りました。転換線は6万5,086円80銭、基準線は6万6,130円61銭に下がってきましたが、終値はいずれも2,000円以上下にあります。
ローソク足は続落で始まり、実体26円11銭の小さな陽線になりました。下ヒゲは1,204円44銭と長く、上ヒゲは93円73銭です。安値から大きく戻して引ける長い下ヒゲは、下値で買いが入ったことを示す形とされます。日中値幅は1,324円28銭と前日の1,958円60銭から縮みました。TOPIXは3,965.81で、雲(4,039.72〜4,073.90)の下に2日続けて沈み、終値は8月4日以来の安値です。NT倍率は15.808倍と前日の15.737倍から0.072上がり、銀行や海運などTOPIXでの比重が大きい業種の下げが響いたことを示しています。
サポートとレジスタンス
日経平均の下値の目安は、まず本日の安値6万1,462円61銭と、ほぼ同じ水準にある200日線6万1,465円39銭です。その少し上にはボリンジャーバンドの-2σ 6万1,599円11銭があり、本日の安値は一時これを下回りました。さらに下では、株探が伝えた7月29日の取引時間中の安値6万448円が意識されます。
上値の目安は、まず6万3,000円の節目です。その上に5日線6万3,842円87銭とボリンジャーバンドの-1σ 6万3,940円46銭が並び、6万4,000円の手前が最初の関門になります。さらに上の転換線6万5,086円80銭から雲の上端6万6,205円62銭までの6万5,000〜6万6,300円には、転換線・雲・75日線・基準線・25日線が集まっており、戻りを抑えやすい価格帯です。
オシレーター
日経平均のRSI(14日)は36.0で、前日の36.6から小幅に下がりました。RSIは直近14日間の値上がり幅と値下がり幅の比率を0〜100で表した指標で、一般に30以下が売られすぎ、70以上が買われすぎ、50が中立とされます。株探によれば、ストキャスティクス(9日)はFastが10.43(前日5.60)、Slowが8.94(同9.64)です。Fastが上向いたのは、安値から戻して引けたためです。
日経平均のMACDは-693.0、シグナルは-46.5で、ヒストグラムは-646.5。MACDは短期と長期の移動平均の差を示す指標で、シグナル(MACDの平均線)を上抜けば買い、下抜けば売りのサインと読むのが一般的です。本日はシグナルも0を下回り、ヒストグラムは-610.0から-646.5へさらに広がりました。下向きの勢いはまだ弱まっていません。騰落レシオ(25日)は102.00%と前日の109.35%から下がり(株探)、値下がり銘柄が6割を超えたことを映しています。日経VIは38.25と2.28上昇しましたが、フィスコによれば午後は上昇幅を縮めました。
市場心理
本日の市場心理を一言で表すなら、「朝方は投げ売り、後場は値ごろ買い。指数は持ち直したが、市場の裾野は弱い一日」です。日経平均は一時1,445円安まで売られた後、下げ幅を214円まで縮めました。売買代金は8兆9,383億円と前日から26.7%増え、安値圏で売りと買いが大きく交錯したことがうかがえます。一方、東証プライムの値下がりは951銘柄(61.3%)、下落は25業種と、前日(値下がり52.9%、下落20業種)より広がりました。指数を支えたのはファーストリテイリング1銘柄の+95円47銭が大きく、市場全体ではリスク回避が続いています。
日経VIは取引時間中に42.46まで上がった後、38.25で終えました。フィスコは、日経225先物が取引開始後の売り一巡後は下値が堅く、警戒感は朝方に比べ緩和したと伝えています。ただ株探の「来週の株式相場に向けて」は、市場関係者の声として、目先底打ちしたかどうかは来週の日米の金融政策決定会合とハイテク決算を確かめる必要があると伝えています。
翌営業日の注目ポイント
翌営業日は10月26日(月)です。26日は14時に景気動向指数(改定値)、夕方にドイツのIFO企業景況感指数が発表され、台湾市場は休場です(株探)。株探によれば、23日17時の日経225先物の夜間取引は日中の清算値6万2,910円から310円安の6万2,600円で寄り付きました。週末の米国市場でハイテク株が落ち着きを取り戻せるかが、週明けの東京の半導体株を左右しそうです。
来週は重要イベントが集中します。米連邦公開市場委員会(FOMC)は27〜28日で、結果は日本時間29日未明に発表されます。日銀の金融政策決定会合は29〜30日です。決算では、28日にアルファベットとマイクロソフト、29日にアマゾン、国内では27日に信越化学工業、28日にアドバンテストと日立製作所、29日にキーエンスとイビデン、30日に東京エレクトロン、キオクシアHD、村田製作所、レーザーテックなどが予定されています(株探)。27日にはイスラエル総選挙、29日には米国の7〜9月期GDP速報値と個人消費支出(PCE)物価指数も発表されます。
テクニカル面で10月26日(月)に確認したいのは2点です。日経平均は、本日の安値6万1,462円61銭と200日線6万1,465円39銭を守れるか。割り込めば、7月29日の安値6万448円が次の目安になります。上では、6万3,000円を回復し、5日線と-1σが並ぶ6万3,800〜6万3,900円台に近づけるかが焦点です。TOPIXは4,000の節目を終値で取り戻せるかに注目です。
戦略展望
本日の値動きから読み取れる前向きな点は3つあります。ひとつ目は、日経平均が200日線とほぼ同じ水準で下げ止まり、1,200円を超える長い下ヒゲを付けたこと。ふたつ目は、SOX指数が6.72%急落した翌日でも、キオクシアHD・レーザーテック・東京エレクトロンなど半導体株の一角がプラスで引けたこと。三つ目は、不動産・小売・食品・医薬品に資金が移り、資金が市場の外へ逃げずに中で動いていることです。
一方で、慎重な点も3つあります。ひとつ目は、終値が7月30日以来の安値となり、25日線・75日線・雲との距離がさらに開いたこと。ふたつ目は、値下がり銘柄が6割を超え、銀行・海運・非鉄など幅広い業種に売りが広がったこと。三つ目は、MACDのシグナルも0を下回り、AI関連企業の資金調達や信用リスクへの懸念が来週のビッグテック決算まで残ることです。
したがって本日の値動きから導かれる見立てはこうです——「米半導体株の急落を受けて日経平均は一時200日線まで売られたが、その水準で買いが入り下げ幅を大きく縮めた。ただ市場全体の値下がりは広がっており、下向きのトレンドはまだ変わっていない」。判別の材料は、日経平均が200日線(6万1,465円)を守れるかと、6万3,000円台を取り戻せるかの2点です。なお本節の見立てはあくまで本日までの数値から読める整理であり、将来の株価を予測するものではありません。
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