① 先週末の日本市場の動向(10/9)
東京市場は10月9日(金)を最後に3連休に入っているため、ここは日曜版の要約です。9日の日経平均は11円19銭安(-0.02%)の69,030円92銭で小幅に3日続落しました。朝方に一時900円近く下げた(安値68,150円02銭)あと、後場に急速に下げ渋り、一時はプラス圏に浮上しています。TOPIXは13.35ポイント高(+0.33%)の4,104.81で、東証プライムの約76%が値上がりしました。日経平均が上がらなかったのは、決算を発表したファーストリテイリング1銘柄で約244円、ソフトバンクグループで約192円押し下げたためです。株価指数オプション10月限のSQ値は68,465円23銭、日経平均VIは30.14でした。
1週間では日経平均が+721円46銭(+1.06%)で4週続伸、TOPIXも+0.34%でした。6日に終値で約3カ月ぶりに7万円台(70,683円98銭)を回復しましたが、7日からの3日間で1,653円下げ、週足は上ヒゲの長い形です。週間の業種別ではサービス業(+3.89%)・ゴム製品(+3.52%)・食料品(+3.40%)が上位、非鉄金属(-3.03%)・銀行業(-2.98%)が下位でした。33業種すべての騰落率は日曜版に掲載しています。
② 米国市場の動向(10/9)
9日(金)の米国市場はダウが423.31ドル高(+0.83%)の51,654.95ドル、S&P500が46.18ポイント高(+0.59%)の7,811.54、ナスダック総合が172.82ポイント高(+0.64%)の27,366.16と、3指数そろって上昇しました。前日にAI関連株の重しになった米オープンAIの売上高を巡る懸念が一服し、ハイテク株が買い直されています。週間ではダウ+0.93%、S&P500+1.15%、ナスダック総合+0.64%と上昇した一方、SOX(半導体株)指数は-4.30%と下落しました。米10年債利回りは5.242%、VIXは14.84です。
きょう12日はコロンバスデーで米国の債券市場は休場ですが、株式市場は通常どおり開きます。今夜の米国株の動きは、東京にとっては火曜の寄り付きにまとめて反映されることになります。米国では13日(火)から大手銀行の7-9月期決算が始まり、14日(水)に9月の消費者物価指数(CPI)が発表されます。
③ きょう(10/12)昼12時時点の先物・為替・アジア株
東京が休んでいる間の日経平均の「居場所」を示すのが、シカゴ(CME)の日経平均先物です。12時時点の円建て(12月限)は69,275円で、金曜のCME終値69,085円から190円高、金曜の現物終値69,030円92銭と比べると244円08銭高(+0.35%)です。きょうの朝からの値幅は69,020円〜69,380円と360円ほどで、大きな動きは出ていません。ドル建ては69,310円(金曜終値比+190円)です。なお、金曜の大取ナイトセッションの終値は68,970円、大取の日中清算値は69,470円でした。きょう昼のCME円建ては、その間に位置する水準です。
米株先物も小幅高です。ダウ先物は52,099(金曜の先物終値比+173、+0.33%)、ナスダック100先物は31,232.75(同+124.00、+0.40%)、S&P500先物は7,883.00(同+23.25、+0.30%)。現物の金曜終値と比べると0.86〜1.13%高ですが、このうち0.4〜0.6%程度は12月限に特有の金利と配当の差(キャリー)の上乗せです。金曜の先物終値からの変化(+0.3〜0.4%)が、週末から今朝にかけての米国株への見方と読むのが適切で、「やや強め」という程度です。
きょう目立つのは原油安です。WTI原油先物は90.04ドルで、金曜終値91.85ドルから1.81ドル安(-1.97%)、一時は89.61ドルまで下げました。北海ブレントも102.91ドル(-1.73%)です。報道によれば、米大統領がロシアとウクライナの間の「エネルギー停戦」を表明したことで供給増への期待が出ているほか、イランがイエメンのフーシ派とサウジアラビアの仲介を申し出たとも伝えられています。一方で、フロリダに接近したハリケーンによる供給への警戒もあり、方向は定まっていません。金は4,230.5ドル(+0.34%)です。
為替はドル円が158円24銭で、金曜とほぼ同じ水準です。東京時間の午前は158円40銭まで上がったあと、原油安と米金利の低下を受けたドル売りで158円07銭まで下げ、158円10〜20銭台でもみ合いました。フランスの財政懸念を背景にリスク回避の円買いも出やすい状況です。
アジア株はまちまちです。11時40〜45分時点で、韓国総合株価指数は152.05ポイント安(-2.29%)の6,473.88と大きく下げています。韓国は9日(金)がハングルの日で休場だったため、8日(木)の米ハイテク株安(SOX指数3%超の下落)を含めてまとめて反映している面があります。台湾加権指数も182.82ポイント安(-0.37%)で、同じく9日は休場でした。一方、香港ハンセン指数は+0.30%、オーストラリアのASX200は+0.80%、上海総合指数は-0.14%です。半導体の比率が高い韓国・台湾が弱く、それ以外は底堅いという形で、東京の火曜の半導体株にとっては注意材料です。
| 指標 | 水準(12時時点) | 変化 | コメント |
|---|---|---|---|
| ダウ平均(金終値) | 51,654.95ドル | +0.83% | 金曜+423.31ドル。週間+0.93% |
| S&P500(金終値) | 7,811.54 | +0.59% | 週間+1.15% |
| ナスダック総合(金終値) | 27,366.16 | +0.64% | 週間+0.64%。SOXは週間-4.30% |
| ダウ先物(12月限) | 52,099 | 金曜先物比 +0.33% | 現物比+0.86%(キャリー理論値+0.42%) |
| ナスダック100先物(NQ) | 31,232.75 | 金曜先物比 +0.40% | 現物比+1.13%(キャリー理論値+0.61%) |
| S&P500先物(Eミニ) | 7,883.00 | 金曜先物比 +0.30% | 現物比+0.91%(キャリー理論値+0.50%) |
| シカゴ日経(円建て) | 69,275円 | 現物比 +244円 | 金曜CME終値比+190円。きょうの値幅69,020〜69,380円 |
| シカゴ日経(ドル建て) | 69,310円 | 金曜終値比 +190円 | 現物比+279円 |
| ドル円 | 158.24円 | 金曜比 ±0 | 東京時間は158円07銭〜158円40銭 |
| WTI原油 | 90.04ドル | -1.97% | 一時89.61ドル。エネルギー停戦報道 |
| 北海ブレント | 102.91ドル | -1.73% | 一時102.35ドル |
| 金 | 4,230.5ドル | +0.34% | 金曜終値は4,216.3ドル |
| 韓国総合株価指数 | 6,473.88 | -2.29% | 9日休場。8日以来の取引 |
| 台湾加権指数 | 49,130.62 | -0.37% | 9日休場 |
| 香港ハンセン指数 | 24,282.88 | +0.30% | 前場 |
| 日経225(10/9終値) | 69,030.92円 | -0.02% | 東京は10/9以降休場 |
※ダウ・S&P500・ナスダックの終値は株探「米国市場データ」(10月9日)の記載に基づきます。先物・為替・商品・アジア株は2026年10月12日12時時点の米国ヤフー・ファイナンスの値(アジア株は11時40〜45分時点)です。先物の「金曜先物比」は10月9日の通常取引終了時点(米東部時間17時)の値との比較です。ドル円の東京時間の値幅は株探の東京為替記事(フィスコ)に基づきます。

④ 週末〜きょうの国際情勢
| 項目 | リスクレベル | 状況・影響 |
|---|---|---|
| 中東・ホルムズ海峡 | 高 | 先週はカタール近海でもタンカーが被弾。米大統領は「中間選挙前の攻撃はない」と表明 |
| 原油 | 中〜高 | きょうはエネルギー停戦報道でWTIが90ドル近辺まで下落。ハリケーンが逆の材料 |
| 米インフレ・金利 | 中〜高 | 14日に9月CPI。FOMC議事要旨では19人全員が利上げを支持 |
| 半導体 | 中〜高 | 韓国株が-2.29%。14日にASML、15日にTSMCが決算 |
| フランス財政 | 中 | 財政懸念と政情不安が続き、リスク回避の円買いが出やすい |
■ 中東と原油 — 週末は大きな新材料なし、きょうは「エネルギー停戦」で原油安
週末(10日〜11日)の中東情勢は、株式市場の前提を大きく変える新しい出来事は確認できませんでした。先週は、7日夜に湾の奥のカタール近海でタンカーが攻撃を受けるなど船舶攻撃の範囲が広がり、8日にはWTIが一時93ドル台まで上昇しました。その後、米大統領が「11月3日の中間選挙前にイランを攻撃することはない」「紛争はまもなく終結する」と述べ、原油は落ち着いています。日曜日には、イランの安全保障当局の高官が「米政権がオマーン沿岸で封鎖を破って石油を運び出している」と非難したと報じられましたが、真偽は確認されていません。
きょうの原油安の背景として報じられているのは、米大統領によるロシアとウクライナの間の「エネルギー停戦」の表明です。米大統領は9日にも、ロシアが米国と世界市場への大量のディーゼル燃料供給に同意したと述べていました。原油が下がれば、インフレ懸念の後退を通じて米国の長期金利と株式には追い風です。ただし、ハリケーンの接近による供給への警戒など、原油を押し上げる材料も同時に存在します。
■ 米国 — 今夜から決算と物価の1週間
米国では13日(火)にJPモルガン・ゴールドマン・サックス・ウェルズ・ファーゴ・シティグループが7-9月期決算を発表し、決算シーズンが本格的に始まります。14日(水)の9月CPIは、FOMCの全員が利上げを支持していたことがわかった直後だけに、上振れれば年内利上げ観測と長期金利の上昇につながります。10日に発表された10月のミシガン大学調査では、1年先の予想インフレ率が4.7%に上がっていました。
※本稿では特定の個人による相場見通しや予想レンジの引用は行わず、公表された指標・発言・報道と、筆者が確定日足から算出したテクニカル水準のみを根拠としています。週末の海外報道のうち一次ソースで確認できないものは「報じられた」と記載しています。
⑤ 10月13日(火)〜16日(金)の日本市場の見通し
前提を確認します。東京市場は13日(火)に再開し、立会は16日(金)までの4営業日です。13日の寄り付きは、きょう12日の米国市場の結果をまとめて織り込みます。本稿の執筆時点(12日12時)では米国市場はまだ開いていないため、本稿の判断は12時までの情報に基づくものです。
■ 日曜版のレンジを据え置く理由
10月11日の日曜版では、金曜の現物終値69,030円92銭を起点に上値70,800円/基本69,500円/下値67,750円を想定しました。きょう昼のシカゴ日経(円建て)は69,275円で、起点からの変化は+244円(+0.35%)にとどまります。これは基本シナリオ69,500円の225円下で、日曜版の想定の範囲内です。米株先物の変化も金曜比+0.3〜0.4%と小さく、レンジを置き直すほどの材料は出ていないと判断し、67,750〜70,800円を据え置きます。
各水準の根拠は日曜版と同じです。上値70,800円は10月6日の高値70,798円62銭(すぐ下にボリンジャーバンド+2σの70,618円62銭と7万円の節目)、基本69,500円は金曜終値と5日移動平均69,747円92銭の間、下値67,750円は一目均衡表の転換線67,749円05銭です。下値の手前にはSQ値68,465円23銭、金曜の安値68,150円02銭、上昇幅の1/3押し68,107円81銭が並びます。シカゴ日経69,275円から見ると、上値まで+1,525円、下値まで-1,525円と、ちょうど上下対称の位置にあります。

一目均衡表の雲は、13日時点で65,405円33銭〜66,640円32銭です。金曜終値もシカゴ日経も雲の上限を2,400円以上上回る「雲の上」にあり、中期の上昇基調は保たれています。雲は来週の値動きの範囲では「遠くの支え」です。

■ 火曜の寄り付きで確認したいこと
きょう昼の時点で見えている材料を、火曜の東京に当てはめると次のとおりです。第一に半導体株。韓国株が-2.29%と大きく下げており、台湾株も軟調です。先週後半の日本の半導体株安と同じ流れで、アドバンテスト・東京エレクトロンなど寄与度の大きい銘柄が火曜に戻るかどうかが指数を左右します。第二に原油安。WTIの90ドル近辺への下落は、空運・陸運など燃料コストの大きい業種には追い風、鉱業・石油株には逆風です。第三に今夜の米国株。米株先物は小幅高で始まっていますが、債券市場が休場のため金利の手掛かりがなく、本格的な材料は13日の米銀決算と14日のCPIからになります。
■ 4日間の注目イベント
- 10/12(月・東京休場):米国の債券・為替市場は休場(株式は通常取引)。インド9月消費者物価指数(19:30)、IMF・世界銀行年次総会(〜18日)、ノーベル経済学賞発表。
- 10/13(火・東京再開):9月国内企業物価(8:50)、IMF世界経済見通し、米9月中古住宅販売件数(23:00)。米大手銀(JPモルガン・ゴールドマン・サックス・ウェルズ・ファーゴ・シティグループ)の決算。国内はイオン・Jフロントなど。
- 10/14(水):中国9月消費者物価指数・生産者物価指数・貿易収支、米9月CPI(21:30)、ベージュブック(15日3:00)。ASML決算。国内は良品計画など。
- 10/15(木):8月機械受注(8:50)、米9月小売売上高・生産者物価指数(21:30)、G20財務相・中央銀行総裁会議。TSMC決算。国内は高島屋・東宝・ベイカレントなど。
- 10/16(金):植田日銀総裁のあいさつ(内田副総裁が代読、15:30)、米9月鉱工業生産(22:15)。
■ 戦略・スタンス
基本スタンスは日曜版と同じく「14日のCPIと15日のTSMC決算を確認するまでは、7万円の手前で無理に方向を決めない」です。きょう昼の時点では、シカゴ日経は金曜終値の少し上で落ち着いており、火曜は大きな窓を開けずに始まる可能性が高いとみています。ただし、今夜の米国株が大きく動けばこの前提は変わるため、火曜の朝はシカゴ日経の終値を必ず確認してください。SQ値68,465円と金曜の安値68,150円を割り込まずに推移できるかが、週前半の最初の判断材料です。
チャート(TradingView)
日経225(INDEX:NKY)・ドル円(FX:USDJPY)・S&P 500(FOREXCOM:SPXUSD)の主要チャートです。
免責事項:本記事は情報提供のみを目的としたものであり、特定の銘柄や取引手法を推奨するものではありません。記載した数値は執筆時点で確認できた公開情報に基づいていますが、正確性・完全性を保証するものではありません。想定レンジやシナリオは筆者の分析であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任と判断で行ってください。

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