5月25日週 相場の見通し
日経平均は史上最高値圏で週入り。米メモリアルデー連休明けのFOMC議事要旨・PCEデフレーターを通過し、上値追いを試す週へ。
先週末(5/22)時点の主要指標サマリー
先週末の東京市場は日経平均株価が前日比+1,654.93円(+2.68%)の大幅続伸となる6万3,339.07円で取引を終え、5月13日に付けた6万3,272円を上回り終値ベースの史上最高値を更新した。AI・半導体関連株が中心となって買われ、ソフトバンクグループの大商いも目立った。一方、ニューヨーク市場でもダウ工業株30種平均が史上最高値を更新、S&P500種株価指数は8週連続の週間上昇と歴史的なラリーが続いている。WTI原油は中東リスク後退から1バレル=96ドル台まで急落し、世界的なインフレ警戒の和らぎが株価を一段と押し上げている。
サンデー先物・主要マーケット指標
| 指標 | 水準 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均 (5/22終値) | 63,339.07 | +1,654.93 | +2.68% |
| CME日経平均先物 | 63,525 | 大証比+185円 | 続伸示唆 |
| NYダウ (5/22終値) | 50,579.70 | +294.04 | +0.58% 最高値 |
| S&P 500 (5/22終値) | 7,473.47 | +27.54 | +0.37% 8週連騰 |
| NASDAQ (5/22終値) | 26,343.97 | +50.05 | +0.19% |
| WTI原油先物 | 96.60ドル | 大幅安 | 中東リスク後退 |
| USD/JPY | 158円台 | 小動き | 円安基調維持 |
※ 株価上昇=赤、株価下落=緑(日本式表記)。原油・金利は数値上昇=赤、低下=緑。CME日経平均先物は週末時間外取引の参考値。
先週の振り返り — 「Vの字回復」の1週間
先週(5/18-5/22)の日経平均は、月曜日(5/18)に593円安と3日続落でスタートし、火曜日にかけても米長期金利上昇への警戒から軟調な展開となった。しかし週後半に向けて様相は一変。中東情勢の沈静化を背景にWTI原油先物が110ドル台から96ドル台へと10ドル超の大幅下落となり、米長期金利は4.59%から4.3%台へと急速に低下した。インフレ警戒の後退を映してナスダックは反発、日経平均も週末22日に+1,654円の急騰でVの字回復を達成し、終値ベースの史上最高値を塗り替えた。週間騰落率は約+2.0%と高水準で、海外投資家の現物・先物の買い越しが目立った。
5/25週の主要イベント・カレンダー
| 日付 | 主要イベント | 市場へのインパクト |
|---|---|---|
| 5/25(月) | 米メモリアルデー(米国市場休場)、独IFO企業景況感(5月) | 米国不在で日本株は薄商い、方向感に乏しい展開 |
| 5/26(火) | 米耐久財受注(4月)、米コンファレンスボード消費者信頼感(5月)、米2年債入札 | 休場明けの米金利動向次第でハイテクに影響 |
| 5/27(水) | 米FOMC議事要旨(4月会合)、米5年債入札 | 最大の注目イベント。タカ派・ハト派のトーン次第で大きく変動 |
| 5/28(木) | 米GDP改定値(1-3月)、米新規失業保険申請、米7年債入札、エヌビディア決算(米時間外) | GDPがコンセンサス比上振れならドル高/株売り |
| 5/29(金) | 米PCE価格指数(4月)、東京都区部CPI(5月)、中国製造業PMI(5月) | 週末の山場。インフレ加速ならリスクオフ転換も |
マクロ・地政学テーマ
① 原油急落と「インフレ警戒の後退」
先週最大のテーマは中東情勢の沈静化に伴う原油急落である。WTI原油先物は110ドル台から96.60ドルまで一気に値を崩した。ホルムズ海峡を巡る通航問題が部分的に改善し、当面の供給途絶リスクが後退したことが主因となる。原油安は(1)世界的なインフレ警戒を緩和、(2)主要国中銀の追加利上げ余地を解消、(3)企業マージンを改善——という三重のプラス効果をもたらし、株式市場にとっては追い風そのものとなる。今週も100ドル割れの定着が続けば、グロース株のリバウンドが継続する蓋然性が高い。
② 米長期金利の低下と「Goldilocks(適温相場)」
米10年債利回りは前週の4.59%から4.3%台まで30bps以上低下した。原油安によるインフレ期待の鎮静化に加え、4月FOMC議事要旨を通じた利下げ観測の織り込みが進んでいる。金利低下 × 企業業績堅調という典型的な「Goldilocks(適温)相場」の構図が形成されつつあり、世界株は史上最高値更新ラリーへと突入した。今週水曜のFOMC議事要旨でハト派色が強まれば、このトレンドは一段と加速する公算が大きい。
③ AI・半導体株のリバウンドとエヌビディア決算
先週終盤のラリーを牽引したのはアドバンテスト、東京エレクトロン、ディスコ、SCREENなどの半導体製造装置(SPE)銘柄と、ソフトバンクグループに代表されるAI関連プラットフォーマーだった。今週28日(現地時間)のエヌビディア決算は世界の半導体株の方向性を決める最重要イベント。データセンター向けGPU需要、Blackwell世代の出荷見通し、対中規制下のガイダンスなどが焦点となる。
④ 為替・国内金利と日銀政策
USD/JPYは158円台後半で推移し、米長期金利の低下に対してもなお円安基調が維持されている。財務省は160円台乗せには警戒姿勢を継続するとみられ、口先介入リスクへの留意は必要。日銀の植田総裁は今週、複数の場で発言機会があり、追加利上げのタイミングに関する示唆があれば短期的な円高材料となる。
日経平均テクニカル分析
トレンド・移動平均
22日の急騰で日経平均は終値の史上最高値6万3,339円を更新。25日移動平均線(61,700円付近)、75日移動平均線(60,200円付近)を共に上抜けており、中期上昇トレンドは強固。一目均衡表でも転換線・基準線が共に上向き、雲も先行スパンが拡大して厚みを増している。
RSI・MACD・ボリンジャーバンド
日足RSI(14)は約68と過熱手前のニュートラル域。先週月曜の42台からの戻りであり、まだ70超の過熱ゾーンには達していない。MACDはゼロライン上でゴールデンクロス、ヒストグラムも拡大。週足ボリンジャーバンドは+2σ(64,500円付近)を上値の目処として意識する局面。
サポート・レジスタンス
- 第1レジスタンス:64,000円(心理的節目)
- 第2レジスタンス:64,500円(週足BB+2σ)
- 第3レジスタンス:65,500円(オプション関係者の意識ライン)
- 第1サポート:62,500円(5/22ザラ場安値)
- 第2サポート:61,700円(25日線)
- 第3サポート:60,800円(5/18安値)
今週の予想レンジと注目セクター
本サイトでは、5/25週の日経平均予想レンジを62,500円 – 65,000円とみる。中央値は63,700円付近で、史上最高値更新のモメンタムが残存する一方、月末月初のリバランス売り、FOMC議事要旨・PCE通過後の利益確定売りが上値を抑える展開を想定する。
買いを検討したいセクター
- AI・半導体関連:エヌビディア決算を控え、SPE主力(アドバンテスト、東京エレクトロン、ディスコ)、装置部材(SCREEN、レーザーテック)、AI周辺(ソフトバンクG、NEC、富士通)。
- グロース内需(金利低下メリット):メルカリ、ラクス、SHIFT、SREホールディングスなど高PER銘柄のリバウンド余地。
- 宇宙・衛星関連:スペースXの上場観測(6月12日予定)を控え、IHI、三菱重工、ispace、QPS研究所などに関心。
- 不動産・REIT:米金利低下基調なら借入コスト緩和観測で見直し買い。
注意したいセクター(原油安・金利低下デメリット)
- 資源・エネルギー:原油安継続なら逆風。INPEX、石油資源開発は短期的に調整。
- 海運:中東リスク後退で運賃下落懸念。日本郵船、商船三井は利益確定の動き。
- 銀行:米金利低下基調なら一服感。三菱UFJ、三井住友FGは利食い局面か。
投資戦略の考え方
史上最高値圏での週入りとなるが、「強気のなかにも注意」のスタンスが基本となる。原油安・金利低下・AIラリーの「3つの追い風」が揃った状態は理想的に見えるが、これだけの好材料が一巡したあとは「材料出尽くし」となりやすい点に留意したい。
短期トレーダーは、(1)月曜の米国休場を活用したポジション調整、(2)火曜以降の押し目を拾う逆張り、(3)エヌビディア決算前のポジション圧縮——を意識したい。中長期投資家は、AI・半導体・宇宙関連の主力銘柄を引き続きコア保有としつつ、相対的に出遅れているグロース内需や中小型のテーマ株(防衛、半導体製造装置部材、生成AI周辺ソフトなど)を分散して組み入れることが、ポートフォリオのリスクリターンを高めるアプローチとなる。
最大の下振れリスクは、(a)中東情勢の再燃と原油再急騰、(b)FOMC議事要旨の予想外のタカ派色、(c)エヌビディア決算のガイダンス下振れ、(d)PCEデフレーター上振れ——の4点である。これらの「想定外」に備え、損切りルールの再確認、現金比率の維持、ヘッジ手段(プットオプション、インバースETF)の活用を準備しておきたい。
チャート
日経平均 (INDEX:NKY)
USD/JPY (FX:USDJPY)
S&P 500 (AMEX:SPY)
WTI原油 (TVC:USOIL)
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