米9月雇用統計が予想を大きく下回り、米国の早期利上げ観測が後退したことで、週明けの東京市場は買いが優勢になりました。日経平均は1,637円40銭高の6万9,946円86銭と大幅に反発し、取引時間中には7万72円13銭まで上がって、7月6日以来約3か月ぶりに7万円台に乗せました。TOPIXも54.22ポイント(1.33%)高の4,145.22です。アドバンテスト(+360円30銭)と東京エレクトロン(+336円26銭)の2銘柄で上げ幅の42.5%を占め、上位5銘柄では73.9%に達しました。東証プライムの値上がりは860銘柄、値下がりは633銘柄で、33業種中22業種が上昇。半導体を中心とした値がさ株が指数を大きく押し上げた1日です。
まず前週末の米国市場を確認します。2日のNYダウは250.40ドル(0.49%)高の51,176.96ドルと続伸、S&P500は56.27ポイント(0.73%)高の7,722.72、ナスダック総合は319.27ポイント(1.19%)高の27,190.86でした。半導体株指数SOXは307.67ポイント(2.40%)高の13,136.67です(いずれも株探・米国株)。株探によれば、9月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が2万9,000人増と事前予想の8万4,000人増を大きく下回り、失業率は4.2%と予想より高く、平均時給は前月比0.1%増と想定を下回りました。これで10月と12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で連続利上げとなる見方が大きく後退し、米国株は「悪い経済指標が株には好材料」と受け止めました。主要7か国(G7)が原油とディーゼル燃料の緊急備蓄の放出を決めたことも、燃料価格への懸念を和らげています(株探・フィスコ)。
シカゴ日経225先物(円建て)は大阪比1,260円高の6万9,910円で、東京市場は大きく買われて始まりました。日経平均は前週末終値より804円28銭高い6万9,113円74銭で寄り付き、安値でも6万9,050円23銭(740円77銭高)と、一度も前週末の高値6万8,741円49銭まで下がりませんでした。高値は7万72円13銭(1,762円67銭高)で、終値は高値の125円27銭下。ローソク足は実体833円12銭の大きな陽線で、上ヒゲ125円27銭・下ヒゲ63円51銭と、ほぼ1日中買われ続けた形です。日中値幅は1,021円90銭と、前週末の609円33銭の約1.7倍に広がりました。
主要マーケット指標
| 指標 | 数値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 69,946.86円 | +1,637.40円 (+2.40%) 反発 |
| 日経平均 始値 / 高値 / 安値 | 69,113.74 / 70,072.13 / 69,050.23 | 高値は前営業日比+1,762.67円。安値でも+740.77円 |
| 寄り付きのギャップ | +804.28円 (+1.18%) | 前営業日終値68,309.46円から上に離れて始まった |
| ローソク足の形 | 実体833.12円の陽線 | 上ヒゲ125.27円 / 下ヒゲ63.51円 |
| 日中値幅 | 1,021.90円 | 前営業日の609.33円の約1.68倍 |
| 7万円台への到達 | 取引時間中の高値70,072.13円 | 7月6日(高値70,384.59円)以来、約3か月ぶり。終値は7月1日以来の高さ |
| TOPIX | 4,145.22 | +54.22 (+1.33%) 反発 |
| TOPIX 始値 / 高値 / 安値 | 4,121.15 / 4,147.97 / 4,113.89 | 高値は前営業日比+56.97。終値は高値の2.75下 |
| NT倍率 | 16.874倍 | 前営業日16.697倍から+0.177。日経平均の上げがTOPIXを大きく上回った |
| 東証プライム 売買代金 | 約7兆7,509億円 | 前営業日の約8兆2,978億円から6.6%減 |
| 東証プライム 売買高 | 約22億5,895万株 | 前営業日の約25億1,171万株から10.1%減 |
| 1株あたり平均約定単価 | 約3,431円 | 前営業日の約3,304円から3.9%上昇(値がさ株中心の売買) |
| 東証プライム 値上がり/値下がり | 860銘柄 / 633銘柄 | 変わらず53銘柄。前営業日は215/1,306 |
| 日経平均225銘柄 値上がり/値下がり | 157銘柄 / 68銘柄 | 前営業日は51/173 |
| 東証33業種 上昇/下落 | 22業種 / 11業種 | 前営業日は4/29 |
| 業種別 上昇率1〜5位 | 電気機器 +2.59% | 以下 ガラス・土石製品+2.43%、化学+2.25%、機械+2.12%、小売業+1.72% |
| 業種別 下落率1〜5位 | 電気・ガス業 -1.03% | 以下 鉱業-0.99%、海運業-0.93%、パルプ・紙-0.72%、石油・石炭製品-0.66% |
| 最大のプラス寄与 | アドバンテスト +360円30銭 | 4.32%高の40,300円。5連騰で上場来高値を更新(株探) |
| プラス寄与 2〜5位 | 東京エレクトロン +336円26銭 | 以下 ファーストリテイリング+236円24銭、ソフトバンクG+151円29銭、TDK+125円91銭 |
| プラス寄与 6〜10位 | 京セラ +50円43銭 | 以下 信越化学+31円69銭、ディスコ+23円19銭、村田製作所+22円49銭、イビデン+22円25銭 |
| プラス寄与 上位2銘柄合計 | +696円56銭 | 上げ幅1,637円40銭の42.5%。上位5銘柄では+1,210円00銭(73.9%) |
| 最大のマイナス寄与 | キオクシアHD -12円74銭 | 0.93%安の19,120円。2位塩野義製薬-12円64銭(4.49%安) |
| 寄与度の合計 | +1,730円99銭 / -93円56銭 | 差し引き+1,637円43銭で上げ幅と一致(差3銭は端数処理) |
| 売買代金トップ | キオクシアHD 約7,222億円 | 2位アドバンテスト約6,230億円、3位ソフトバンクG約3,651億円、4位レーザーテック約2,476億円、5位東京エレクトロン約2,110億円 |
| 東証プライム 値上がり率1位 | 第一工業製薬 +9.23% | 2位HIOKI+8.55%、3位ルネサス+8.03%、4位TDK+7.79%、5位荒川化学+7.76% |
| 東証プライム 値下がり率1位 | アジア開発キャピタル -19.32% | 2位インフロニアHD-13.56%、3位塩野義製薬-4.49%、4位日本コークス-4.21%、5位トーセイ-3.87% |
| ストップ高 / ストップ安 | 4銘柄 / 0銘柄 | 全市場・一時を含む(株探)。ストップ高で引けたのは1銘柄 |
| 米ドル/円 | 157円65〜67銭 | 日銀公表の午後5時時点。前週末比8銭のドル高・円安(株探) |
| NYダウ (10/2終値) | 51,176.96 | +250.40 (+0.49%) 続伸 |
| S&P 500 (10/2終値) | 7,722.72 | +56.27 (+0.73%) |
| ナスダック総合 (10/2終値) | 27,190.86 | +319.27 (+1.19%) |
| SOX指数 (10/2終値) | 13,136.67 | +307.67 (+2.40%) |
| 米10年債利回り / NY原油(WTI) (10/2) | 5.279% / 91.11ドル | 利回り+0.039ポイント / 原油-1.76ドル(株探) |
| シカゴ日経225先物(円建て) (10/2) | 69,910円 | 大阪取引所終値比+1,260円(株探) |
| 日経平均 5日線からの乖離 | +3.03% | 5日線 67,889.61。2,057円25銭上 |
| 日経平均 25日線からの乖離 | +6.50% | 25日線 65,679.17。4,267円69銭上(前営業日は+4.24%) |
| 日経平均 75日線からの乖離 | +4.75% | 75日線 66,773.26。3,173円60銭上 |
| 日経平均 200日線からの乖離 | +15.79% | 200日線 60,406.78。9,540円08銭上 |
| 日経平均 一目均衡表の雲 | 66,068.71 〜 66,640.32 | 終値は雲の上端を3,306円54銭上回る |
| 日経平均 転換線 / 基準線 | 67,237.99 / 66,399.15 | 転換線は828円06銭、基準線は538円41銭切り上がり |
| 日経平均 ボリンジャーバンド | +2σ 68,850.45 / +3σ 70,436.10 | 終値は+2σを1,096円41銭上回る(前営業日は111円14銭上) |
| 日経平均 RSI (14日) | 67.3 | 前営業日の62.0から5.3ポイント上昇 |
| 日経平均 MACD / シグナル | 701.7 / 118.0 | シグナルがプラス圏に浮上。ヒストグラムは+475.0から+583.7へ拡大 |
| 日経平均 52週高値からの距離 | -2,884.87円 (-3.96%) | 52週高値 72,831.73 (6/22)。前営業日の-6.21%から縮小 |
| 7月29日安値からの戻り | +9,497.96円 (+15.71%) | 直近安値 60,448.90 (7/29) |
| TOPIX 5日線 / 25日線 | 4,103.60 / 4,094.84 | 終値は5日線を41.62、25日線を50.38上回り、前営業日に割り込んだ2本を回復 |
| TOPIX 75日線 / 200日線 | 4,058.95 / 3,828.54 | 終値は75日線の+2.13%、200日線の+8.27% |
| TOPIX 一目均衡表の雲 | 3,993.16 〜 4,076.30 | 終値は雲の上端を68.92上回る |
| TOPIX RSI (14日) / MACD | 56.1 / 9.5 (シグナル4.6) | RSIは50.6から5.5ポイント上昇。ヒストグラムは+2.4から+5.0へ拡大 |
| TOPIX 52週高値からの距離 | -75.09 (-1.78%) | 52週高値 4,220.31 (8/14)。前営業日の-3.06%から縮小 |
マクロ・地政学の視点
本日の上げの主因は、米国の追加利上げ観測の後退です。株探によれば、9月の米雇用統計は雇用者数・失業率・平均時給のすべてが米景気の減速を示す内容で、一時9割近い確率まで織り込まれていた10月と12月のFOMCでの連続利上げの可能性が大きく後退し、いまは年内あと1回、12月会合での利上げが中心シナリオになっています。利上げ観測が弱まると、将来の成長を買われている半導体・ハイテク株には追い風になりやすく、本日の東京市場でも電気機器が業種別の上昇率1位でした。
ただし金利の低下は続いていません。米10年債利回りは5.279%と前日から0.039ポイント上昇しました(株探)。フィスコの米国株概況によれば、取引終盤にかけて長期金利が上昇に転じ、株価の上げ幅も縮まりました。また、ダラス連銀のローガン総裁は「あと0.5%の利上げが必要」との考えを示しており(フィスコ)、米金融当局の発言次第で金利観測が揺れ戻す余地は残っています。
原油はやや落ち着きました。G7が2日のオンライン協議で石油備蓄の協調放出を決め、WTI原油は1.76ドル安の91.11ドル、一時88ドル台まで下がりました(株探)。このため東京市場では、前週末に上がった鉱業(-0.99%)と石油・石炭製品(-0.66%)が下落業種の上位に入っています。為替はドル円が157円65〜67銭(日銀公表の午後5時時点)と、前週末比8銭のドル高・円安で、ほぼ横ばいでした。
セクター・個別銘柄の動き
東証33業種のうち上昇は22業種、下落は11業種でした。上昇率の上位は電気機器+2.59%、ガラス・土石製品+2.43%、化学+2.25%、機械+2.12%、小売業+1.72%。下落率の上位は電気・ガス業-1.03%、鉱業-0.99%、海運業-0.93%、パルプ・紙-0.72%、石油・石炭製品-0.66%です。前週末に上がった非鉄金属・鉱業・石油・海運のうち、非鉄金属(+0.30%)以外は下げに回り、物色が資源関連から半導体・電子部品へ戻りました。
日経平均を最も押し上げたのはアドバンテストで、4.32%高の40,300円、寄与度+360円30銭。株探によれば、カイ気配で始まって5連騰となり、上場来高値を更新しました。前週末の米国でSOX指数が2.4%上がり約3か月ぶりの高値圏に入ったこと、同社の主要顧客であるエヌビディアが5月中旬以来の上場来高値を更新したことが背景です(株探)。2位は東京エレクトロン(5.50%高、+336円26銭)で、ディスコ(+5.71%)・コクサイエレクトリック(+4.33%)など半導体製造装置株が軒並み上がりました。電子部品ではTDKが7.79%高(+125円91銭)、京セラが5.10%高、村田製作所が3.28%高、太陽誘電が3.91%高です。
3位のファーストリテイリングは4.07%高の74,690円(+236円24銭)。株探によれば、9月の国内ユニクロ既存店とEコマースを合わせた売上高が前年同月比10.8%増と2か月ぶりに前年を上回り、気温の低下で秋冬商品が売れて客単価が11.3%上がったことが好感されました。9月の月次売上が好調だった良品計画(+2.3%)、ニトリHD(+3.7%)、FOOD & LIFE COMPANIES(+5.4%)、サイゼリヤ(+3.9%)なども買われ、小売業は業種別で5位に入っています(いずれも株探)。
一方、半導体関連でもキオクシアHDは0.93%安の19,120円と下げ、寄与度-12円74銭でマイナス寄与の1位でした。株探によれば、信用倍率が16倍前後と高いことや、10月1日から効力が発生した株式3分割で戻り売りが出やすいことが重荷とみられています。売買代金はキオクシアHDが約7,222億円でトップ、2位はアドバンテストの約6,230億円です。
東証プライムの値上がり率1位は第一工業製薬で9.23%高、ルネサスエレクトロニクスも8.03%高。IDECは6.28%高で、株探によれば前週末に今期の営業利益予想を72億円から94億円へ増額したことが好感され、上場来高値を更新しました。値下がり率2位のインフロニアHDは13.56%安。株探によれば、4,782万6,100株の新株発行(公募増資)を発表し、1株あたりの価値が薄まることを嫌った売りが出ました。塩野義製薬は4.49%安で日経平均を12円64銭押し下げましたが、執筆時点で下落の理由は確認できていません。
ストップ高・ストップ安
株探の集計では、本日のストップ高は全市場で4銘柄(一時を含む)、ストップ安は0銘柄でした。ストップ高のまま引けたのはクリングルファーマ1銘柄で、残る3銘柄は取引時間中に一時ストップ高をつけたあと値を戻しています。ストップ安はありませんでした。
| 銘柄(コード) | 市場 | 終値(円) | 騰落率(%) | PTS終値比(%) | 材料 |
|---|---|---|---|---|---|
| クリングルファーマ(4884) | 東証グロース | 564 | +16.53 | +15.96 | ストップ高で引け。業務提携先のクラリス・バイオセラピューティクスが、米国眼科学会(AAO)の年次総会で開発品CSB-001の有効性を口頭発表すると明らかにした(株探) |
| ジィ・シィ企画(4073) | 東証グロース | 780 | +14.20 | +1.28 | 一時ストップ高。材料は確認できず |
| ソケッツ(3634) | 東証スタンダード | 738 | +5.73 | 0.00 | 一時ストップ高。前営業日もストップ高(株探)。今回の材料は確認できず |
| 辻・本郷ITコンサルティング(476A) | 東証スタンダード | 2,520 | -1.56 | +3.17 | 一時ストップ高のあと下落に転じた。前営業日まで2日連続ストップ高(株探)。今回の材料は確認できず |
PTS(私設取引システム)の値は、ジャパンネクスト証券のPTSで10月5日17時20分〜17時30分に付いた価格です。クリングルファーマはPTSでも654円と終値を15.96%上回り、夜間も買いが続きました。
主要銘柄の決算と決算後のPTS
株探の決算速報によれば、本日は16社が決算や業績予想の修正を発表しました。このうち東証プライムで時価総額1,000億円以上の8社を下の表にまとめます。決算の要点は株探の見出しの範囲で記載しており、PTSは16時30分以降に付いた価格のみを「決算後のPTS」としています。
| 銘柄(コード) | 時価総額(億円) | 決算の要点(株探の見出し) | 終値(円) | PTS(円) | PTS終値比(%) |
|---|---|---|---|---|---|
| ネクステージ(3186) | 2,297 | 12-8月期(3Q累計)経常が63%増益で着地・6-8月期も22%増益 | 2,839 | 2,769.4 | -2.45 |
| クリエイトSDHD(3148) | 2,165 | 6-8月期(1Q)経常は5%減益で着地 | 3,240 | 未約定 | — |
| 霞ヶ関キャピタル(3498) | 1,824 | 今期経常は39%増で7期連続最高益、35円増配へ | 7,410 | 7,650.0 | +3.24 |
| 壱番屋(7630) | 1,758 | 上期経常が19%減益で着地・6-8月期も22%減益 | 1,101 | 1,070.1 | -2.81 |
| ダイセキ(9793) | 1,673 | 上期経常が13%増益で着地・6-8月期も18%増益 | 3,485 | 未約定 | — |
| トーセイ(8923) | 1,624 | 今期最終を5%上方修正・最高益予想を上乗せ、配当も3円増額(14時30分発表) | 1,664 | 1,665.9 | +0.11 |
| 不二越(6474) | 1,440 | 12-8月期(3Q累計)経常が2.1倍増益で着地・6-8月期も2.2倍増益 | 5,780 | 5,890.0 | +1.90 |
| ワールド(3612) | 1,170 | 上期最終が4%増益で着地・6-8月期は66%減益 | 1,517 | 1,491.0 | -1.71 |
株探によれば、決算後のPTSで最も上がったのは霞ヶ関キャピタルで、今期の経常利益が39%増と7期連続の最高益を見込み、35円の増配も発表しました。PTSは7,650円と終値を3.24%上回っています。不二越も3Q累計の経常利益が2.1倍となり、PTSは1.90%高でした。一方、ネクステージは3Q累計の経常利益が63%増益だったものの、PTSでは2.45%安。上期の経常利益が19%減益だった壱番屋はPTSで2.81%安です。トーセイは取引時間中の14時30分に上方修正と増配を発表しましたが、株探によれば材料出尽くしとの見方から本日の株価は3.87%安で引け、PTSは終値とほぼ同じ水準でした。
主要8社以外の決算発表銘柄で、決算後のPTSが終値から5%以上動いた銘柄はありませんでした(PTSの約定があった銘柄のみ確認)。PTSの価格は10月5日17時20分〜17時31分の取得値です。PTSは夜間の参考値で、翌日の始値を保証しません。
テクニカル分析
トレンドの位置
日経平均は上昇の勢いを取り戻しました。移動平均線とは過去一定期間の終値の平均で、5日線は直近1週間、25日線は約1か月、75日線は約3か月半、200日線は約10か月の平均コストを表します。終値6万9,946円86銭は、5日線6万7,889円61銭(+3.03%)・75日線6万6,773円26銭(+4.75%)・25日線6万5,679円17銭(+6.50%)・200日線6万406円78銭(+15.79%)の4本すべてを大きく上回っています。終値は7月1日(7万474円96銭)以来の高さで、7月29日の安値6万448円90銭からは9,497円96銭(15.71%)戻しました。
一目均衡表でも上昇の形がはっきりしています。一目均衡表の「雲」とは、過去の値動きから算出した2本の線に挟まれた帯で、株価がその中にあると方向感に乏しい、上にあれば強い、下にあれば弱いと読むのが一般的です。雲は6万6,068円71銭〜6万6,640円32銭で、終値は上端の3,306円54銭上。転換線は6万7,237円99銭(前営業日から828円06銭上昇)、基準線は6万6,399円15銭(同538円41銭上昇)と、2本とも切り上がりました。
TOPIXも持ち直しました。前営業日に割り込んだ5日線4,103.60と25日線4,094.84を回復し、終値4,145.22はそれぞれを41.62、50.38上回っています。ただし上昇率は日経平均の2.40%に対しTOPIXは1.33%で、NT倍率(日経平均÷TOPIX)は16.697倍から16.874倍へ上がりました。半導体などの値がさ株の上げが、市場全体の上げより大きかったことを示しています。
サポートとレジスタンス
日経平均の上値の目安は、まず本日の高値7万72円13銭と心理的な節目の7万円です。その上には7月6日の高値7万384円59銭、ボリンジャーバンドの+3σ 7万436円10銭、7月1日の終値7万474円96銭が7万円台前半に集まっています。52週高値は6月22日の7万2,831円73銭で、本日の終値はその3.96%下です。
下値の目安は、まず本日の安値6万9,050円23銭です。本日は安値でも前営業日の高値6万8,741円49銭を上回ったため、6万8,741円49銭〜6万9,050円23銭の308円74銭に「窓(ギャップ)」が開いています。窓とは前日の値幅と当日の値幅の間にできた空白のことで、その後の値動きで埋めにいくかどうかが注目されやすい価格帯です。その下は+2σ 6万8,850円45銭、さらに5日線6万7,889円61銭が続きます。
オシレーター
日経平均のRSI(14日)は67.3で、前営業日の62.0から5.3ポイント上がりました。RSIは直近14日間の値上がり幅と値下がり幅の比率を0〜100で表した指標で、一般に30以下が売られすぎ、70以上が買われすぎ、50が中立とされます。買われすぎの目安70に近づいています。終値はボリンジャーバンドの+2σ(6万8,850円45銭)を1,096円41銭上回りました。ボリンジャーバンドとは移動平均線の上下に値動きのばらつき(標準偏差)の幅を加えた帯で、±2σの外に出るのは統計的に珍しい水準と読むのが一般的です。+2σを大きく超えたことは勢いの強さを示す一方、短期的な過熱感も意味します。
日経平均のMACDは701.7、シグナルは118.0で、ヒストグラムは+583.7。MACDは短期と長期の移動平均の差を示す指標で、シグナル(MACDの平均線)を上抜けば買い、下抜けば売りのサインと読むのが一般的です。シグナルもマイナス圏からプラス圏に上がり、ヒストグラムは+429.0→+475.0→+583.7と拡大が続いています。TOPIXはRSIが50.6から56.1へ上がり、MACDのヒストグラムも+2.4から+5.0へ拡大しました。
市場心理
本日の市場心理を一言で表すなら、「利上げ観測の後退で半導体に買いが戻り、7万円を試した」です。東証プライムの値上がりは860銘柄と、前営業日の215銘柄から4倍に増え、日経平均225銘柄でも157銘柄が上がりました。前営業日は「指数は小幅安・市場全体は大きく下げ」でしたが、本日は指数も市場全体も上がっています。
ただし、熱気が市場全体に広がったとまでは言い切れません。東証プライムの値下がりは633銘柄あり、値上がりの割合は約56%にとどまります。売買代金は7兆7,509億円、売買高は22億5,895万株と、どちらも前営業日から減りました。上げ幅の4分の3近くを上位5銘柄で占めており、値がさ株への集中で指数が押し上げられた面が大きい1日です。同じ半導体関連でもキオクシアHDが下げたように、銘柄の選別も進んでいます。
翌営業日の注目ポイント
翌営業日は10月6日(火)です。株探の予定表によれば、国内では前場の取引時間中に10年物国債の入札があり、日銀の植田和男総裁が全国証券大会であいさつします。国債入札の結果と植田総裁の発言は、国内の長期金利と円相場に響きやすい材料です。9月の新車販売・輸入車販売の発表もあります。
海外では米8月貿易収支、米3年物国債の入札があり、ウィリアムズNY連銀総裁とボウマンFRB副議長の発言機会が予定されています(株探)。雇用統計で後退した利上げ観測を、FRB高官がどう語るかが焦点です。なお中国市場(上海・深セン)は休場です。国内企業では、株探によれば6日にノート、パルグループHDなど9社が決算を発表する予定で、9日には安川電機の決算が控えています。
テクニカル面で10月6日(火)に確認したいのは2点です。日経平均は、7万円を終値で上回れるか。上回れば7月6日の高値7万384円59銭と+3σ(7万436円10銭)が次の目安になります。下では、本日開いた窓の上端である本日の安値6万9,050円23銭を保てるかを確認します。RSIが67.3と70に近く、+2σを1,000円以上上回っているため、短期的な過熱感から利益確定の売りが出やすい水準である点にも注意が必要です。
戦略展望
本日の値動きから読み取れる前向きな点は3つあります。ひとつ目は、日経平均が取引時間中に約3か月ぶりに7万円台に乗せ、終値も7月1日以来の高さになったこと。ふたつ目は、東証プライムの値上がりが860銘柄と前営業日の4倍に増え、TOPIXも5日線と25日線を回復したこと。三つ目は、MACDのシグナルがプラス圏に上がり、ヒストグラムの拡大も続いていることです。
一方で、慎重な点も3つあります。ひとつ目は、上げ幅の73.9%を上位5銘柄で占め、NT倍率が16.874倍まで上がるなど、値がさ株への集中が強いこと。ふたつ目は、RSIが67.3、ボリンジャーバンドの+2σからの上ぶれが1,096円と、短期的な過熱感が強まっていること。三つ目は、米10年債利回りが5.279%とむしろ上がり、FRB高官からは追加利上げを求める声も出ていることです。
したがって本日の値動きから導かれる見立てはこうです——「米雇用統計の下振れで利上げ観測が後退し、半導体株を中心に買われて日経平均は1,637円高、一時7万円台を回復した。中長期の移動平均線の上で上昇の勢いは強まったが、上げは少数の値がさ株に集中し、短期的な過熱感も出ている」。判別の材料は、日経平均が7万円を終値で上回れるか、そして本日開いた窓(6万8,741円49銭〜6万9,050円23銭)を埋めずに保てるかの2点です。なお本節の見立てはあくまで本日までの数値から読める整理であり、将来の株価を予測するものではありません。
チャート
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