前日20日の米国市場ではNYダウが529.85ドル高と3日ぶりに反発し、引け後に発表された米スペースXの好決算が時間外取引で買われました。東京市場ではAI・半導体株に買い戻しが入り、日経平均は一時1,329円高の6万5,404円まで上昇。その後は戻り売りに押されて上げ幅を縮め、545円82銭高の6万4,621円24銭と3日ぶりに反発して終わりました。アドバンテストが1銘柄で約123円、ソフトバンクGが約55円押し上げています。TOPIXも34.52ポイント高の4,043.73と反発し、33業種のうち24業種が上昇。非鉄金属(+2.62%)と銀行業(+2.33%)が上昇率の上位でした。ただ東証プライムの値上がりは982銘柄(63.2%)にとどまり、売買代金は3日連続で7兆円を下回っています。
本日の相場概況
まず20日(火)の米国市場を確認します。NYダウは529.85ドル(1.01%)高の52,495.88ドルと3日ぶりに反発、S&P500は21.84ポイント(0.28%)高の7,712.57と続伸しました。一方、ナスダック総合は6.07ポイント(0.02%)安の26,424.82と小幅に反落し、半導体株指数SOXは32.53ポイント(0.29%)安の11,283.81と反落しています(4指数とも株探・米国株と米国ヤフー・ファイナンスで一致)。株探掲載のフィスコ記事によれば、中東情勢の緊張緩和への期待から原油相場が下がり、企業の好決算も支えになってダウが大きく上げた一方、AI関連の投資負担への警戒が残ってナスダックは小幅安でした。
日経平均は810円53銭高の6万4,885円95銭で寄り付き、9時29分に6万5,404円63銭まで上げました。前日比1,329円21銭高で、6万5,000円台を回復する場面です。株探によれば、米スペースXが20日に発表した7〜9月期決算は売上高が前年同期比2.6倍と市場予想を上回り、時間外取引で株価が急伸したことが、AI関連株の買い戻しを後押ししました。ただ買い一巡後は戻り待ちの売りに押され、前引けには6万5,000円を下回り、後場も半導体関連の一角が伸び悩んで、13時16分に6万4,558円60銭の安値を付けました(株探掲載のフィスコ記事)。株探の大引け記事は、売り込まれていたAI関連株や半導体株への突っ込み警戒感からの買い戻しが中心で、取引後半は戻り売りに押されたと伝えています。米国で21日に予定されるメタ・プラットフォームズやテスラの決算を控え、買い一巡後は様子見ムードが強まりました(株探掲載のフィスコ記事)。
主要マーケット指標
| 指標 | 数値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 64,621.24円 | +545.82円 (+0.85%) 3日ぶり反発 |
| 日経平均 始値 / 高値 / 安値 | 64,885.95 / 65,404.63 / 64,558.60 | 高値は前日比+1,329.21円(9時29分)、安値は13時16分 |
| 寄り付きのギャップ | +810.53円 (+1.26%) | 前日の高値64,822.22円より上で始まったが、日中に前日高値を下回った |
| ローソク足の形 | 実体264.71円の陰線 | 上ヒゲ518.68円 / 下ヒゲ62.64円 |
| 日中値幅 | 846.03円 | 前日の1,015.07円から縮小 |
| 高値からの押し戻し | -783.39円 | 一時の上げ幅1,329.21円の約59%を失った |
| TOPIX | 4,043.73 | +34.52 (+0.86%) 反発 |
| TOPIX 始値 / 高値 / 安値 | 4,051.99 / 4,063.58 / 4,035.00 | 実体8.26の小さな陰線。安値でも前日終値を25.79上回る |
| NT倍率 | 15.981倍 | 前日15.982倍から-0.001(ほぼ横ばい) |
| 東証プライム 売買代金 | 約6兆9,265億円 | 前日の約6兆7,992億円から1.9%増。3日連続で7兆円を下回る |
| 東証プライム 売買高 | 約21億7,903万株 | 前日の約21億4,872万株から1.4%増 |
| 1株あたり平均約定単価 | 約3,179円 | 前日の約3,164円から上昇 |
| 東証プライム 値上がり/値下がり | 982銘柄 / 521銘柄 | 変わらず50銘柄。値上がりは全体の63.2%。前日は335/1,181 |
| 日経平均225銘柄 値上がり/値下がり | 152銘柄 / 71銘柄 | 変わらず2銘柄。前日は77/144 |
| 東証33業種 上昇/下落 | 24業種 / 9業種 | 前日は9/24 |
| 業種別 上昇率1〜5位 | 非鉄金属 +2.62% | 以下 銀行業+2.33%、保険業+2.12%、証券業+1.66%、その他金融業+1.65% |
| 業種別 下落率1〜5位 | 小売業 -0.88% | 以下 パルプ・紙-0.52%、鉱業-0.50%、水産・農林業-0.31%、輸送用機器-0.30% |
| 最大のプラス寄与 | アドバンテスト +122円98銭 | 1.68%高の34,440円。2位ソフトバンクG+55円02銭(1.49%高) |
| プラス寄与 3〜5位 | イビデン +44円90銭 | 以下 東京エレクトロン+37円92銭、TDK+34円64銭。上位5銘柄合計+295円46銭 |
| 最大のマイナス寄与 | KDDI -12円74銭 | 1.07%安の2,910円。2位ファーストリテイリング-12円14銭(0.20%安) |
| マイナス寄与 3〜5位 | ニトリHD -4円97銭 | 以下 花王-4円31銭、オリンパス-4円25銭。上位5銘柄合計-38円41銭 |
| 寄与度の合計 | +635円54銭 / -89円72銭 | 差し引き+545円82銭で上げ幅と一致(株探掲載のフィスコ記事) |
| 売買代金トップ | キオクシアHD 約7,305億円 | 2位アドバンテスト約5,593億円、3位太陽誘電約3,227億円、4位ソフトバンクG約2,060億円、5位レーザーテック約1,877億円 |
| 東証プライム 値上がり率1位 | ネクセラファーマ +9.78% | 2位GMO-GS+9.07%、3位アステリア+6.87%、4位Jディスプレイ+6.45%、5位松屋+6.36% |
| 東証プライム 値下がり率1位 | チェンジHD -6.19% | 2位クオールHD-4.15%、3位ディップ-3.88%、4位燦HD-3.59%、5位SHIFT-3.52% |
| ストップ高 / ストップ安 | 9銘柄 / 1銘柄 | 全市場・引け時点(ETF/REIT除く)。一時ストップ高を含めると13銘柄 |
| 東証グロース市場250指数 | 766.69 | +20.78 (+2.79%) 3日ぶり反発(株探掲載のフィスコ記事) |
| 米ドル/円 | 158円12〜14銭 | 午後5時時点(株探・日銀為替市況)。前日比05銭のドル高・円安 |
| 日経平均VI | 30.85 | -1.33。取引時間中は35.58まで上昇(株探掲載のフィスコ記事) |
| 東証プライム 騰落レシオ(25日) | 107.40% | 前日104.46%から上昇。100%が中立の目安(株探) |
| NYダウ (10/20終値) | 52,495.88 | +529.85 (+1.01%) 3日ぶり反発 |
| S&P 500 (10/20終値) | 7,712.57 | +21.84 (+0.28%) 続伸 |
| ナスダック総合 (10/20終値) | 26,424.82 | -6.07 (-0.02%) 小反落 |
| SOX指数 (10/20終値) | 11,283.81 | -32.53 (-0.29%) 反落 |
| 米10年債利回り (10/20) | 5.117% | -0.019ポイント(米国ヤフー・ファイナンス) |
| VIX指数 (10/20) | 17.31 | -1.13(米国ヤフー・ファイナンス) |
| 日経平均 5日線からの乖離 | -0.08% | 5日線 64,672.72。51円48銭下(前日は-1.87%) |
| 日経平均 25日線からの乖離 | -2.62% | 25日線 66,357.94。1,736円70銭下(前日は-3.48%) |
| 日経平均 75日線からの乖離 | -2.51% | 75日線 66,286.50。1,665円26銭下(前日は-3.44%) |
| 日経平均 200日線からの乖離 | +5.35% | 200日線 61,341.17。3,280円07銭上(前日は+4.58%) |
| 日経平均 一目均衡表の雲 | 65,986.42 〜 66,205.62 | 終値は雲の下端を1,365円18銭下回る |
| 日経平均 転換線 / 基準線 | 66,862.68 / 66,762.40 | 終値は転換線を2,241円44銭、基準線を2,141円16銭下回る |
| 日経平均 ボリンジャーバンド | -1σ 64,116.75 / -2σ 61,875.56 | 終値は-1σを504円49銭上回り、前日の-1σ割れから戻した |
| 日経平均 RSI (14日) | 42.2 | 前日の39.4から2.8ポイント上昇 |
| 日経平均 MACD / シグナル | -256.8 / 267.6 | MACDは前日-123.5から低下。ヒストグラムは-522.2から-524.4へわずかに拡大 |
| 日経平均 52週高値からの距離 | -8,210.49円 (-11.27%) | 52週高値 72,831.73 (6/22)。前日は-12.02% |
| TOPIX 5日線 / 25日線 | 4,037.15 / 4,085.27 | 終値は5日線を6.58上回り、25日線を41.54下回る |
| TOPIX 75日線 / 200日線 | 4,069.66 / 3,866.89 | 終値は75日線の-0.64%、200日線の+4.57% |
| TOPIX 一目均衡表の雲 | 4,039.72 〜 4,103.53 | 終値は雲の中(下端から+4.01)。前日は雲の下 |
| TOPIX RSI (14日) / MACD | 46.1 / -11.7 (シグナル-1.5) | RSIは前日42.3から上昇。MACDのヒストグラムは-11.2から-10.3へ縮小 |
| TOPIX 52週高値からの距離 | -176.58 (-4.18%) | 52週高値 4,220.31 (8/14・取引時間中)。前日は-5.00% |
マクロ・地政学の視点
本日の反発のきっかけは、米国のAI関連企業の決算です。株探によれば、スペースXの7〜9月期決算はAIデータセンターの計算能力を他社に貸し出すサービスなどAI事業が好調で、最終損益は上場後初の黒字となり、時間外取引で株価が一時8%超上昇しました。イーロン・マスクCEOがテスラとの経営統合を議論する特別委員会を設けたと明らかにしたことも、AI関連株の物色に波及しました(株探)。アジアでも、米サーバー大手スーパー・マイクロ・コンピューターが売上高見通しを引き上げたことでハイテク株が買い戻され、韓国KOSPIは182.92ポイント(3.29%)高の5,735.66と反発しています(株探)。
一方で、AI投資を巡る信用不安は消えていません。株探の「明日の株式相場に向けて」は、ソフトバンクGのCDS(信用リスクを売買する取引)のスプレッドが20日時点で432ベーシスポイントと、AI・半導体関連株の中でも際立って高いと指摘しています。同記事はロイター通信の報道として、オープンAIが約300億ドルの追加調達に向けてソフトバンクGなどの株主と協議していると伝えました。ソフトバンクGは1.49%高と、前日の6.01%安に比べて戻りは小さいものでした。
原油と金利は、いったん落ち着きました。20日の米10年債利回りは5.117%と0.019ポイント低下し(米国ヤフー・ファイナンス)、フィスコは低調な住宅関連指標を受けて早期利上げへの警戒が後退したと伝えています。ただ株探によれば、東京時間の午後にはイランの革命防衛隊がホルムズ海峡でタンカーが機雷に接触して爆発炎上したと発表し、原油先物は1バレル=99ドル台に乗せて再び強含みました。日本政府観光局が発表した9月の訪日外国人客数は310万3,700人と前年同月比5.0%減で、中東情勢による航空券の値上がりが響き、2カ月連続で前年を下回りました(株探)。上海総合指数は0.60%安の3,713.03、香港ハンセン指数は0.90%安の23,651.87と、中華圏の株は下げています(株探)。ドル円は午後5時時点で158円12〜14銭と、前日からほぼ横ばいでした(株探・日銀為替市況)。
セクター・個別銘柄の動き
東証33業種のうち上昇は24業種、下落は9業種でした。上昇率の上位は非鉄金属+2.62%、銀行業+2.33%、保険業+2.12%、証券業+1.66%、その他金融業+1.65%。下落率の上位は小売業-0.88%、パルプ・紙-0.52%、鉱業-0.50%、水産・農林業-0.31%、輸送用機器-0.30%です。前日に大きく売られた非鉄金属(電線)・銀行・保険が買い戻され、前日に買われた小売りが売られる、前日と逆の構図になりました。
日経平均を最も押し上げたのはアドバンテストで、1.68%高の34,440円、寄与度+122円98銭。ソフトバンクG(+1.49%、+55円02銭)、イビデン(+3.63%、+44円90銭)、東京エレクトロン(+0.74%、+37円92銭)、TDK(+2.42%、+34円64銭)が続きました。プラス寄与の上位5銘柄で+295円46銭と、上げ幅545円82銭の約54%にあたります。売買代金トップのキオクシアHDは2.82%高、フジクラは3.70%高、レーザーテック(+1.48%)、ディスコ(+1.79%)も上げました。三菱UFJ(+2.39%)などメガバンク、愛媛銀行(+6.14%)、あいちFG(+6.03%)、福井銀行(+5.96%)など地方銀行にも買いが入っています(株探)。
日経平均を最も押し下げたのはKDDIで、1.07%安の2,910円、寄与度-12円74銭。前日に指数を最も押し上げたファーストリテイリングは0.20%安(-12円14銭)と小幅に反落し、ニトリHD(-1.76%)、花王(-1.69%)、オリンパス(-1.82%)が続きました。マイナス寄与の上位5銘柄は合計-38円41銭と小さく、下げた銘柄は内需・ディフェンシブ株が中心です。吉野家HD(-3.47%)、ツルハHD(-3.23%)、コスモス薬品(-3.36%)など、前日まで買われた小売り・外食株に利益確定の売りが出ました(株探)。
東証プライムの値上がり率1位はネクセラファーマで9.78%高(個別の材料は確認できず)。2位のGMO-GS(+9.07%)は、セキュリティー関連の一角として物色され、電子契約サービスでAIエージェントとの連携機能の提供を始めたことも明らかにしました(株探)。3位のアステリア(+6.87%)はスペースXへの出資企業とされ、決算を受けて買われました(株探)。このほかQPSホールディングスやアストロスケールHDなど宇宙開発関連株が高く、山善(+3.84%)は14時に今期の業績予想を引き上げて後場に上昇しています(株探)。
値下がり率ではチェンジHDが6.19%安で1位でした。株探によれば、不正アクセスによる個人情報の流出を発表しています。3位のディップ(-3.88%)は外資系証券が投資判断を「アンダーウエート」に引き下げたことが嫌気されました(株探)。4位の燦HD(-3.59%)はグループ会社のホームページから個人情報が漏えいした恐れがあると発表しています(株探)。
ストップ高・ストップ安
本日のストップ高は引け時点で全市場9銘柄、ストップ安は1銘柄でした(ETF/REIT除く。一時ストップ高を含めると13銘柄)。株探の集計ではETFの農中DAXU(535A)を含めてストップ高14銘柄ですが、本記事ではETFを除いています。目立ったのは、前日に急反落した情報セキュリティ関連株の切り返しです。前日ストップ安だったセキュアヴェイルとショーケースは一転してストップ高、クラスターテクノロジーも一時ストップ高を付けました。
| 銘柄(コード) | 市場 | 終値(円) | 騰落率(%) | PTS終値比(%) | 材料 |
|---|---|---|---|---|---|
| GRCS(9250) | 東証グロース | 1,349 | +28.60 | +3.78 | ストップ高。20日引け後に「サイバーセキュリティ・ガバナンス特別相談窓口」の開設を発表(株探) |
| ウインテスト(6721) | 東証スタンダード | 242 | +26.04 | +6.45 | ストップ高。14時30分に自律走行搬送ロボット(AMR)の販売事業への新規参入を発表(株探) |
| サイバートラスト(4498) | 東証グロース | 2,060 | +24.10 | +8.50 | ストップ高。耐量子暗号への対応を見据えた鍵管理サービスの提供を開始(株探) |
| デジタリフト(9244) | 東証グロース | 1,600 | +23.08 | -3.12 | ストップ高。東証が監理銘柄(確認中)の指定を解除(株探) |
| アクリート(4395) | 東証グロース | 932 | +19.18 | +4.51 | ストップ高。株探のテーマは情報セキュリティ関連。個別の材料は確認できず |
| ユビキタスAI(3858) | 東証スタンダード | 500 | +19.05 | +20.00 | ストップ高。量子・サイバーセキュリティー・SDV関連のテーマ性(株探)。前日は一時ストップ高 |
| セキュアヴェイル(3042) | 東証スタンダード | 950 | +18.75 | +8.63 | ストップ高。情報セキュリティ関連(株探)。前日のストップ安から切り返した |
| ククレブ・アドバイザーズ(276A) | 東証グロース | 4,480 | +18.52 | +10.27 | ストップ高。SBI証券が目標株価を1万3,500円から1万7,300円に引き上げ、「買い」を継続(株探) |
| ショーケース(3909) | 東証スタンダード | 725 | +16.00 | +9.93 | ストップ高。情報セキュリティ関連(株探)。前日のストップ安から切り返した |
| HEROZ(4382) | 東証スタンダード | 1,631 | +17.76 | -0.06 | 一時ストップ高。人工知能関連(株探)。19日に法人向けAI人材育成プログラムの開始を開示 |
| インタートレード(3747) | 東証スタンダード | 473 | +15.37 | +1.48 | 一時ストップ高。株探のテーマは仮想通貨関連。個別の材料は確認できず |
| Welby(4438) | 東証グロース | 315 | +8.62 | ±0.00 | 一時ストップ高。TISIとPHR事業で業務提携(株探) |
| クラスターテクノロジー(4240) | 東証スタンダード | 699 | -2.92 | +7.58 | 一時ストップ高のあと下落に転じた。材料は確認できず |
| BCC(7376) | 東証グロース | 737 | -16.91 | -4.60 | ストップ安。材料は確認できず |
引け時点でストップ高だったのは、GRCS、ウインテスト、サイバートラスト、デジタリフト、アクリート、ユビキタスAI、セキュアヴェイル、ククレブ・アドバイザーズ、ショーケースの9銘柄です。このうちGRCS・サイバートラスト・アクリート・ユビキタスAI・セキュアヴェイル・ショーケースの6銘柄はセキュリティー関連で、前日の利益確定売りから再び資金が戻りました。東証グロース市場250指数は2.79%高と大幅に反発し、フィスコは「東証プライムのAI関連株や主力半導体株を買い控える向きもあり、新興市場に資金が向かいやすかった」と伝えています。ストップ安はBCCの1銘柄でした。
PTS(私設取引システム)の値は、10月21日17時18分〜17時32分の取得時点に付いていた直近の価格です。ユビキタスAI(+20.00%)、ククレブ・アドバイザーズ(+10.27%)はPTSでも終値を大きく上回り、セキュアヴェイルとショーケースも8〜10%高でした。PTSは夜間の参考値で、翌営業日の始値を保証しません。
主要銘柄の決算と決算後のPTS
株探の決算速報によれば、本日は11社が決算や業績予想の修正を発表しました。東証プライムかつ時価総額1,000億円以上は山善の1社だけだったため、REITを含めて時価総額の大きい順に8社を下の表にまとめます。決算の要点は株探の見出しの範囲で記載しており、PTSは16時30分以降に付いた価格のみを「決算後のPTS」としています。
| 銘柄(コード) | 時価総額(億円) | 決算の要点(株探の見出し) | 終値(円) | PTS(円) | PTS終値比(%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 都市ファンド(8953) | 7,358 | 今期経常は17%減益へ | 102,300 | 未約定 | — |
| 山善(8051) | 1,858 | 今期経常を21%上方修正・8期ぶり最高益更新へ(14時発表) | 1,949 | 1,965 | +0.82 |
| ストライクグループ(6196) | 800 | 前期経常を26%上方修正 | 1,388 | 1,512 | +8.93 |
| Oneリート投資法人(3290) | 721 | 今期経常は7%増で11期ぶり最高益更新へ | 74,000 | 72,500 | -2.03 |
| タスキホールディングス(166A) | 613 | 前期経常を25%上方修正・最高益予想を上乗せ | 993 | 1,118 | +12.59 |
| 令和アカウンティング・HD(296A) | 407 | 上期経常が30%増益で着地・7-9月期も14%増益(11時30分発表) | 1,086 | 1,085.9 | -0.01 |
| 岡野バルブ製造(6492) | 237 | 前期経常を34%上方修正・最高益予想を上乗せ、配当も30円増額 | 13,200 | 13,500 | +2.27 |
| オービーシステム(5576) | 81 | 上期経常は44%増益で着地 | 3,435 | 3,205 | -6.70 |
時価総額で事業会社トップの山善は、取引時間中の14時ごろに今期(27年3月期)の業績予想を引き上げました。株探によれば、売上高を5,850億円から6,180億円(前期比14.0%増)、営業利益を150億円から179億円(同48.7%増)に見直し、半導体・AIやデータセンター、航空・宇宙、造船、防衛向けの需要が想定を大きく上回ったとしています。株価は後場に上げて3.84%高で終え、16時30分以降のPTSは0.82%高と小幅でした。大引け後に上方修正を発表したタスキHD(+12.59%)とストライクグループ(+8.93%)は、PTSで大きく買われています。株探によれば、タスキHDは販売価格が想定を上回ったことが上方修正の理由です。一方、オービーシステムは上期経常44%増益で着地しましたが、PTSは6.70%安でした。都市ファンドは16時30分以降のPTSで約定がありませんでした。
表の8社以外で決算後のPTSが大きく動いたのは、アジュバン(4929)です。上期経常は黒字に浮上して着地したものの7〜9月期は赤字が拡大し、PTSは5.66%安でした(株探の見出しによる)。PTSの価格は10月21日17時20分〜17時31分の取得値です。PTSは夜間の参考値で、翌営業日の始値を保証しません。
テクニカル分析
トレンドの位置
日経平均は3日ぶりに反発し、終値6万4,621円24銭は5日線6万4,672円72銭(-0.08%)とほぼ同じ水準まで戻りました。移動平均線とは過去一定期間の終値の平均で、5日線は直近1週間、25日線は約1か月、75日線は約3か月半、200日線は約10か月の平均コストを表します。ただ25日線6万6,357円94銭(-2.62%)と75日線6万6,286円50銭(-2.51%)はなお1,700円前後上にあり、両線とも下向きです。200日線6万1,341円17銭は3,280円07銭(+5.35%)下にあり、長期の上昇の形は保っています。
一目均衡表では、終値は雲の下のままです。一目均衡表の「雲」とは、過去の値動きから算出した2本の線に挟まれた帯で、株価がその中にあると方向感に乏しい、上にあれば強い、下にあれば弱いと読むのが一般的です。雲は6万5,986円42銭〜6万6,205円62銭で、終値は雲の下端を1,365円18銭下回りました。転換線6万6,862円68銭、基準線6万6,762円40銭も上に残っています。
ローソク足は810円53銭上に窓を開けて始まり、実体264円71銭の陰線になりました。上ヒゲは518円68銭と長く、高値6万5,404円63銭から783円押し戻された形です。安値の6万4,558円60銭は前日の高値6万4,822円22銭を下回り、朝方に開けた窓は日中に埋まりました。上ヒゲの長い陰線は、上の水準で売りが待っていることを示す形とされます。TOPIXは4,043.73で、前日に下に抜けた雲(4,039.72〜4,103.53)の中に4.01だけ戻り、5日線4,037.15も上回りました。NT倍率は15.981倍と前日とほぼ同じで、日経平均とTOPIXの上昇率はそろっています。
サポートとレジスタンス
日経平均の上値の目安は、まず本日の高値6万5,404円63銭です。その上には雲の下端と上端(6万5,986円42銭〜6万6,205円62銭)、75日線6万6,286円50銭、25日線6万6,357円94銭が6万6,000〜6万6,400円付近に並びます。さらに上の基準線6万6,762円40銭と転換線6万6,862円68銭を含め、6万6,000円台は戻りを抑えやすい価格帯です。
下値の目安は、まず本日の安値6万4,558円60銭とボリンジャーバンドの-1σ(6万4,116円75銭)です。その下には前日と前々日の安値(6万3,807円15銭、6万3,831円78銭)、9月中旬の安値(9月16日 6万3,209円92銭、9月15日 6万3,067円18銭、9月14日 6万2,726円18銭)があります。さらに下ではボリンジャーバンドの-2σ 6万1,875円56銭、200日線6万1,341円17銭が目安になります。
オシレーター
日経平均のRSI(14日)は42.2で、前日の39.4から2.8ポイント上がりました。RSIは直近14日間の値上がり幅と値下がり幅の比率を0〜100で表した指標で、一般に30以下が売られすぎ、70以上が買われすぎ、50が中立とされます。株探によれば、ストキャスティクス(9日)はFastが10.80、Slowが12.11と、反発した日でもなお低い水準です。上ヒゲの長い陰線で終値が高値から離れたため、短期の売られすぎの数値はほとんど改善していません。
日経平均のMACDは-256.8、シグナルは267.6で、ヒストグラムは-524.4。MACDは短期と長期の移動平均の差を示す指標で、シグナル(MACDの平均線)を上抜けば買い、下抜けば売りのサインと読むのが一般的です。本日は反発したものの、MACDは前日の-123.5からさらに下がり、ヒストグラムも-522.2から-524.4へわずかに広がりました。下向きの勢いが止まったとはまだ言えません。騰落レシオ(25日)は107.40%と前日の104.46%から上がり(株探)、日経VIは30.85と1.33下がりました(株探掲載のフィスコ記事)。
市場心理
本日の市場心理を一言で表すなら、「買い戻しで反発したが、上では売りが待っていた一日」です。値上がりは982銘柄(63.2%)、33業種のうち24業種が上昇と、前日の全面安からは大きく改善しました。ただ日経平均は寄り付きから30分足らずで高値を付け、その後は上げ幅の約6割を失っています。売買代金は6兆9,265億円と3日続けて7兆円を下回り、積極的に買い上がる動きは乏しい状況です。
株探の「明日の株式相場に向けて」は、信用取引の買い残が10月16日時点で6兆6,640億円と3週間前から約3%増えた一方、売り残は6,672億円と約36%減り、信用倍率がほぼ10倍まで上がったと指摘しています。同記事は、反発の原動力となる売り方の買い戻しが乏しく、戻り売りの地点を探す相場だという見方を示しました。東証グロース市場250指数が2.79%高と日経平均の上昇率(0.85%)を大きく上回り、物色は新興市場のセキュリティー関連や宇宙関連の小型株にも広がりました。
翌営業日の注目ポイント
翌営業日は10月22日(木)です。最大の焦点は、21日(現地時間)の米国で引け後に発表されるメタ・プラットフォームズとテスラの決算です。フィスコは、AI投資の計画や資金繰りへの不安が和らぐ内容なら米ハイテク株への不安がいったん後退する可能性があるとして、決算後の時間外取引でのメタの動きに注目しています。同日はラム・リサーチ、テキサス・インスツルメンツ、IBMの決算も予定されています(株探)。株探によれば、21日17時の日経225先物の夜間取引は日中の清算値比190円高の6万4,970円で寄り付きました。
国内では、22日朝に日銀の主要銀行貸出動向アンケート調査と財務省の対外・対内証券売買契約が公表され、引け後には日銀が実質輸出入の動向を発表します(株探)。個別ではディスコの4〜9月期決算(引け後)が注目です(株探)。海外では韓国、フィリピン、トルコの中央銀行が政策金利を決め、米国では週間の新規失業保険申請件数と9月の景気先行指標総合指数が発表されます(株探)。ホルムズ海峡のタンカー爆発で再び上向いた原油価格と、米長期金利の動きにも注意が必要です。
テクニカル面で10月22日(木)に確認したいのは2点です。日経平均は、5日線6万4,672円72銭を終値で上回り、本日の高値6万5,404円63銭を超えられるか。超えれば、雲の下端6万5,986円42銭が次の目安になります。下では、本日の安値6万4,558円60銭とボリンジャーバンドの-1σ(6万4,116円75銭)を守れるかが焦点です。TOPIXは雲の下端4,039.72を終値で保ち、雲の中にとどまれるかに注目です。
戦略展望
本日の値動きから読み取れる前向きな点は3つあります。ひとつ目は、日経平均が前日の安値圏から反発し、終値でボリンジャーバンドの-1σを上回ったこと。ふたつ目は、値上がりが63%、上昇が24業種と、買いが市場全体に広がったこと。三つ目は、TOPIXが5日線を上回り、前日に下に抜けた雲の中に戻ったことです。
一方で、慎重な点も3つあります。ひとつ目は、日経平均が上ヒゲ518円の陰線で、高値から783円押し戻されたこと。ふたつ目は、MACDが下がり続け、25日線・75日線・雲の下で下向きの形が変わっていないこと。三つ目は、売買代金が3日連続で7兆円を下回り、ソフトバンクGのCDS上昇などAI関連の資金調達への不安も残っていることです。
したがって本日の値動きから導かれる見立てはこうです——「米スペースXの好決算をきっかけにAI・半導体株と金融株が買い戻され、日経平均は545円高と3日ぶりに反発した。ただ高値から上げ幅の約6割を失い、売買代金も伸びず、戻り売りの強さが目立った」。判別の材料は、メタの決算を受けて日経平均が本日の高値6万5,404円を超えられるかと、本日の安値6万4,558円を守れるかの2点です。なお本節の見立てはあくまで本日までの数値から読める整理であり、将来の株価を予測するものではありません。
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