前日の急伸は、たった1日で8割が消えました。日経平均は1,130円51銭安の6万5,269円33銭と3営業日ぶりに大幅反落し、前日回復したばかりの6万6,000円台を1営業日で明け渡しました——前日の上げ幅1,378円90銭のうち82.0%を失った計算です。ただし本日の特徴は、下げ幅そのものより「引け方」にあります。後場に付けた高値6万6,791円84銭は前日終値を392円00銭上回っており、そこから大引けまでの下げ幅は1,522円51銭——安値がそのまま終値になる「安値引け」で、下ヒゲがまったくない陰線です。TOPIXは75.47ポイント(1.83%)安の4,050.33で、こちらは高値4,115.54ですら前日終値4,125.80に届かず、終日一度もプラス圏に浮上できませんでした。東証プライムで値下がりしたのは全体の74.5%、値上がりは23.2%にとどまります。売り材料は2つ——外国為替市場で円相場が一時1ドル=152円台まで急伸したこと、そして中東情勢を巡る不透明感です。その中でソフトバンクグループだけは5.45%高と逆行し、1銘柄で指数を272円74銭押し上げました——同社がなければ本日の下げ幅は1,400円を超えていたことになります。
まずローソク足の形を確認します。始値6万5,843円69銭、高値6万6,791円84銭、安値6万5,269円33銭、終値6万5,269円33銭——安値と終値が同じ値です。つまり下ヒゲがまったく無い「陰の大引け坊主」で、大引けの瞬間が本日の最安値だったことを意味します。実体は574円36銭、上ヒゲは948円15銭——上ヒゲが実体の1.65倍という、売り圧力の強さがそのまま形に出た陰線です。寄り付きは前日終値より556円15銭(0.84%)低いギャップダウンでしたが、その後いったん買い戻されて高値では前日終値を392円00銭(0.59%)上回るプラス圏まで浮上しています。前場を終えた時点では6万6,445円13銭で45円29銭高、後場は263円高で始まりました——崩れたのは、そこからです。日中値幅は1,522円51銭で、8月19日の1,699円53銭以来の大きさ。9月2日以降5営業日連続で950円を超えており、値動きの荒さは収まるどころか拡大しました。
主要マーケット指標
| 指標 | 数値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 65,269.33円 | -1,130.51円 (-1.70%) 3営業日ぶり反落 |
| 前日の上げ幅の消失率 | 82.0% | 前日の+1,378.90円のうち1,130.51円を失った。6万6,000円台は1営業日で明け渡し |
| 日経平均 高値 / 安値 | 66,791.84 / 65,269.33 | 始値 65,843.69円。日中値幅1,522.51円は8月19日(1,699.53円)以来の大きさ |
| 高値から終値までの下げ | -1,522.51円 (-2.28%) | 高値66,791.84円は前日終値を392.00円上回る水準。そこから一気に崩れた |
| ローソク足の形 | 実体574.36円の陰線 | 安値=終値で下ヒゲゼロの「陰の大引け坊主」。上ヒゲ948.15円は実体の1.65倍 |
| 寄り付きのギャップ | -556.15円 (-0.84%) | 始値65,843.69円。いったん埋めて高値では前日終値を392.00円上回った |
| 前場引け → 大引け | 66,445.13 → 65,269.33 | 前場は45.29円高。後場は263円高で始まり、そこから1,393円下げた |
| TOPIX | 4,050.33 | -75.47 (-1.83%) 4営業日ぶり反落 |
| TOPIX 高値 / 安値 | 4,115.54 / 4,050.33 | 始値 4,087.91 (値幅65.21)。高値ですら前日終値4,125.80に届かず、終日プラス圏なし |
| TOPIXと日経平均の騰落率差 | 0.13ポイント | 日経平均-1.70%に対しTOPIX-1.83%。TOPIXのほうが下落率は大きい |
| NT倍率 | 16.115倍 | 前日16.094倍から0.021上昇。8月26日のピーク16.118倍まであと0.003 |
| 東証プライム 売買代金 | 約8兆4,774億円 | 前日の約8兆377億円から約4,397億円 (5.5%) 増 |
| 東証プライム 売買高 | 約21億1万株 | 前日の約20億2,987万株から約7,014万株 (3.5%) 増 |
| 商いの増え方 | 代金+5.5% / 株数+3.5% | 下げた日に商いが膨らんだ。前日(2.12%高で代金-3.5%)とは正反対の組み合わせ |
| 1株あたり平均約定単価 | 約4,037円 | 前日の約3,960円から約1.9%上昇。売りも値がさ株に集中した形 |
| 東証プライム 値上がり/値下がり | 23.2% / 74.5% | 前日は40.7%/56.9%。値下がり比率は17.6ポイント拡大した |
| 日経平均225銘柄 値上がり/値下がり | 59銘柄 / 164銘柄 | 値上がりは26.3%。前日の105銘柄/120銘柄から一変した(当サイト集計・寄与度ランキング掲載224銘柄ベース) |
| 東証33業種 上昇/下落 | 9業種 / 24業種 | 前日は17業種/16業種。上昇業種は8つ減った |
| 業種別 上昇率上位 | 情報・通信業 +2.20% | 以下 石油・石炭製品+1.91%、鉱業+1.08%、陸運業+0.61%、小売業+0.37% |
| 上昇9業種の残り4業種 | 不動産業 +0.23% | 以下 空運業+0.21%、建設業+0.08%、水産・農林業+0.06%。いずれも小幅高 |
| 業種別 下落率上位 | ガラス・土石製品 -4.44% | 以下 輸送用機器-4.14%、電気機器-3.90%、機械-3.65%、精密機器-3.64% |
| 業種別 下落率6〜11位 | ゴム製品 -3.53% | 以下 非鉄金属-3.29%、金属製品-3.17%、繊維製品-2.77%、鉄鋼-2.75%、化学-2.61% |
| 前日上昇率2位のガラス・土石 | -4.44%と急反落 | 前日は+2.49%。半導体部材関連は前日の上昇分を上回って下げた |
| 最大のプラス寄与 | ソフトバンクグループ +272円74銭 | 339円(5.45%)高の6,556円。全体安の中で唯一まとまった押し上げ役 |
| ソフトバンクGを除いた場合 | 下げ幅は約1,403円 | 同社がなければ下げ幅は24.1%大きくなっていた計算 |
| 最大のマイナス寄与 | 東京エレクトロン -185円04銭 | 1,840円(3.30%)安の5万4,000円。安値引けだった |
| マイナス寄与 2〜5位 | アドバンテスト -164円12銭 | 以下 TDK-103円33銭、イビデン-93円19銭、村田製作所-48円03銭 |
| マイナス寄与 6〜10位 | リクルートHD -45円25銭 | 以下 京セラ-39円42銭、ファナック-35円87銭、ファーストリテイリング-34円59銭、日東電工-33円52銭 |
| マイナス寄与 上位2銘柄合計 | -349円16銭 | 東京エレクトロンとアドバンテストだけで下げ幅1,130.51円の30.9% |
| マイナス寄与 上位5銘柄合計 | -593円71銭 | 下げ幅の52.5%。半導体・電子部品5銘柄で半分を超えた |
| マイナス寄与 上位10銘柄合計 | -782円36銭 | 下げ幅の69.2%。前日の上位集中(上げ幅の96.3%)ほどではない |
| プラス寄与 2〜5位 | ニトリHD +14円75銭 | 以下 KDDI+11円87銭、コナミグループ+7円04銭、ネクソン+5円43銭 |
| 1位と2位の差 | 18.5倍 | ソフトバンクG+272円74銭に対し2位のニトリHDは+14円75銭 |
| 米ドル/円 | 153円87銭 | -48銭のドル安・円高 (16時22分時点の株探表示値)。日中は一時152円89銭まで円高が進行 |
| 上海総合指数 | 3,932.69 | +2.58 (+0.07%) 小幅高 (株探の終値表示) |
| 米国市場 (9月7日) | レーバーデーで休場 | そのため下記の米国指数は9月4日(金)の終値が最新。前日と同じ数値です |
| NYダウ (9/4終値) | 53,414.25 | -271.86 (-0.51%) 反落 |
| S&P 500 (9/4終値) | 7,718.60 | -29.11 (-0.38%) 反落 |
| ナスダック総合 (9/4終値) | 26,506.99 | -77.07 (-0.29%) 反落 |
| SOX指数 (9/4終値) | 11,735.26 | +383.13 (+3.37%) 急伸。前日の東京市場を押し上げた材料そのもの |
| 米VIX指数 (9/4終値) | 14.53 | +0.21 (+1.47%) 小幅上昇。水準としては依然低い |
| 日経平均 5日線からの乖離 | +0.34% | 5日線 65,046.05。223円28銭上。かろうじて上を維持している |
| 日経平均 25日線からの乖離 | -1.42% | 25日線 66,209.88。940円55銭下。前日の+0.38%から1日で再び下回った |
| 日経平均 75日線との差 | -1,554.55円 (-2.33%) | 75日線 66,823.88。下回るのは8月21日から13営業日連続。差は前日の398円から再拡大 |
| 日経平均 200日線からの乖離 | +10.38% | 200日線 59,129.88。6,139円45銭上。長期の上昇基調は維持 |
| 日経平均 一目均衡表の雲 | 上限 66,061.99 / 下限 65,271.06 | 終値は下限をわずか1円73銭下回った。1営業日で雲の上から雲の下へ抜けた |
| 日経平均 転換線 / 基準線 | 65,363.75 / 66,155.86 | 終値は転換線を94円42銭、基準線を886円53銭下回った |
| 日経平均 ボリンジャーバンド -1σ | 64,934.57 | 終値は-1σを334円76銭上回る。-2σは63,659.26、+1σは67,485.18 |
| 日経平均 RSI (14日) | 46.9 | 前日の52.1から5.2ポイント低下。再び中立の50を下回った |
| 日経平均 MACD / シグナル | -256.6 / -172.5 | ヒストグラムは-84.1。前日の-86.3からわずかに改善。MACD本体は-237.8から悪化 |
| 日経平均 52週高値からの距離 | -7,562.40円 (-10.38%) | 52週高値 72,831.73 (6/22)。前日の-8.83%から1.55ポイント拡大 |
| 7月29日安値からの戻り | +4,820.43円 (+7.97%) | 直近安値 60,448.90 (7/29)。前日の+9.84%から1.87ポイント縮小 |
| 9月7日の窓の埋まり具合 | 残り248.39円 | 7日の窓は65,020.94〜65,600.42。本日の安値65,269.33で窓の内側まで戻された |
| TOPIX 25日線 / RSI (14日) | 4,102.33 / 45.7 | 終値は25日線を52.00ポイント下回り、4営業日ぶりに割り込んだ。RSIは54.1から8.4ポイント低下 |
| TOPIX MACD / シグナル | 13.2 / 21.3 | ヒストグラムは-8.1。前日の-3.6からマイナス幅が2倍以上に拡大した |
| TOPIX 転換線 / 基準線 | 4,123.60 / 4,050.31 | 終値4,050.33は基準線をわずか0.02ポイント上回るだけ。転換線は73.27ポイント上 |
| TOPIX 一目均衡表の雲 | 上限 3,996.51 / 下限 3,951.06 | 終値は上限を53.82ポイント上回り、雲の上は維持している |
| TOPIX 75日線 | 4,024.58 | 終値は25.75ポイント上。25日線は割ったが75日線は保った |
| TOPIX 52週高値からの距離 | -169.98 (-4.03%) | 52週高値 4,220.31 (8/14)。前日の-2.24%から1.79ポイント拡大 |
マクロ・地政学の視点
本日の下落を理解する前に、ひとつ確認しておくべき事実があります——9月7日(月)の米国市場はレーバーデーで休場でした。つまり本日の東京市場には、新しい米国株の材料が一切入っていません。NYダウ53,414.25ドル(-0.51%)、S&P500の7,718.60(-0.38%)、ナスダック総合26,506.99(-0.29%)、そしてSOX指数11,735.26(+3.37%)は、いずれも9月4日(金)の終値のままです。前日7日に日経平均が1,378円90銭も上げた材料は、この「SOXだけ3.37%高」という前週末の数字でした——本日はその同じ数字を、市場が2日目には評価しなかったということになります。
代わりに相場を動かしたのは、為替と地政学です。外国為替市場では円相場が一時1ドル=152円台まで急伸しました——日中安値は152円89銭で、16時22分時点でも153円87銭と前日から48銭の円高・ドル安水準です。円高は輸出企業の円換算利益を目減りさせるため、自動車や電子部品といった輸出関連株には売りが続きました。もうひとつが中東情勢を巡る不透明感の高まりで、報道では両者が本日の売り材料として並べて挙げられています。この2つが同時に効いたことは、業種別騰落率を見れば裏付けられます——上昇率2位が石油・石炭製品(+1.91%)、3位が鉱業(+1.08%)。資源価格の上昇を織り込む業種だけが買われ、輸送用機器は-4.14%と下落率2位に沈みました。
ここで注意したいのは、円高と半導体安が「別々の理由」ではないという点です。本日下げた業種の上位を並べると、ガラス・土石製品-4.44%、輸送用機器-4.14%、電気機器-3.90%、機械-3.65%、精密機器-3.64%、ゴム製品-3.53%、非鉄金属-3.29%、金属製品-3.17%——いずれも海外売上比率の高い製造業です。円高はこれら全体に等しく効きます。そこに前日の急騰による利益確定売りが重なったのが、半導体・電子部品関連でした。前日に+2.49%と上昇率2位だったガラス・土石製品が、本日は-4.44%と下落率トップ——前日の上昇分を上回って下げたことになります。
一方、上昇した9業種の顔ぶれには一貫性があります。情報・通信業+2.20%、石油・石炭製品+1.91%、鉱業+1.08%、陸運業+0.61%、小売業+0.37%、不動産業+0.23%、空運業+0.21%、建設業+0.08%、水産・農林業+0.06%——資源関連(石油・鉱業)を除けば、いずれも内需型です。円高は輸入コストを下げるため内需企業には追い風ですから、本日の業種別の並びは「円高を素直に織り込んだ一日」として説明がつきます。なお情報・通信業の+2.20%は、そのほとんどがソフトバンクグループ1社の5.45%高によるものです。
日程面では、今週の後半に需給の節目が控えます。9月10日(木)が日経平均・TOPIX先物9月限の最終売買日、11日(金)がメジャーSQ(特別清算指数)の算出日です。四半期に一度のメジャーSQは先物・オプションの決済が集中するため、その前後は需給要因で値動きが増幅されやすくなります。本日の日中値幅1,522円51銭・前日の1,068円29銭という荒さは、この日程を意識した先物主導の売買が背景にある可能性があります。加えて市場関係者は週内に予定される米国の物価統計を注視しているとされます——物価指標が上振れれば米金利の上昇圧力が強まり、半導体を含む株式全体の重荷になりかねません。
セクター・個別銘柄の動き
東証33業種は9業種が上昇、24業種が下落しました。前日は17業種上昇・16業種下落でしたから、上昇業種は8つ減ったことになります。そして本日は、上昇幅と下落幅の非対称性が前日とまったく逆です——上昇率トップの情報・通信業でも+2.20%、9業種のうち6業種は+1%にも届いていません。対して下落率上位は-4%台から-2.6%台までが11業種並びます。上がった業種は小さく上がり、下がった業種は大きく下がった——指数が1.70%下げ、TOPIXが1.83%下げた理由は、この非対称性にあります。
下落率トップはガラス・土石製品の-4.44%で、2位が輸送用機器-4.14%、3位が電気機器-3.90%、4位が機械-3.65%、5位が精密機器-3.64%と続きます。半導体製造装置を含む電気機器では、東京エレクトロンが1,840円(3.30%)安の5万4,000円、アドバンテストが680円(1.97%)安の3万3,800円、ディスコが3,260円(5.70%)安の5万3,890円、レーザーテックが680円(1.91%)安の3万4,910円と主要銘柄が軒並み下落しました。いずれも安値引けに近い引け方で、東京エレクトロンとアドバンテストは終値がそのまま当日の安値です。電子部品はさらに厳しく、村田製作所が597円(7.83%)安の7,023円、太陽誘電が778円(7.92%)安の9,046円、TDKが205円50銭(6.89%)安の2,775円、ロームが368円(7.02%)安の4,875円、日東電工が200円(5.92%)安の3,179円と7%超の下落が並びました。半導体パッケージ基板のイビデンは1,390円(6.26%)安の2万810円、メモリーのキオクシアホールディングスは2,120円(3.56%)安の5万7,410円です。
円高の直撃を受けたのが輸送用機器(-4.14%)です。トヨタ自動車が127円50銭(4.12%)安の2,968円50銭、ホンダが84円50銭(4.99%)安の1,610円50銭、スズキが75円(3.65%)安の1,980円、ヤマハ発動機が109円(5.90%)安の1,739円50銭と主要自動車株がそろって下げました。トヨタは高値が始値の3,040円、安値が終値の2,968円50銭という、一度も戻さない下げ方です。機械・電機の内需外需混合セクターでも、ファナックが214円(3.56%)安の5,797円、SMCが2,940円(4.29%)安の6万5,650円、三菱電機が319円(5.92%)安の5,066円、オムロンが310円(4.93%)安の5,980円、セイコーエプソンが179円(5.68%)安の2,972円と下げ、非鉄金属では住友電気工業が130円50銭(5.93%)安の2,071円、フジクラが158円(3.01%)安の5,083円と、前日買われた電線株も売り直されました。
上昇した側は、ソフトバンクグループの独走です。339円(5.45%)高の6,556円と急伸し、1銘柄で日経平均を272円74銭押し上げました。同社は前営業日にも11.22%高で504円44銭の押し上げ役でしたから、3営業日で株価は5,590円から6,556円へ17.3%上昇したことになります。本日の日中値幅は安値6,111円から高値6,745円までの634円で、全体が崩れた後場も終値6,556円と高値圏を保ちました。プラス寄与の2位以下はニトリホールディングス+14円75銭(176円・5.47%高の3,392円)、KDDI+11円87銭(29円50銭・1.00%高の2,990円50銭)、コナミグループ+7円04銭(210円・1.01%高の2万985円)、ネクソン+5円43銭(81円・2.65%高の3,132円)——1位と2位の間には18.5倍の開きがあります。そのほかイオン+3円32銭、オリエンタルランド+3円22銭、出光興産+2円95銭、大塚ホールディングス+2円35銭、日本ハム+2円23銭と続き、内需・生活関連が細かく買われました。円高メリットを取りにいった買いと読めます。
マイナス寄与の集中度も確認しておきます。最大が東京エレクトロンの-185円04銭、2位がアドバンテストの-164円12銭で、この2銘柄だけで-349円16銭——本日の下げ幅1,130円51銭の30.9%です。3位TDK-103円33銭、4位イビデン-93円19銭、5位村田製作所-48円03銭まで足すと-593円71銭で、下げ幅の52.5%。6位以下はリクルートHD-45円25銭、京セラ-39円42銭、ファナック-35円87銭、ファーストリテイリング-34円59銭、日東電工-33円52銭と続き、上位10銘柄の合計は-782円36銭で下げ幅の69.2%となります。前日は上位5銘柄で上げ幅の96.3%という極端な集中でしたから、本日の下げのほうが担い手は広い——実際、日経平均225銘柄のうち値下がりは164銘柄(73.2%)、値上がりは59銘柄にとどまりました。前日の105銘柄/120銘柄からは一変しています。
テクニカル分析
トレンドの位置
前日に「1日でまとめて回復した」と書いた指標が、本日そのまま元に戻りました。終値6万5,269円33銭は25日線(6万6,209円88銭)を940円55銭(-1.42%)下回っています——前日は+0.38%上にいましたから、25日線の回復はわずか1営業日で終わったことになります。5日線(6万5,046円05銭)だけは223円28銭(+0.34%)上を維持していますが、これは直前3営業日が6万4,000〜6万6,000円台と低かったための一時的な位置関係にすぎません。75日線(6万6,823円88銭)との差は1,554円55銭(-2.33%)に再拡大し、下回るのは8月21日から13営業日連続となりました。200日線は5万9,129円88銭で終値は+10.38%上——長期の上昇基調そのものは崩れていません。
一目均衡表では、本日いちばん象徴的な数字が出ました。雲の上限6万6,061円99銭・下限6万5,271円06銭に対し、終値6万5,269円33銭は下限をわずか1円73銭だけ下回っています——前日は雲の上限を337円85銭上回っていましたから、1営業日で雲を上から下まで貫いたことになります。しかも「雲の下」という判定になったのは、たった1円73銭の差です。転換線6万5,363円75銭も終値より94円42銭上、基準線6万6,155円86銭は886円53銭上——雲・転換線・基準線の3つが、前日とは逆にすべて弱気側へ反転しました。ボリンジャーバンドでは25日の-1σが6万4,934円57銭で、終値はまだ334円76銭上——売られすぎを示す水準にはまだ距離があります。
サポートとレジスタンス
下値でまず意識されるのは、雲の下限6万5,271円06銭と転換線6万5,363円75銭です。終値がその1円73銭下にある以上、翌営業日にこの水準を回復できるかどうかが最初の分かれ目になります。その下が5日線6万5,046円05銭、さらに9月7日の窓の下端6万5,020円94銭(9月4日終値)です。7日に開いた6万5,020円94銭〜6万5,600円42銭の窓は、本日の安値6万5,269円33銭で内側まで埋められており、完全に埋めるまで残り248円39銭——窓は後日埋めにいく値動きが起きやすいとされる形ですから、この248円は現実的な下値目標として意識されます。さらに下はボリンジャー-1σの6万4,934円57銭、そして9月3日安値6万3,772円80銭という並びです。
上値のレジスタンスは階段状に積み上がっています。まず雲の下限6万5,271円06銭、次に転換線6万5,363円75銭、その上に本日の始値6万5,843円69銭。さらに雲の上限6万6,061円99銭、基準線6万6,155円86銭、25日線6万6,209円88銭が6万6,062円〜6万6,210円という150円ほどの狭い帯に密集しています。この帯を抜けても、本日の高値6万6,791円84銭と75日線6万6,823円88銭がほぼ同じ位置で待ち構えます——本日の高値が75日線の手前32円04銭で止まったという事実は、この2つが重なった強い抵抗帯として機能したことを示唆します。前日の高値6万6,668円71銭も75日線の129円手前で止まっており、2営業日連続で同じ壁に跳ね返された格好です。
オシレーター
RSI(14日)は46.9で、前日の52.1から5.2ポイント低下し、再び中立の50を下回りました。一般に30以下が売られすぎ、70以上が買われすぎとされる指標ですから、46.9は「どちらでもない」水準です。1,130円もの下落があった日にRSIが46台にとどまるのは、9月2日以降の乱高下でこの指標がすでに中立圏を行き来しているためで、本日の下げは指標上「行きすぎ」とまでは評価されていないということになります。裏を返せば、自律反発を期待できるほど売られてもいないという読み方もできます。
MACDは-256.6、シグナルは-172.5、ヒストグラムは-84.1。前日はMACD-237.8・シグナル-151.5・ヒストグラム-86.3でしたから、MACD本体は18.8ポイント悪化した一方、ヒストグラムはわずか2.2ポイントながら改善しています。1,130円安の日にヒストグラムが改善するのは奇妙に見えますが、これは9月2日の1,889円安という大きな下げが計算期間の中で相対的に古くなり、指標の基準そのものが下がっているためです。MACDもシグナルもマイナス圏のままで、ゴールデンクロス(MACDがシグナルを上抜く)には84.1ポイントの距離があります。指標が示しているのは「下向きの流れが続いている」という一貫した姿です。
TOPIXのテクニカルは、日経平均より悪化が明確です。終値4,050.33は25日線4,102.33を52.00ポイント下回り、4営業日ぶりに25日線を割り込みました。RSI(14日)は45.7と前日の54.1から8.4ポイント低下し、MACDのヒストグラムは-3.6から-8.1へマイナス幅が2倍以上に拡大しています。ただし75日線4,024.58は25.75ポイント上回っており、雲の上限3,996.51に対しても53.82ポイント上を維持——中期の支えはまだ残っています。興味深いのは基準線で、4,050.31に対して終値は4,050.33——その差0.02ポイントで、ほぼ完全に基準線上で引けました。そしてNT倍率は16.115倍と前日の16.094倍からさらに0.021上昇し、8月26日のピーク16.118倍まであと0.003です。下げた日にNT倍率が上がったのは、TOPIXの下落率(-1.83%)が日経平均(-1.70%)を上回ったため——ソフトバンクグループ1社の押し上げが、日経平均の下げをTOPIXより小さく見せたということです。
市場心理
本日の市場心理を一言で表すなら、「戻り売りの厚さを確認した一日」です。相場は決して寄り付きから弱かったわけではありません——556円15銭安で始まった後に買い戻され、後場には前日終値を392円00銭上回る6万6,791円84銭まで浮上しています。前場を終えた時点では45円29銭高、後場は263円高で始まりました。それでも大引けは1,130円51銭安の安値引け——高値から1,522円51銭(2.28%)の下落です。上値を試したところで売りが出て、そのまま一度も戻せなかったという値動きは、6万6,000円台後半に厚い売り物が控えていることを示しています。
商いの増え方も、この読みを補強します。東証プライムの売買代金は約8兆4,774億円で、前日の約8兆377億円から5.5%増。売買高も約21億1万株と前日から3.5%増えました。前日は2.12%高なのに代金が3.5%減という「熱狂に商いが伴わない」状態でしたが、本日はその逆です——下げた日のほうが商いが膨らんだ。1株あたりの平均約定単価を計算すると本日は約4,037円で、前日の約3,960円から1.9%上昇しています。値がさ株の売買がさらに増えたということで、実際に下げを主導したのは5万4,000円の東京エレクトロン、3万3,800円のアドバンテスト、2万810円のイビデンといった高単価銘柄でした。
騰落銘柄数は、下げの広がりをはっきり示しています。東証プライムで値下がりしたのは全体の74.5%、値上がりは23.2%にとどまりました——前日の40.7%/56.9%から、値下がり比率は17.6ポイント拡大しています。日経平均225銘柄でも値下がり164銘柄・値上がり59銘柄で、上昇したのは26.3%(当サイト集計)。そして東証33業種は9業種上昇・24業種下落です。前日は「指数が2.12%高なのにプライムの56.9%が下落」という歪んだ一日でしたが、本日は指数・銘柄数・業種数のすべてが同じ方向を向いています——その意味で、本日の下げは前日の上げより「市場全体の姿」に近いと言えます。
ただし、ひとつだけ前日と変わらない歪みが残りました。ソフトバンクグループの存在です——同社は5.45%高で1銘柄だけ272円74銭のプラス寄与を出しており、これがなければ本日の下げ幅は約1,403円、つまり24.1%大きくなっていた計算になります。前日は同社が上げ幅の36.6%を稼ぎ、本日は下げ幅の24.1%を打ち消した——2営業日連続で、1社が日経平均の見え方を作っているわけです。NT倍率が下落日にもかかわらず16.094倍から16.115倍へ上昇したのは、この構図を数字にしたものにほかなりません。指数の数字だけを見ていると、市場の実勢を1社分だけ取り違える——この点は前日と本日で共通しています。
翌営業日の注目ポイント
翌営業日は9月9日(水)で、東京市場は通常どおり取引が行われます。祝日や連休を挟まない一方、米国市場は7日のレーバーデー休場明けとなる8日(現地時間)の取引結果が、9日の東京市場に初めて反映されます——2営業日ぶりの新しい米国の材料が入る日という点は、あらかじめ意識しておきたいところです。
最初に見るべきは、雲の下限6万5,271円06銭と転換線6万5,363円75銭を回復できるかです。本日の終値6万5,269円33銭は雲の下限をわずか1円73銭下回っただけで、ごく小幅な反発でも「雲の上」に戻れる位置にあります。逆にここを回復できないまま推移すれば、9月7日の窓の下端6万5,020円94銭までの248円39銭が次の下値目標になります。窓を完全に埋めるかどうかは、前日の急伸が「一過性の買い」だったのかを判定する材料です。
ふたつ目は為替です。ドル円は日中に一時152円89銭まで円高が進み、16時22分時点でも153円87銭——本日の下げの主因のひとつがここにある以上、円高が止まるかどうかが輸出関連株の戻りを左右します。本日は輸送用機器が-4.14%、電気機器が-3.90%と大きく下げており、逆に円高が一服すれば戻りも大きくなりやすい面があります。合わせて中東情勢に絡む原油価格の動きも確認したいところで、本日は石油・石炭製品が+1.91%、鉱業が+1.08%と上昇率2位・3位に入っています——この2業種が引き続き買われるようなら、地政学リスクの織り込みが続いていると読めます。
三つ目は需給日程です。9月10日(木)が日経平均・TOPIX先物9月限の最終売買日、11日(金)がメジャーSQ算出日にあたります。四半期に一度のメジャーSQ週は先物主導で値動きが荒くなりやすく、本日の日中値幅1,522円51銭のような振れも起きやすい地合いです。本日は上下いずれの方向にも1,500円動いた日ですから、SQを通過するまでは値幅そのものが大きくなる前提で見ておくのが無難でしょう。加えて市場関係者は週内に予定される米国の物価統計を注視しているとされます。
戦略展望
この2営業日で起きたことを整理すると、相場の性格がよく見えます。7日は1,378円90銭高、8日は1,130円51銭安——2日間の差し引きは+248円39銭にすぎません。1日で1,000円以上動く日が2日続いても、実質的にはほとんど進んでいないということです。7日の終値6万6,399円84銭に対して本日の終値は6万5,269円33銭で、8月28日終値6万6,405円56銭から見れば1,136円23銭下——前日「調整局面はほぼ帳消しになった」と書けた状態が、1日で振り出しに戻りました。
テクニカル面で最も重い事実は、75日線の壁が2営業日続けて機能したことです。7日の高値6万6,668円71銭は75日線6万6,798円15銭の129円44銭手前、8日の高値6万6,791円84銭は75日線6万6,823円88銭の32円04銭手前で止まりました。2日連続で同じ線に跳ね返され、しかも本日は跳ね返された後に1,522円51銭下げて安値引け——8月21日から13営業日続く「75日線の下」という状態は、簡単には終わらないことを示しています。一目均衡表でも雲・転換線・基準線の3つがすべて弱気側に戻り、RSIは50を割り、MACDはマイナス圏で下向きです。
一方で、下値も崩れてはいません。200日線5万9,129円88銭からは+10.38%上、7月29日の安値6万448円90銭からも+7.97%上にあります。TOPIXは25日線こそ割ったものの、75日線4,024.58と雲の上限3,996.51はどちらも上回ったままです。ボリンジャーバンドの-1σ6万4,934円57銭にもまだ334円76銭の距離があり、「売られすぎ」と呼べる水準には達していません。つまり本日の下げは、上昇トレンドの崩壊ではなく、6万4,000円台〜6万6,000円台という約2,000円のレンジ内での往復の一部と見るのが素直です。
したがって本日の値動きから導かれる結論はこうです——「6万6,000円台後半には厚い戻り売りがある。一方で6万4,000円台には買いも控えている。当面はレンジ」。判別の材料は明確で、上は75日線6万6,823円88銭を終値で抜けられるか、下は9月7日の窓の下端6万5,020円94銭を維持できるか——この2点です。加えて、指数の数字を1社分割り引いて読む習慣は当面必要でしょう。前日はソフトバンクグループが上げ幅の36.6%を作り、本日は下げ幅の24.1%を打ち消しました——2営業日連続で、日経平均は同社の分だけ市場の実勢よりも「マイルド」に見えています。今週はメジャーSQと米国の物価統計という2つの要因を控え、値動きが増幅されやすい週です。指数の終値だけでなく、業種数・銘柄数・売買代金という「中身」を併せて確認する——この2日間が改めて教えているのは、結局そこに尽きます。
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